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鴛鴦 -コロナ禍に日本一周したラッパー夫婦の旅- 【第3話】

第7章・千葉県柏篇

2020年6月21日13時過ぎ。

昨日の新宿駅南口でのストリートLIVEの興奮冷めやらぬままナイスパニックカーを北東の方角に突き進む。
リリースしたばかりのMyアルバム『ナイスパニック』を聴きながら。

ここで今回の旅の順路を説明しよう。

初日、新宿駅南口を皮切りに各県でストリートLIVEしながら北東の方角を目指し北海道まで行きそこからまた南下していくというところ迄は決まっている。が、そこから先の順路は完全行き当たりばったりの風任せスタイルだ。

なんせ最低3ヶ月はかかるであろう長旅、最初からキッチリ予定を決めて動いたら予定通りいかないとストレスになる。むしろ予定通りになんていかない。

ただし最後のLIVE場所は沖縄県と決めていた。

では何故最初北東の方角へ進むかというと、そこには大きな理由がある。

僕は4年程前から九星氣学という風水にも似た日本独自の占星術的なものに興味を持ち独自の視点から実践と考察をするようになる。その中でその人その人に合った”吉報位”というものに特に注目するようになった。

簡単に説明すると吉報位とは、生まれ年によって異なるその人にとって良き方角の事を言う。

この吉報位を用いて引っ越しや旅行をする事によってその方位の氣(運氣)を取り入れる、その方位の距離が遠くであればあるほどその作用は強く出る、と覚えておいたらいつかか役立つかもしれナイスパニック。

せっかく旅で長く移動するのならこの吉報位を使わない手は無いなと思い北東に進む事を決断した。

ちなみに千葉県篇を柏駅に決めた最大の理由はカルさん(カルデラビスタ)が柏駅であれば駆けつける事が出来そうとの事だったからだ。カルさんとはかれこれ10年以上の付き合いになるのだが、昔から色んな部分でサポートしてくれる良きお友達であり人生の先輩だ。そんなカルさんに照準を合わせながら検討した結果千葉県は柏駅で歌う事にした。

首都高を走らせていると何だか雲行きが怪しくなって来た。僕らが進む千葉方面の空が真っ黒である。
まさかのストリートLIVE2日目にして雨にぶち当たるとは、、、

しかし不安になっていてもしょうがないので気分転換&本日のストリートLIVEの告知も踏まえインスタLIVEをスタート。道中僕が基本運転者のため妻に撮影してもらいながらコメントを読んでもらう事に。

僕は今までインスタグラムをはじめとするLIVE配信が苦手だったのだが、妻にコメントを読んでもらってやり取りする分には楽しく配信出来る事に氣付いた。むしろずっと二人で移動している僕らにとってリアルタイムで視聴者とコミュニケーション取れるというのは凄くありがたい事だった。

1時間半程車を走らせると目的地の柏駅付近に到着。
外は土砂降りの雨だった。

LIVE開始予定時刻より2時間ほど早く到着した僕たちは本日1発目の食事を取るために駅近くにあるラーメン屋さん『誉』へ駆け込んだ。

ガッツリコッテリのコクうま味噌ラーメン、雨で冷え切った身体に染み渡る一杯で美味しっかた。

食事を済ませ早速本日のストリートLIVEをする場所探しがスタート。
雨天とうい事で雨の当たらない場所を探す。
途中ナイスパニックな視線をこちらに向ける4人組の高校生軍団と遭遇、

P「ナイスパニック?」

高「ナイスパニック!」

初めて会った高校生達とナイスパニックで話が通じた。

どーやら僕のLIVEを観に来てくれた柏のソルジャー(僕はヘッズやファンと言わずソルジャーと呼ばせてもらっている)達だった。

P「どこか周辺で雨の当たらないLIVE出来そうな場所は無いかな?」

高校生「ビッグカメラの前がいいかも、案内します」

P「ナイスパニック!」

やはりその土地のことはその土地の人に尋ねるのが最速だ、ありがとう高校生ソルジャー。

その集団の案内でスカイプラザのウッドデッキでLIVEする事に決定、早速車から荷物を運び出しLIVEの準備にかかる。
その子達も車までついて来てナイスパニックカーを見て興奮していた。ナイスパニック。

ウッドデッキでLIVEの準備をしていると続々と若者達が集まって来てくれた。雨の中どーなるかなと思っていた不安は1発で吹き飛んだ。

17時、僕はマイクを握り喋り出す。

「PONEY47都道府県ストリートリリースLIVEツアー2日目、柏スカイプラザ前にておっぱじめます!遥々雨の中この情報を聞きつけて集まってくれたスーパーソルジャー’sにrespect」

はじまりの曲”Let’s nice panic”を歌い終わる頃、人混みの奥にナイスパニックなMCのKOOPAとDANIEL君を発見、ブチ上がると同時に一段と氣合いが入る。

通行人の通路を確保するためにみんなに協力してもらいつつ自然と僕を囲んで半円の形になりLIVEは進んでいく。

i say ナイス you say パニック
P「ナイス!」お客「パニック!!」P「ナイス!」お客「パニック!!」

P「ナイスパニック柏!オレはもっと自由に楽しんでいいと思っています、だからストリートでLIVEしてきます。皆さんにどう映るか」

想いが溢れ出ているのか、SP-404を地面に置いているからなのか曲間のMCがやたら長くなってしまったのを覚えている。思い返して少し反省。ナイスパニック。

LIVEも後半に差し掛かり僕は今日来てくれたKOOPAやDANIEL君達とオープンマイクをしたいなと思いナイスパニックサイファーを展開、予想通りKOOPAとDANIEL君はすかさずマイクを握りに来てくれた。セッションは最高だ。ナイスパニック。

(左 : KOOPAさん 右 : DANIELさん)

柏に来て最初に会って道案内してもっらた高校生ソルジャーの中に将来RAPしたいという子がいた。僕はなんとかその子に今日RAPさせたいなと思っていたのでナイスパニックサイファーの時に名前を呼んだらその子は勇気を出して前に出て来てくれた。すかさずDANEL君がマイクを渡す。

この日初めて人前でRAPするという18歳の青年アユムをそこにいた全ての人達が後押しする。

アユム「♪yeah.yeah.RAPはまだ初心者、今日はありがとうPONEYさん.yeah♪」

何度も言葉が詰まるがアユムはマイクを離さず声を振り絞ってRAPを続ける。

アユムのRAPが終わるとその場にいた皆んなから大きな拍手が上がった。ナイスパニック。

その光景を間近で観ていたカルさんがアユムからマイクを受け取り口を開く。

カルさん「いやぁ、今日RAPするつもりなかったけどアユム君にちょっとやられちゃったな」

🎤カルさんフリースタイル🎤

RAPするつもりは無かったと言っていたカルさんだったがRAPしだすとほぼ一曲分丸々フリースタイルを披露。

カルさんのRAPを聴いたのは凄く久しぶりだったけど、溢れ出る感情が乗った素晴らしいフリースタイルだった。すかさずマイクを握ってくれたKOOPA、DANIEL君、アユム、カルさんにBIG UP。ナイスパニック。

フリースタイルセッションを終え、LIVEも終盤に。
1時間近くLIVEをやっていたのだが多くのお客さんが最後まで残ってLIVEを観入ってくれた。
ありがとう柏、また来ます。

LIVEを終え恒例のナイスパニック物販開始。
待ってましたと言わんばかりに多くのソルジャーがTシャツとアルバムを購入してくれた。
本当に嬉しかった。ありがとうございます。

物販も終わり機材の片付けをしているとKOOPAが話しかけて来た。

KOOPA「PONEYくん今日泊まるトコって決まってます?家でよかったら泊まってってください、最近機材も揃えたんでレコーディングも出来ます」

P「マジ?それは超助かるしレコーディング出来るのはアツイ!実はこの後カルさんのお宅にお邪魔する予定になっていて、その後夜からでもよければ泊まらせてもらえたら嬉しいな!というか曲作りたい!」

K「いいですね、やりましょう!自分先に戻ってるのでフリーになった連絡ください」

せっかくなのでKOOPAからのナイスパニックなお誘いに乗らせてもらう事に。
何よりこんな突然の動きにも乗っかってくれる妻にも感謝だ。ありがとう。


一旦KOOPA達と別れカルさんのお宅に向け車を走らせる。
柏のカルさん宅に行くのは今日が初めて。というかお互い大人と呼ばれる歳になり時間が合わなくなりさっきストリートLIVEで会ったのも凄ーく久しぶりだった。昔は本当によく遊んでいたな。

途中近くのお店まで迎えに来てくれて家まで案内していただき無事到着。

ここでカルさんの子供と初対面。普段は人見知りが激しいとの事だが僕にも妻にもすぐ懐いてくれた。そうだよパパの友達だよ。
頭が大きくてカルさんそっくりのめっちゃくちゃ可愛い男の子だ。ナイスパニック。

カルさん一家とナイスパニックな話に花を咲かせながら夕飯をいただいた。
ご馳走様でした。

食後一休みさせてもらっていざ次の目的地へ。

もともと次の日は埼玉県でストリートLIVEしようと考えていたのでKOOPAのお誘いは方角的にもバッチリナイスだった。

道中、温泉施設『極楽湯 柏店』を発見、吸い込まれるように入館し旅とLIVEの疲れをお湯に溶かした。
帰りに店員さんにPONEYさんですか?と声を掛けられ写真を撮る事に。ナイスパニック。

こうして極楽湯で疲れを癒し本来ならばそのまま布団に入りたいところだが我々はその足で埼玉県は蕨市を目指す。

KOOPAに会いに。

ストリートLIVE全県制覇まで

残り45県。

Let's nice panic!!!


つづく

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