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営業マンだった私が「わかったつもり」から脱却しようとする話

ポニポニで、地域の中小企業支援をしている内田遼平です。
今回は、私が法人営業時代に身につけたコミュニケーションスタイルによって引き起こしてしまっていた問題と、ポニポニに転職してからの経験によって何に気づき、どのように変わりたいと思ったのかを書きたいと思います。


営業未経験の苦悩と「わかったつもり」の罠

大学卒業後、私の最初の職場は介護事業者の経理でした。4年間働きましたが、業務の単調さに慣れていくことに不安を感じ、法人向けのITシステム営業に転職しました。多様な顧客のビジネス課題に触れ、ニーズに応える経験が、自分の人生を自立させることに役立つと思ったのです。

 営業は未経験からのスタート。顧客とのやり取り、提案、クロージング、すべてが挑戦でした。
なかなか成果を出せず、焦るあまり、過去のシステム導入事例を暗記して商談に臨むようになりました。
今から振り返ると、顧客の話を正確に聞かず「わかったつもり」になり、ヒアリングが“答え合わせ”のようになってしまっていたのだと思います。
例えば、ある商談で顧客が困りごとについて話してくれていた際、私は過去の事例と似ていると判断し、それを引き起こしている背景や様々な制約を考慮せずに的外れな提案をしてしまっていました。

 さらに、「早く結論を出さなければ」「自分の意見をはっきり伝えなければ」と思い込み、柔軟性や思いやりを欠いたコミュニケーションになっていました。
その結果、物事を急いで決めたがり、保留することができず、すぐに結論を出そうとしてしまうなど、視野が狭くなっていました。
周囲の優秀な営業マンと自分を比較して、焦っていたのだと思います。

一方で、営業経験を重ねるうちに、本質的な問題解決をしたいという理想を持つようになっていましたので、しかし、理想と現実のギャップに葛藤を抱えながら、日々を過ごしていました。
そんなときに、ポニポニに出会ったのです。

ポニポニでの気づきと転機

2024年1月にポニポニに転職してからは、多様なバックグラウンドを持つメンバーから頻繁にフィードバックを受けました。特に指摘されたのは、自分が相手の話を十分に咀嚼できていないにもかかわらず、あたかも理解しているかのように反応してしまうことでした。

 営業時代、迅速に結論を出すことがプロとしての強さだと考えていましたが、それは今思えば自信のなさの裏返しでした。

 現在は、大牟田市の中小企業支援窓口である大牟田市ビジネスサポートセンターに携わるようになり、経営相談を通じて地域の企業の成長を支援しています。

 この新しい役割では、迅速に結論を出すことよりも、相手の話に耳を傾け、彼らの抱える課題をじっくり理解し、そこに存在する可能性を探ることが重視されます。ポニポニのメンバーからのフィードバックにより、相手の言葉や状況に潜む可能性を見出し、それを引き出すことが、誠実なコミュニケーションに繋がると学びました。
こうした気づきは、私にとって大きな転機だったと思います。
現在は、以下のことに注意して仕事に取り組んでいます。

  •  話を十分に咀嚼し、わからないことを正直に伝える:わかったつもりにならず、質問を通じて相手の考えを深掘りし、理解が曖昧な部分は率直に確認する。

  •  不確実さを楽しむ:自分の理解が完全でないことを前提に、それを認めて確認し続けることで、より深いコミュニケーションのきっかけをつかもうとする。

  • 話し方や反応の見直し:相槌のトーンやスピードを抑え、一呼吸おいてから話し始めることで、相手が安心して話せるように心がける。

 これらの改善の結果、相手により多くのことを話してもらえるようになりました。また、自分自身も新たな視点やアイデアを得る機会が増え、少しずつ信頼関係も深められているように感じています。


読んでいただきありがとうございます。 次回は、ポニポニを通じて考えるようになった、「自分が社会と関わる」ということについて書いてみたいと思います。