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おかえり

「おかえり」

この一言だけでどれだけ心が救われるだろう。
私はいつも、だれもいない家に帰ってる。
ドアを開けても、鍵を閉めても、部屋の扉を開けても、だれも何も言わない。
自分しかいないから。

日常や、幸せを目にするたびに、ありがたい話だなと思う。
実家暮らしの話を聞くたびに「大切にしなよ」と思う。

一人になった時の喪失感、孤独感というのは、すぐに感じるものじゃない。 長い時間をかけて蓄積されていく。
親しい人や家族と会うたび、親族と会うたび笑う度、降り積もる量は増える。

でも、孤独からは抜け出せなくて、家に帰っても一人で、感情の起伏がなくて。
パターン化された毎日を過ごす日々。

誰かが家にいることが
「おかえり」って言ってくれることが
誰かと何かを話し合うことが、時には感情に任せて戦うことが

とてつもなく尊くはかないものであると認識させられる。

でも、一人暮らしの人はだれかとともにいることのありがたさを語り
誰かと暮らす人は一人で暮らすことのありがたさを語る。

結局、どっちも幸せな面がある。

だけど私は、言ってほしい。
聞いてみたい。

自分の家で聞ける「おかえり」を。

私は、言ってみたい。

誰かの前で言える「ただいま」を。



私は、今一人暮らしです。
家に帰ってきて、だれもいなくて、どうしようもなく苦しくて、体が動かない日がありました。今日もそんな日です。
だから、文字にしてみました。

そんな日でも、家事をしないといけない。
一日だって休める日はない。
ほったらかしたら、生きていけなくなるから。

だから私は、今日も明日も一人で生きる。

でも、もう限界かもしれない。
崖はすぐそこにある気がする。

私はいつ、足を踏み外すだろう。

私はいつ、聞くことができるだろう。
私はいつ、言うことができるだろう。

「おかえり」
「ただいま」

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