きちんとさんと、ゆるゆるさん
ああ。
出発間近だというのに。
2ヶ月近く滞在するなかで、日付の決まっている予定はビザコンサルタントとの予約だけ。そのために移動する国内線のチケットもまだとっていない。
旅程も、泊まるところも決めていない。
いや、リサーチはしている。
長い滞在だし、キチキチ予定を詰めたってその通りに行くわけない。のんびりその時の気分で動けば良い。いざとなったら当日でも何とかなるさ、という冒険心。
私の中の「ゆるゆるさん」が、根拠のない自信で私を支えている。
だが一方で、
試験のために速達で送った書類がまだ届かないこと、
試験の日程や場所がわからないことには、どのくらいどの街に留まるか決められないこと、
そして何よりも、雇用主になるかもしれない人との面接日程が決まっていないこと、
で、宙ぶらりんな旅行計画となっていることも確かだ。
彼女とは何度かやり取りをした。そのたびに、
「スーパー忙しくしてるわ!あなたと会えるのを楽しみにしてるわ!」とまあ、ポジティブな内容の返信がくる。
だがしかし、「マネージャーがメールで送るわね!」という必要書類やビザ手続きのリストは、一向に送られて来ない。
そんな感じのメッセンジャーだけを頼りに、海を渡ろうとしている私。
おいおーい。こんな感じで大丈夫なのか??
のんびりとマイペースなのは、Kiwi(ニュージーランド人)の特徴でもあると聞いたけど。。。
私の中の「きちんとさん」が焦り始める。
この機会をくれた在ニュージーランドの日本人鍼灸師も、ゆるりとしていて、くれる情報も必要最低限だ。あまりこちらからあれやこれやら尋ねたりするのも悪いしな、、と遠慮してしまう。
どこで何が起こり、この先どうなってしまうんだろう、受け入れられなかったらどうしよう、という不安も募ってくる。
「きちんとさん」と「ゆるゆるさん」は、このところ毎日綱引きをしている。綱引きの結果は、そのときの周りの状況や気分で決まる。
勝ちか、負けか。
落としどころを見つける疲労感、不安定感、ストレス。意外と溜まってる。
私が今まで生きてきた環境では、「きちんとさん」が頑張ってきた。だからこそ、色んなことをこなしたり、先に進めたこともきっとたくさんある。
私の中の「ゆるゆるさん」は、そんなんじゃダメだよ、と「きちんとさん」に抑えられていた部分なのかもしれない。
でもふと、こんな大胆なことは、「ゆるゆるさん」が居てくれなければ出来ないのではないか、と、「きちんとさん」は気づいたのだ。
「きちんとさん」は、「ゆるゆるさん」にもうちょっと頼っていいんじゃないか、と。
そう、きっと、そろそろ二人は仲良くなっていい時が来たんだ。
あ、今頑張りすぎてるな、とか
あ、怠けすぎだな、とか
そういうバランスを、「きちんとさん」と「ゆるゆるさん」は教えてくれる。どっちがどっちにダメ出しするとか、抑えつける、とかじゃなくて、支え合っているんだ、って思えば、きっと私は私をもっと愛おしく思うことができるだろうか。
本当は、描かれたシナリオ通りにただこの人生を生きていると知っているから、焦ることないよ、自分は大丈夫だよ、って、「ゆるゆるさん」は言ってくれる。
でも動くとき動かないと、チャンスは待ってくれないよ、喝入れて、進め!って、「きちんとさん」は言ってくれる。
どっちも、わたしの味方なんだ。きっと、きっと!
ひゃー。楽しも。う。。