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好きな人達の”好きな本”を聞いてみた

昔から、人から勧められた本を読むのが大好きだった。読んでる最中に相手を思い出して「あの人はこの本のどこを気に入ったんだろう?」と考えたり、読み終わった後に「読んだよ~」とその人達と本の話をする時間も好きだった。

というわけで、自分の好きな人達に『好きな本を3冊教えてください』と聞いてみる企画をやってみた。これがなかなか面白くて、人によって全然反応が違った。

言葉通りベスト3冊を教えてくれた人。
最近読んだ中から直観で選んでくれた人。
「上野さんこういうの好きそう」と私のことを考えて選んだくれた人。
「私は好き、でも多分苦手だと思う」という本を教えてくれた人。

ここでは紹介された本たちを、紹介していきたいと思う。そして本と合わせて、紹介してくれた私の好きな人達のことも紹介していきたい。(本の選出理由やコメントも、掲載しています)


1、シナリオ チームDiscord

まずは毎日Discordで切磋琢磨している、シナリオ仲間の本田さんと境田さん。
さすがに家がご近所過ぎるやろな本田さんと、S1グランプリの授賞式から2年近い付き合いの境田さん。恐らくこの二人がいなければ、ここまで日々シナリオに向き合えていないよなあと思う大好きな二人。

境田さん》
少年は、世界をのみこむ」トレント・ダルトン
(最高の1冊。でも長いから読むの大変なんで〆切あるならお薦めしない)
」幸田文
(長編だけどオムニバス的な作品だから、まだ読みやすいと思う。ただ文庫版の文字がちょっと小さすぎる)
シズコズ・ドーター」キョウコ・モリ
(20年近く前に読んでて、内容ほとんど覚えてないのに読後感が凄く好きだった印象がありまた読み直したいとずっと思ってる作品。内容ほとんど覚えてないくせに、なんか上野さんの世界観にハマる気がするんで薦めてみる)

《本田さん》
ナイン・ストーリーズ」 J・D・サリンジャー
本当の戦争の話をしよう」ティム・オブライエン
西東三鬼全句集」西東 三鬼
(3冊というとこんな所かな?短編集と俳句、という読みやすいセレクト。サリンジャーの「コネチカットのひょこひょこおじさん」は人生決めた作品かも)

お二人のnoteもぜひ


2、生まれ変わったらPerfumeになりたい男・タコ

大学時代から14年の付き合い。私が知る中で1番の本の虫。卒論はシベリア鉄道に乗り”移動すること”について書いた変人。生まれ変わったらPerfumeになりたいと本気で思っている。座右の銘は「何もしないをする」

深夜特急」沢木耕太郎
(選出理由:遠くへ行きたいと思わせてくれるから)
薬指の標本」小川洋子
(選出理由:読む美術館。とにかく描写が美しい)
星々の悲しみ」宮本輝
(選出理由:言葉にできない)

彼のnoteはこちら


3、誰よりもイケメンだったIさん

会社員時代に憧れていた女の先輩。めちゃくちゃ仕事が出来て、自分に厳しくて、大好きだった人。

人生のレールを外れる衝動のみつけかた」谷川嘉浩
(本物の衝動がいかに生を豊かにするかを教えてくれる本)
未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」ドミニク・チェン
(生きていく上で当たり前としていた言葉のあり方や、人、自然との関係性を改めて解きほぐしてくれる良書)
金より価値ある時間の使い方」アーノルド・ベネット
(日々惰性で過ごしてしまっている時に、読む。「毎朝あなたの財布には二十四時間がつまってる。あなたは、この毎日の二十四時間を使いこなさなければならない。そこから健康、 余興、金、満足、尊敬を紡ぎ 出し、自分の魂を高めなければならない」この一文が好き)

4、もはや「ブラッシュアップライフ」メンバー

地元京都で、小学生の頃からの友人2人。
何を言っても「ええなあ」を連発する基本人の話を聞いてない青木さんと、オブラートに包んで言葉を言うことを絶対にしないシニカルな荒木さん。
返信の丁寧さに、二人の優しい人柄が現れている。

《青木さん》
「運命の恋」村上春樹、角田光代 他

(“運命の恋”なんてあるのか?を知りたくて思わず手に取った本。いくつかの恋愛小説が集まるアンソロジーだったんだけど、中には想像とかけ離れた度肝を抜かれるような結末の話もあった。“愛し方”の価値観の幅が広がったような、一冊。)
「悲しみよこんにちは」サガン
(当時のこの作者の年齢でこの本を書いたということにまず驚き。恋に落ちた人間、嫉妬する人間、相手をたぶらかす人間、幼くて真っすぐで盲目で情熱的な人間、ただ真実の愛が欲しかった人間など、それぞれの人間が関わり合う中での日ごとの心情の変化が事細かに表現されていて、読んでいて飽きずに読み進められた内容だった)
私の美しい庭」凪良ゆう
(生きづらさを感じる人は、自分が思う以上にいるんだなぁと感じた一冊。色々な境遇や立場での悩みを心に隠しながら生きている登場人物の、過去のトラウマやその傷とともに生き、細やかな幸せを見つけて行く、というよりも“今すでにある幸せ”に気づいていく登場人物たちに、どこかはっとさせられ勇気づけられるお話)

《荒木さん》
京都寺町三条のホームズシリーズ」望月麻衣
(主人公の葵が埼玉から京都に引っ越して来たとこからストーリーが始まる。高校生と京大大学院生のラブ。骨董品、神社、寺について詳しく知れて、京都生まれ京都育ちでも知らないことが多い。インドアの私を御朱印巡りでアウトドアに変えてくれた本)
鴨川食堂シリーズ」柏井壽
(これも京都が舞台。鴨川食堂は食堂だけど看板が出てなくて元刑事の父親が食堂の亭主、娘が探偵事務所をやっている。探偵事務所は食事を探す専門。探すのは父親。お店に来る人は、生き別れた人との思い出の食事を探して欲しかったり、閉店したお店の味を探して欲しくて来る。ほんの少しの情報で探し、思い出まで蘇らすのは凄いなって感心して読んでる)
鯉ケ窪学園シリーズ」東川篤哉
(高校で起こる事件を探偵部の推力が今ひとつ足りない霧ヶ峰涼と石崎顧問が解決するストーリー。涼の観察力にすごーいっ!て感心しながら読むけど、結局解決出来なくて、顧問の頭を借りて解決するのがおもろい)


5、ビートルズマニア仲間・遥平

お互いビートルズマニアで、ビートルズバーきっかけで知り合う。中学から大学までインドネシア、オーストラリア、シンガポールと海外生活が長いせいか価値観がバグって…あ、いや変わってる人。二児の父。固定概念や常識に捕らわれない助言が欲しい時(?)に相談に乗ってもらったりする。

3びきのやぎのがらがらどん 
(小さい頃から好きで何度も読んだ。最初の2匹のやぎには自分と似ているなぁーと共感し、3匹目のやぎは、いつかこうなれたらいいな!と憧れていたた。ちょっと怖いけど不思議な魅力があって子供のころに一番繰り返して読んだ本。それから30年ぐらい経って、息子が図書館でがらがらどんを夢中で読んでいる後ろ姿を見て、心がとても満たされたし、その背中にとても感動した)
人間失格」太宰治
(小学6年生の時に読んで感動した。主人公が終始人間として駄目なんだけれど魅力がある。物語の主人公に惹かれた初めての本。物語の序盤で主人公が道化を演じていることがバレて恥じるシーンがあってその主人公の感覚が周りの人と打ち解けられずに悩んでいた自分と重なるものがあった)
愛するということ」エーリッヒ・フロム
(大学1年生の時に出会い、内容に感動した。今でも何度も読み、自分が好きな言葉かつこうあれたらいいなと思うものは確か愛の対象についての章で次のようなことが書かれていた。『愛とは、特定の人間に対する関係ではなく、世界全体に対して人がどう関わるかを決定する態度であり、性格の方向性のことである。もしひとりの他人だけしか愛さず、他の人々には無関心だとしたら、それは愛ではなく、共生的愛着、あるいは自己中心主義が拡大されたものにすぎない。』当時大学生の頃は、愛されたいと言う気持ちが強かった。その中で愛について色んな本を読む中で、この本は「愛される」じゃなくてい「愛する」こと。そして愛することは技術(つまり身につけることができる)というメッセージがとても救いになったのを覚えている。ついつい忘れてしまいそうになるけれど原点に立ち返るときに読む本)

誰かに紹介された本は、あらすじを読んでいると不思議と”その人っぽいな”と思ったりして、そこが面白いなあと毎回思う。

これを前編として、読んでみた後編も書けたらいいなと思う。
ではでは!