読書記録:『愛してるなんてゆうわけないだろ』
角田光代 『愛してるなんてゆうわけないだろ』
恋の勝ち負けを考え出した時点で、その人はもう取り返せないくらいに負けているんだろう。恋は綱引きに似ている。どうしても相手の気持ちを引き出したくて、力任せになってしまって、そのうちに力を込めることが目的になっていたりして。
不意に手を離されて
絶望するんだ。
エッセイのラストにその時々の自分が、言葉の中で生きていて、ひょっとしたら10年前の私も、今の私とは違うどこかで生きているのかも知れないと綴られていた。
私はどうだろう?
古いスケジュール帳に、書きかけの日記に、走り書きのメモに、送り損ねた手紙に私が残したたくさんの私の言葉に……たくさんの私の断片が息づいているのだろうか。10年後、このnoteの端で震えている私に、私は何て語りかけるのだろう。
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