ソーシャルワーカーになろう!①
『社会福祉士になろう!』を出版しました
みなさん、はじめまして。
株式会社地域創生Coデザイン研究所の梅本政隆です。
8月末に『社会福祉士になろう!』という本を出版しました。
この本は、青弓社という出版社が刊行している「職業ガイド」シリーズで、学生などを主な読者として想定しています。
これまで音楽ライターやアナウンサー、ジャーナリストという仕事から、保育士や言語聴覚士、作業療法士などの資格が必要な仕事まで、計23タイトルが出版されてきました。
『社会福祉士になろう!』は、24タイトル目になります。
書籍出版のお話をいただいたとき、私が考えたのは「今回のチャンスをいかして、現役の社会福祉士の人たちにも届くような本にしたい」ということでした。
自分自身をふり返ってみてもそうなのですが、社会福祉士という資格を取得したからといって、いきなり誰かの悩みや困りごとを解決できるわけではありません。
社会福祉士という資格があることで就ける職業はありますが、悩みや生きづらさを抱えている人たちの役に立てる存在になるまでには、それなりの知識と経験が必要です。
さらに、社会福祉士として相談援助をしているだけでは解決できない社会的な課題に向き合わざるを得ないこともあります。
そうなると、相談援助の技術を磨き駆使するだけではなく、社会の仕組みや制度そのものを改善していくようにアプローチする必要がでてきます。
私は、そのような動きをする人たちをソーシャルワーカーだと思っています。
そしていま、社会福祉士はソーシャルワーカーであることが期待されています。
社会福祉士のうちソーシャルワーカーは1~2割?!
本書では、「社会福祉士をめざす」というコンセプトがあったため、社会福祉士とソーシャルワーカーの違いを明確に区別することはせず、「社会福祉士はソーシャルワーカーであってほしい」という想いで書いているのですが、じつは私のなかでは、社会福祉士という資格をとった人のすべてがソーシャルワーカーではないと思っています。
体感としては、社会福祉士のなかでソーシャルワーカーだといえる人は1~2割くらいでしょうか。
本のなかで、「社会福祉士というしごと」、「ソーシャルワーカーという生き方」として書き分けているのは、そういった想いが背景にあるのです。
さらに、社会福祉士とソーシャルワーカーを接続したいという想いから、ミクロ的な視点とマクロ的な視点をいったりきたりするような文章の構成を意識しています。
このような視点の移動は、相談援助を専門とする社会福祉士に限らず、地域課題の解決をめざす仕事に携わる人にとっても重要なことだと考えていますので、福祉分野に縁がない人も一度読んでいただけるとうれしいです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、このたび大牟田未来共創センター(ポニポニ)のnoteを活用して、『社会福祉士になろう!』の著者解説や、本書作成のこぼれ話、対話企画などを月1~2回のペースで連載していきます。
連載タイトルは、『社会福祉士になろう!』にちなんで『ソーシャルワーカーになろう!』です。(今後、変わるかもしれませんが…)
これは私自身の問題意識が反映されたものですし、じつは本のタイトルにしたかったものでもあります。
さいごに…
さいごに私の自己紹介を少しだけ。
2000年、大学(社会福祉学科)卒業時に社会福祉士の資格を取得しましたが、介護の仕事をしたかったため、大学卒業後6年間は特別養護老人ホームに勤務しました。
地域包括支援センターという相談支援機関ができるタイミング(2006年)で、社会福祉士として従事することになりましたが、これがほとんどはじめての相談援助の経験でした。地域包括支援センターで6年間勤務したのち、制度運営・政策立案の観点から関わりたいと思い行政職員になりました。
行政職員の期間は10年間でしたが、そのうち2年間は厚生労働省に出向して制度設計に関与するという貴重な経験をすることができました。
現在は、地域創生のコンサルティング会社に所属しています。
ケアから政策立案まで関わってきたキャリアと、民間と行政という立場の違いに身を置いてきたことが、私なりのソーシャルワーカー観に影響していると思います。
こんな私の連載ですが、お付き合いいただけるとうれしいです。