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初めてのMRI検査

先日、初めてMRI検査を受けました。誰もがそうだと思いますが、私は閉所は好きではないので、とても不安でした。
MRIに申し込む際は、問診票、看護師、受付などで、何度も何度も丁寧に「閉所は問題ないですか?」と確認されました。

だけど、聞かれたところで、わからないんですよね。閉所に入ったことがないから。とりあえず「はい…たぶん、大丈夫」としか言えない。

でも、思い出したことがあって、ものすごく不安に。

うちは、ものすごく機密性の高いマンションで、熱気や湿度がこもるのです。冬は暖かいけれど、夏は暑い。だから、たまに寝室でものすごい湿度を感じたり、室温が熱くなったりした時に息苦しくなります。気のせいかもしれないのですが、一旦そう感じちゃうと「このままじゃ窒息するかも」と半ばパニック。慌てて窓やドアを開けることがあります。6畳の部屋でもそうなのに、MRIは大丈夫なのだろうかと不安がよぎりました。
なのでアンケートの「大丈夫ですか?」の回答は、「はい」と丸をつけた横に、「(閉所に)入ったことがないからわからない」と勝手に付け足しました。

ちょっと話が逸れますが、
アンケートって選択肢があっても、「どれも違う」と思うことありますよね。「その他」とか「備考」とかがない時でも、私は勝手に書き足します。これ、おばさんだからと言うより、若い頃からそうです。
特に、外国に住んだりしていると、自分が規格外になってしまうことも多々あるので、「例外はある」「相手はそれを知らない」と思って、私はとりあえず思ったことを伝えます。
余計なことを言うと、どこの国でも(特に日本では)迷惑そうにされることが多いけれど、想定外のことが起きて「だから言ったじゃん」「ほら見たことか」と言うことも多いので、自分が伝えたいことは、とりあえず言った方がいいと私は信じています。

話を戻します。
MRIの受付には、いかにもベテランそうな女性がいて、アンケートの書き足しをみて、「なるほどね。じゃ、エレベーターで具合悪くなったことありますか?」と機転を聞かせて質問してくれました。
「それはないから大丈夫そうです」と言うと、「念の為、MRIが初めてって書いておきますからね」と親切に追記してくれました。おかげで気持ちが和んで安心できました。有難いです。

着替えて、準備して、いよいよMRI室へ。印のテープを張ったり、造影剤の管を刺したり、新しいことだらけでした。
MRIのある部屋は、壁が全て林の緑がキレイな写真になっていて、後ろからライトアップされていました。見た目は和む感じなのですが、何にも始まる前から、すでに、部屋の中はグオングオン機械音が響いていて、工場の中にいるみたいでした。
そこへ「MRIの中は音がうるさくなるので、ヘッドフォンをつけますね」と、さらにうるさくなる予告をされました。ヘッドフォンからは、優しい環境音楽が流れていました。全く記憶にも残らない、当たり障りのない音楽が、ものすごく小さな音で流れていて、何も始まる前から、すでに、ほぼ聞こえてない。

MRI内の閉所は、みなさんに親切にしてもらって安心したのか、思ったより怖くありませんでした。ただ、それよりMRIの筒の中は、想像を超えて、ものすごい音でした。噂には聴いていたけれど、これほどだとは、驚きました。
道路工事の現場の、ど真ん中に立っているかのような騒音と振動でした。いろんな種類の音が、ギュイーン、グオーン、ゴゴゴゴゴゴ。
しばらくしたら、今度は、ビービービービーと、緊急事態が起きた時の警告音のような音が。もはやさっき流れていた音楽なんて微塵も聞こえやしない。だけど、不思議とだんだん慣れてきたら、一定のテンポを保っている、それぞれの騒音が面白く聞こえてきました。

ビービービービーと鳴っていると、その後から、ドッドッドッドッとベースのような音が流れてくる。テクノっぽくて、そこに、メロディーやドラムの音も入ればいいのに、となんとなく期待してしまった。もちろん、MRIは、なんにも展開していかないんだけど。

その間「後何分です」「苦しかったらナースコール押してくださいね」と優しくお知らせされたり、「腕に刺した造影剤が投入します」と自動で薬剤が投入されたり、新しいことを楽しんでいるうちに検査が終わりました。

終わると「大丈夫ですか?」と聞かれたので、「新しいテクノみたいで面白かったです」と言うと「それは初めてのご感想です〜楽しんでもらえてよかったです」とのこと。そして、体がやたらポカポカすること伝えると、「皆さん、体が暖かくなるみたいです」とのことでした。

ものすごい大きな磁力だから、ピップエレキバンをたくさん貼った感じでしょうか、ポカポカです。私は、ピップ一個でも、貼ると痒くなるので、その威力にも驚いて使うのをやめましたが、磁力の影響力って、大きいと言うことですよね。その何倍もあるMRIは、どんな影響があるんでしょうね。怖いので、あまり考えないようにしようと思います。

それから、テクノを聴きたくなって、帰ってからNew Orderやら、The Prodigyを聴きました。

MRIは、できれば、もうやりたくないけれど、思ったほどは怖くなかったです。