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雲隠れ蜘蛛吉その弐

【登場人物】

🐢おかめちゃん
亀と人間のハイブリッド
亀の名残りは、甲羅と
ゆっくりの歩みのみ
ハイソサエティにみえるが
じつはおとぼけな二十歳
幼馴染のおつるちゃんと
おめでたい席に呼ばれて
舞を舞うこともある

🐬おさめちゃん
サメと人間のハイブリッド
サメの名残りは、
鋭い歯とへの字口
そしてサメ肌
いちご大福が大好きな
自他共に認めるおとぼけな
二十歳
おかめちゃんと幼馴染


神社でお詣りの翌日
『雲隠れ蜘蛛吉』のお話を作るため
集まったおかめとおさめ
さてさて時代劇風物語は
できるのか…☆



🐢「おさめちゃん~
   じっちゃんの誕生日
   いつなの?」


🐬「三日後」


🐢「あららら💦💦
    大忙しやんか」


🐬「だいじょうぶ♪
  おかめちゃんが
  いてくれたら 
  百人力の気がするよ」


🐢「んなまた
  大げさなーー(〃∇〃)
  まあ ど~んと
  ウミガメの甲羅に
  乗ったくらいのつもりで
  安心せよ」


🐬「ありがとう
  ところで 
  不思議なことが
  あったんだよね
  おかめちゃんの髪に
  蜘蛛ついてたやろ?
  あのほら、神社で」


🐢「うんうん」


🐬「神社での、その蜘蛛と
  おんなじ蜘蛛が
  そのあと
  なんでか私の髪について
  たんだよ。
  おかめちゃんは、あのあと
  蜘蛛どうなった?」


🐢「すっかり忘れてたわ
   夜のシャンプーで、
  どっか行ったのか
  知らぬまに
  おさめちゃんに
  乗り換えたか」


🐬「私はてっきり 
  蜘蛛吉は 
  おかめちゃんと
  仲良く帰ったと
  思ってたけどね。
 夜は私もシャンプーもしたしね」


🐢「そうだよ♪
  よく考えたら
  そのあと ご飯食べに行った
  時には 蜘蛛は居なかったよ
  おさめちゃんの顔見ながら
  しゃべってたとき
  動く何かがあれば
  気づくはず…」


🐬「そうだよねーー
  とにかく
  夜寝る前に、蜘蛛
  出てきたんだよーー
  そして朝も
  さっきも!あの蜘蛛は
  ますます神の御使いと
  思えてきたよ」


🐢「そりゃあ だんなー 
  なにかありますなー」


🐬「おっとっと
  もうすでに
  時代劇モードかい?」


🐢(長屋の女)
 『蜘蛛きっつぁん 
  ねえ ちょいと
  蜘蛛きっつぁん 
  いるのかえー』


🐬(糸屋の蜘蛛吉)
  『あいよー
   っらっしゃいー』


🐢(長屋の女)
 『蜘蛛きっつぁん 
  ちょいと、この着物に
  合う糸をみておくれよ』


🐬(蜘蛛吉)
 『おおこれは 
  だいぶ使い込んで
  すりきれてる
  じゃあねえか』


🐢(長屋の女)
 『もうダメかねー』


🐬(蜘蛛吉)
 『いや 
  縫い方工夫すりゃあ
  また使えるようになるよ』


🐢(長屋の女)
 『それじゃあ 糸 見繕って
  おくれよ。
  ところで また
  物騒な話を聞いたよ』


🐬(蜘蛛吉)『なんだい?』


🐢(長屋の女)
 『米問屋の娘が
 行方知れずらしいんだよ』


🐬(蜘蛛吉)
『って言うと もうすぐ
 隣町の呉服屋の
 三代目と縁談が決まった
 そう聞いてたあの娘か』


🐢(長屋の女)
『そうなんだよ どうやら
 他に好いていた男がいてね
 その人と駆け落ちでも
 したんじゃないか
 って噂でね でも~
 米屋は米屋で
 相当な額の仕度金を
 もらったって 
 いうじゃないか こりゃあ
 おおごとだよ』



…☆☆…☆☆…

🐬「なんか 次は 
  八丁堀の旦那とか
  出てきそうだね 
  おかめちゃん」


🐢「八丁堀のお役人ねえ 
  それと
  糸屋の蜘蛛吉が 
  悪人成敗したら 
  必殺仕〇人 
  みたいだからねーーでも
  できるだけ 斬ったはったの
  激しいバトルは、
  なしにしたいねー」


🐬「じゃあ 奇想天外に
  お化けとか出す?」


🐢「んーー( ̄∩ ̄#」



早くも煮詰まる
おかめちゃんと
おさめちゃんであった


~つづく~

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