種苗法改正案という売国法案
本日はこちらのニュース。
新しい品種として国に登録された果物などの種や苗木を海外へ無断で持ち出すことを規制する種苗法の改正案が、17日の衆議院農林水産委員会で賛成多数で可決されました。合わせて、農家に対して種や苗木が適正価格で安定的に供給されるよう施策を講じるなどとする付帯決議も可決されました。
種苗法改正案は5月ごろに話が出て来て、柴咲コウさんが反対を表明するなど大規模な反対が運動が起こり、一度見送りになったのですが、再び審議にかけられ衆議院農林水産委員会で賛成多数で可決されてしまったようです…。
この後、衆議院本会議、参議院と審議が進むようです。
私は以前に種苗法改正案について話が出た時には反対しました。
一見すると農家の方の権利が守られるように見える法案なんですが、それはあくまで極々限られたメリットでして、この法案の目的はおそらく外資に日本の種子を売り渡すことです。
種苗法改正案の中身を見てみますと
種苗法の改正案は、新しい品種として国に登録された果物などの種や苗木が海外に流出するのを防ぐため、開発者が栽培地域を限定できるようにするほか、農家が種や苗を増やす際に開発者の許諾が必要になることなどが盛り込まれています。
となっています。「海外流出を防ぐために開発者の権限を強化しましょう」といったことですね。開発者の方にお金が回っていく仕組みが作られているともいえるんですが、もしこれが企業にわたってしまった場合、農家の方は企業から種苗を買わなければいけなくなります。
そして政府は種子法廃止によって公的機関から民間企業へと種子を売り渡していくことを推進しています。そんな中で種苗に対する権限を強化してしまうと、企業に渡った種苗の権限が強化されてしまう恐れがあります。
さらにさらに、民間企業が日本企業ならばまだいいのですが、日本の種子を狙っているのは欧米のグローバル企業、バイエルやその子会社であるモンサントではないでしょうか。
実際に中南米やインドなどで「種子法廃止からの種苗法改正」といったことと似たことが行われていたそうです。進めるのは政府ですが、裏で糸を引いているのはグローバル企業。幸いにも農家をはじめ、国民の方が反対したことにより中南米やインドでは防げたそうです(全てかどうか分かりませんが)。
そのためグローバル企業にとって商売のチャンスが失われてしまったので、日本に新しい商売のチャンスを見出したというわけです。
水道の民営化も似たような構図ではないでしょうか。海外では水道民営化によって品質が低下あるいは価格の上昇が起きてしまい、再公営化が行われる中、日本が目を付けられてしまいました。
農家の方や一部の評論家の方は、種苗法改正案というものだけを見て、日本の農家を守るべきだと躍起になっているのですが、それは危険ではないのかと思います。
食料安全保障という言葉があるくらいですから、政府は農家に対して手厚い支援をするべきなのですが、緊縮財政を続けている限りはそれができません。
日本人の食べるものは出来る限り、種子の段階から日本で生まれたもの、そして日本の土地で、日本人が作ってくださったものをいただく。これが国家として理想の姿ではないでしょうか。
果たして政府にそういった考えがあるのか、甚だ疑問です。
種苗法改正案が廃案となることを祈ります。