この美しい世界の中で。
僕らはこの混沌とした世界の中で、自らの生を全うし、世界に何かを還元しなければならない。
それがこの世界で「自立した大人」として生きるための条件であろう。
夢も希望も無く、ただ目の前の幸せを感じる余裕も無い、愛されているかさえもわからないこの世界でだ。
カネと欲にまみれたこの世界では、我々人間は無駄に傷つくことを強いられる。
誰かの傲慢な欲のために会社に身を捧げ、保証なんてあるはずのないこの社会で保証を獲得する。
この社会は誰が何の目的でこのような仕組みにしたのだろう。
富と権力を独占し、大衆を扇動してマネーゲームを操作しようなんて誰が考えたのだろうか。
この世界は人類が誕生したときから、強奪と支配にまみれている。
特に広大なユーラシアにおける歴史は、土地と権力強奪と支配歴史だ。
そしてそれは今も続く。
いくら表向きの戦争が無くなろうと、表向きの価値観が成熟しようと人類は何も進歩していない。
いや厳密に言うなら、支配する側の人間が何も進歩していない。
武力による強奪と支配がどれだけ減っても、カネによる強奪と支配にとって代わるだけだ。
権力を奪い合うことで国家を形成しようとし
領土を奪い合うことで国家を拡大しようとする。
その手段が武力からカネに代わっている。
科学技術の発展とともに世界の距離は近くなり、それに伴いボーダーレス化やグローバル化が進む。
もう世界を統一する準備はできているぞと言わんばかりに。
この混沌とした世界の中で、カネという脅しを受けながら僕らは生きるために精神をすり減らす。
この混沌とした世界の中で、一般人の気付かぬうちに富がどこかに集結していく。
学校も、会社も、メディアも、誰もこの世界を生きる上で大切なことは教えてくれない。
この世界において大切なことが意図的にすり替えられたこの社会を、我々は妄信して生きさせられている。
この混沌とした世界を美しいと感じれるのはいつになるのだろうか。
この美しい世界に蔓延る混沌を、いつ脱することができるのだろう。
愛に飢えた人間が支配するこの地球で、僕らは愛を模索し今日も生きる。