サラリーマンと自営業、どっちがいいの?
生きていくため必ず必要なものがある。それが"お金"である。
ブラック企業が跋扈していた平成時代に人は感謝の気持ちを食べて生きていけるといった経営者もいたが、残念ながらいくら感謝されても人の腹は膨れない。人が生きていくためには最低限の衣食住をまかなうためのお金を稼がなければならないのだ。
欲望、業の深さは人それぞれであるが、どれだけ欲が薄い人間でも食事を取り、住居に住み、服を着て生きていくためには、生活の中でどうにかしてお金を得なければならないのである。
そのため、人は望む望まざるにかかわらず、お金を手に入れるために人生の貴重な時間を削って働くことになる。ほとんどの人はそこで選択することになる。それがサラリーマンとなって稼ぐか、自営業者となって稼ぐのか?だ。
昨今、不動産投資や株式投資で成功をおさめ、不労収入で生きるFIREが話題であるが、昨今の円安株安の大暴落などをみれば、いかに投資で稼ぐことが難しいかわかるだろう。実際のところ、若くしてFIREに成功した人は図抜けた投資の才能、あるいは親から譲り受けた金融資産やマンションを持った天の運に恵まれた人の身である。
昨今流行りのNISAつみたて投資なども、投資銘柄と投資時期をできる限り分散することで、低リスクで確実なリターンを得ることで、インフレ分の金額を補填できる投資方法である。毎月の食費や住居費を捻出するような短期的投資の対極にあるものであり、つみたて投資で飯を食うことはNISA投資枠の上限からもほぼ不可能だ。
つまり、99%の人々は自営業かサラリーマン、このいずれかの道で銭を稼ぐ道に進むことになる。ここでまず初めに意識すべきことがある。それは非正規雇用の道へ進んではならないということだ。
非正規雇用の仕事はいつ首になるかわからず、昇給もほとんど望めない、などサラリーマンや自営業者とは違い非常にハイリスクで先がない、稼げない労働形態なのだ。
昨今はフリーランス契約と横文字にして、自由で新しい雇用形態であるかのように非正規雇用をキラキラした感じに演出している業種もみられるが、これは就職氷河期に流行ったフリーターブームと何ら変わらない事象に過ぎない。
非正規雇用形態は学生や主婦が短時間労働をしてお小遣いや家計の足しになるお金を稼ぐ手段としては有効であるが、社会人男性が人生をやっていくためには絶対に選択してはならない雇用形態なのだ。
また契約社員も非正規雇用よりはましではあるが、基本的には避けるべきである。契約社員は派遣会社の正社員として雇用され、有給を支給されたり健康診断を受けられたりフリーターなどに比べれば恵まれているように見える。つい普通のサラリーマンと変わらない気分になりがちであるが、派遣先の都合で契約を切られれば、そのたびにまた別の派遣先へ移らなければならない。
また同じ会社の同じ部署で派遣社員として働けるのは3年までと決められている。そのため、2年11か月を迎えるころに会社側が正社員として雇用する意思がない場合は、契約を切られたり、もしくは全く新しい部署で一から仕事を覚えたりしなければならなくなってしまうのである。同じ会社で経験や信用、人脈を積んでいくことが派遣社員では出来ないのである。
投資で飯を食っていくのは難しく、非正規雇用では先がない。だからこそ、人はサラリーマンか自営業、どちらかの道を選んで働いていくことになるのだ。
どちらを選ぶか、その前に認識しておかなければならないことがある。それがどちらの道に進んだとしても、お金を稼ぐのは大変である、ということだ。お金を稼ぐためには、必ず大なり小なりシンドイ思いをすることになる。資格を取って独立さえすれば、一部上場企業に入社さえすれば、一生気楽にお金を稼げる、などといったことはありえない。
SNSには毎日のように『ネットでマネタイズして大金をゲット!』『サラリーマンを卒業して自由で縛られない人生を手に入れよう!』『副業で月100万!』といった言葉が躍っているが、はっきり言おう。そんな話は全て嘘だ。ネットでは稼げて当たり前のように語られる年収1000万ですら、ほとんどの人々は稼ぐことが出来ずに生涯を終える。年収1000万は凄いのだ。1000万は大金なのである。
地に足をつけてサラリーマンか自営業者の道を選ぶ際に大切なのが、2つの働き方のメリットとデメリット、難易度を正しく把握することだ。それぞれの働き方から得られるもの、失う物をしっかりと理解して、自分にはどちらの道が合っているのかを自分で判断することである。
筆者はサラリーマンはもちろん、個人事業主や人を雇って会社を経営している自営業者と付き合ってきた。そんな経験から、進路に迷う若者や、起業の機会を窺っている中高年に伝えたいことがある。
それは......
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