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飲み倒れバンダバーグ

Hello Japan from Australia!
ケアンズでワーキングホリデー中のゆずぽんです。
今回は、お酒が好きな人にはぜひ行ってみてほしい旅行先をご紹介します。
お酒にはそこまで興味がない人にもおすすめのスポットがあるので、そこだけでも読んでみてくれたら嬉しいです。

酒好き女2人旅

去年の11月末に、シェアメイトと2人で3泊4日でブリスベンへ行ってきました。ブリスベン観光というよりは、ケアンズからブリスベンまで4日かけて車で行って、飛行機で帰ってくるという旅。クイーンズランド州の中での移動になるのですが、この2地点、どのくらい離れているかご存知ですか?

ケアンズからブリスベン
from Cairns to Brisbane

いと広しオーストラリア…
日本に置き換えると、本州の端から端まで移動できてしまう距離です。それがオーストラリアでは、1つの州から出ることもできない……大きさの違いを思い知る旅となりました。

日本で同じだけ移動すると…
If I drive the same distance in Japan…

バンダバーグラム蒸留所

大して目的も計画も立てずに、「面白そうだから車でブリスベンまで行ってみようぜ」とはじまった今回の旅行。それでも1箇所だけ、2人揃って行ってみたい場所がありました。それが今回ご紹介する、バンダバーグラム酒蒸留所(Bundaberg Rum Distillery)です。

蒸留所前のビックボトル
The big bundy bottle in front of the distillery 

実は、オーストラリアでは、bundabergといえば知らない人はいないほどの有名な街。ラム酒だけではなく、ジンジャービアを代表としたノンアルコールの炭酸飲料や、それらの原料である砂糖の生産地でもあるのです。
「バンダバーグが好きといえば大抵のオーストラリア人と仲良くなれる」なんて言われるほど、国内で愛されているブランドだそうです。
世界でも賞を獲得しているほどのラムでもあるそうで、偶然地図で見つけて、道中立ち寄るのにちょうど良さそうだったから選んだにしてはグッドチョイスでした。

見どころ①博物館

旅行3日目、午前10時からのツアーを予約したので、2人して早起きして、珍しく髪を巻いちゃったりなんかして、いよいよラム酒蒸留所へ。集合はツアー開始の30分前という注意書きを律儀に守り、朝9時には受付を済ませます。見学ツアーの前に、同施設内の博物館でバンダバーグのラムについて予習したり、トレードマークの白熊と写真を撮ったりと、観光客全開で楽しみます。この博物館自体は無料で見て回ることができます。英文を読むのがそこまで速くないので、説明に目を通しきれず、正直30分では足りなかったです。

お酒は割と好きな方とはいえ、ラム酒に対しては「海賊がよく飲んでるやつ」程度のイメージしかありませんでした。原料が砂糖だということすら博物館に来てから知る始末。サトウキビ(sugar cane) を糖蜜(molasses)と言うわらび餅についてる黒糖のような状態にして、水とイースト菌を加えて発酵させたのち、樽の中で寝かせて作っていたんですね。
「だから前の日に寄ったカフェにもバンダバーグって名前のスティックシュガーが置いてあったんだ〜!」と1人で感動しながら展示を眺めていました。

博物館内は大きな樽の中にあるようなデザインで設計されていて、撮影もOK。バンダバーグラムの歴史はもちろん、ラム酒の作り方や過去のラム酒のボトルのコレクションなども展示されています。
博物館内では小さな貨物列車が走りまわっています。バンダバーグの街の周りでは、これの実物が走ってサトウキビをこの工場に運び込んでいるところも見られました。

歴代のロゴと博物館内を走る貨物列車
The history of Bundaberg logos and the toy freight train carrying sugar cane 

個人的に面白かったのは、ラム酒の品質チェックの方法。赤いライトで照らされた部屋の中で、職人たちが試飲をして品質を確かめるんだそうです。赤いライトを使うことで、ラム酒の色をわからなくし、純粋に風味だけをチェックできるんだとか。和菓子で作られたお寿司を食べると混乱するなんて話を聞いたことがありますが、視覚は味覚にも大きく影響を及ぼすものです。そんな影響をも取り除いて、見た目なしでの美味しさを追求するところ、そしてそのためのチェックの方法が機械ではなく、人間の舌によるものだということに、「職人技」の凄さを感じました。

壁一面のラム酒コレクション
The collection of Bundaberg Rums all over the wall

見どころ②見学ツアー

ラム酒の予習が終わったところで、いよいよ蒸留所見学ツアーのスタートです。平日の午前中にもかかわらず、カップルや子供連れまで、たくさんの参加者が。博物館奥の小さなシアターで短い解説動画を見た後に、持ち物を全てロッカーに置いていきます。工場内はあらゆるバッテリー類が持ち込み禁止。もちろんスマホも例外ではありません。高濃度のアルコールを精製しているので、発火のリスクを最大限排除するためです。

博物館内のロッカーに貴重品を全てしまって、サトウキビを運び込むための線路を越えた先に、蒸留所があります。いかにも観光客のための場所、という様相だった博物館の裏は、大きなタンクやパイプの入り組んだ工場で、別世界のようでした。

工場の門を抜けたあたりから、すでにあたりにはお砂糖の甘ったるい匂いが立ち込めています。それもそのはず、工場に入って最初に見学するのが、糖蜜(molasses)の貯蔵庫。オリンピックで使う競泳用のプール2個分もの糖蜜が保管されています。薄暗い倉庫の中に入ると香りはさらに強まり、足元に広がる糖蜜プールは、表面が波打ったまま動かず、砂紋のようでした。その後、1つ目のお楽しみ、糖蜜の味見をさせてもらえます。わらび餅が欲しくなる味でした。まだただのお砂糖の段階なので、ちびっ子たちも楽しめます。

その後、順番にサトウキビがラムになる工程に沿って見学を続けます。糖蜜に水と、イギリスから輸入しているイースト菌を加え、発行やら蒸留やらをしていくことで、一度完全に透明なお酒になります。この段階では、2つ目のお楽しみとして度数の異なるお酒の匂いを嗅がせてもらえます。これはちびっ子はなしです。

工場を通り抜けた後は、熟成室の隣に作られたワークショップスペースでバンダバーグでのラム酒の違いについてプチ講義を受けます。ラム酒の琥珀色は、この後の樽での熟成でついた色だということも初めて知りました。勝手に糖蜜の色が薄まったんだと思ってた…。
定期的に、自分だけのブレンドラムが作れるワークショップも開催しているんだそうです。
ツアーも終盤のこの辺りになると、もうみんな次のイベントのことで頭がいっぱい。そう、テイスティングです。

味どころ③ラム酒の試飲

このツアーには、2杯のラムの試飲がついています。蒸留所見学を終え、持ち物を回収した後は、バーのついた直売所にてラム酒の試飲ができます。車できた私たちですが、この国では飲んでも運転していいんです!!(もちろん条件はあります)
ということで、ラム酒とリキュールを1杯ずつ試飲します。飲んでも乗れるとはいえ、ほぼ私が運転だったので、私はそれぞれを半分ずつくらいに抑えました。ラム酒はコーラ割りにしてもらい、ラムコークに。
ラム酒、リキュールの特徴と、アレンジ方法も紹介されています。

ラムコークの試飲
Tasting rum coke

もう1杯はコーヒーリキュールで、これがまあ美味しい。「甘いコーヒーがお酒になってるやん!」と、頭の回っていない感想を言ってしまうくらいには美味しかったです。酔ってたのかもしれない。元々乳飲料、特にカフェオレが大好きな私には、もはやカルーアミルクの元にしか見えず……買おうかどうしようか真剣に悩みました。ただ、700mlのものしかないので今回は断念。リキュール3種お楽しみパックみたいなのがあったら500%買ってました。

カルーアミルクの元
liqueur for alcoholic cafe latte
シェアメイトが選んだソルティキャラメル
salted caramel liqueur my flatmate chose

ちょっぴりお酒が入って気分も財布の紐も緩んだところで、直売所でお土産購入タイム。ラムレーズンチョコを家族や友人へのお土産に、ビーフジャーキーはシェアハウスのオーナーに。ロゴの白熊が胸ポケットにいるTシャツとステッカーは自分用に買いました。「バンダバーグに行ってきましたTシャツ」って感じの圧がなく、普段使いできるので、お気に入りです。

遠くを見つめる白熊を見つめる柑橘
The citrus who is gazing the polar bear that is gazing into the distance.

公式サイトにもラム酒を使ったレシピやギャラリーなどもあるので、よかったら覗きに行ってみてください。オンライン通販もあるのですが、どうやら公式からは日本には発送できないようです……。

お酒はちょっと…という人には

ラム酒の蒸留所から車で5分のところには、同じくバンダバーグの名を冠したジンジャービア製造所がおすすめです。名前こそビア(beer)と言っていますが、炭酸ジュースです。生姜の味が強めなジンジャーエールといった感じの味で、シェアメイトのお気に入りです。
ハリーポッターのバタービールもビールと名乗いたノンアルですね。

内装やキャッチコピーもおしゃれ
Fashionable interior and catchphrase

これもオーストラリアでは本当に有名、というかどこでも買えます。街のコンビニや飲食店には必ずと言っていいほどありますし、シェアメイトがバイトをしていた回転寿司屋sushi trainでも、本当によく売れるそうです。日本で言うなら三ツ矢サイダーみたいなものでしょうか。

こちらでは全13種類ものジュースを試飲できる上、好きな6本をセレクトしてオリジナルセットが作れます。テイスティングが始まるまでは、併設された無料のミニミュージアムを見学しながら待ちます。

mini museum

13種類の中でも際立って面白かったのは、sarsaraliaという味。一言で言ってしまうと、イソジン味です。炭酸のイソジンを飲んでいるような、ちょっとスースーする独特な味でした。スタッフさんによれば、一番好き嫌いがはっきり分かれるとのこと。納得の味です…。

文化の違いを感じたのは、Burgundee Creaming Soda。スペルからも想像がつく通り、クリームソーダです。メロンソーダにバニラアイスを浮かべ、シロップ漬けのさくらんぼをちょこんと乗せたアレですね。ただ、クリームソーダと聞いて思い浮かべる飲み物の色は、国によって違うんだとか。バーガンディーと見てピンときた方もいるかもしれませんが、ここではクリームソーダといえば葡萄ジュースらしいんです。
さらに面白いのは、このジュースは見た目も中の液体の色も完全にファンタグレープの色をしていること。ファンタグレープなのに、飲むとちゃんとバニラっぽい味もするのです。

グアバやパッションフルーツ、パイナップル&ココナッツなんていう、いかにも南国っぽいフレーバーもあって面白かったのですが、この2つはぶっちぎりで独特でした。

375mlの瓶自体も可愛くて、お土産に全種類パックを日本に送ろうと思ったのですが、炭酸飲料の上に瓶なので、空輸には対応していないとのこと。残念ながら日本には輸出もしていないようです。船便ならなんとか送れるかもしれないので、今後色々と調べてみます。ダメなら帰国する時に持って帰ります。

郵便局で尋ねたところ、ラム酒は日本へ送れるのですが、重さ的に1本75ドル程度かかるとのこと。本体の値段より高いですね……輸入製品が割高になる理由がよくわかりました。今は、帰国前に1回、お土産BOXとしてまとめて送るときに忍ばせようと目論んでいます。

飲みだおれオーストラリアへ

バンダバーグの飲み物に関してお送りしてきましたが、いかがだったでしょうか。この旅行では小雨降りしきる中の早朝散歩で旅人と仲良くなったり、林の間を通る舗装すらされていない赤土の道を15kmも爆走したり、ナビに280km道なりと言われたりと、おもしろエピソードもあったのですが、観光旅行らしく、かつハイライトとも言えるバンダバーグをご紹介しました。

バンダバーグに着く前は、道の両側に広がる畑を見ても、「サトウキビだよねこれ?みんなお砂糖摂りすぎじゃない!?」くらいの会話しかできませんでした。けれど、バンダバーグを出て次の街に向かう途中では、さとうきび畑やそれを運ぶ貨物車を見て、「お、これから美味しいラムになるんだね」なんて冗談を交わしていました。

同じものを見ても、目が変わることで解像度が変わること。
体験したことは、自分の中にきちんと根付くこと。

今回の社会科見学で、自分の目で見て学ぶ楽しさを再発見した気持ちになりました。お酒の製造過程に興味が湧いたので、今度はまた違う蒸留所やワイナリー、ビールの醸造所なんかにも足を運んでみようかと思っています。

いざ、飲みだおれオーストラリアの旅へ!
それではまたお会いしましょう。

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