接着の評価

ねじの評価リストで記載したとおり、構造的結合の例としては主に下記などがあります.

  1. ねじによる結合

  2. 接着による結合

  3. ろう付け/はんだ付けによる結合

  4. リベット・勘合など

ここでは、接着による結合について書きたいと思います。接着は、化学的・経験則的な理解が必要であり、かつ比較的自由度が高い施工方法のため、個人的には難易度が高い施工だと思っています(単に勉強不足ということですね...).従って、下記に評価視点のリストを記載しましたが、あまり当てにしない方が良いかもしれません.ご参考までということで.

接着の評価リスト

私は工作技術・生産技術・品質保証のエンジニアではなく、そもそもある接着剤を使用して良いかという観点での評価については、知見がありません.ここではあくまで、使用可能という判断が完了している接着剤を、機械設計者としてどのように使うかという視点で重要になる観点を列挙します.

  • 前処理を含めて施工可能か、施工性は良いか

  • バラツキを含めて意図通りの接着形状・ボイド性状は得られるか

  • 被着剤を意図通り保持できるか

  • 熱的接続/非接続は意図通りなされるか

  • 電気的接続/非接続は意図通りなされるか

  • 被着剤の表面性状は問題ないか(界面剥離か凝集破壊か、またその強度は設計できているか)

  • 想定される機械環境下・熱環境下で上記が達成されるか

  • 設計寿命の中で上記は達成されるか

  • リワーク性は問題ないか

各々の項目の中身としては、例えば接着強度評価、熱応力評価、硬化条件設計、経年変化評価、硬化収縮評価などが必要になります.他の機械的接続方法と比較して、各々の評価・検証の妥当性確認は比較的難易度が高く、施工上バラツキの影響が大きいと思います.自由度が高く、強力な熱的接合方法であり、非常に魅力的な方法ではありますが、十分に注意して有識者の意見を仰ぎながら設計を進めてましょう.

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