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海の向こうの公園で その1

今日のテルアビブは、『今日の』としか言いようがない。数日ミサイルアラートがないので、外の空気を吸いにでた。路上にはたくさんの車がどうやって停めたのか、きれいにすきまなく並んでいる。

気候は北海道の初夏。雨季のせいか、緑が復活して、松の木の香りがただよう。それに混じって散歩する犬の匂いがする。目の前にはドッグラン。

公園のドッグラン

歩いている時は、誰もいないのに声だけがきこえるような感じがした。次第に人がいることに気がつき、周りが見えてくる、、、それは、私がここに来て当事者に近づくための第一歩かもしれない。そんなことを思いつつ、木の香りのするベンチでしばし休憩。いつのまにか鳩にかこまれる。

海外旅行の注意喚起動画で、鳩の餌を法外な値段で買わせるというのがあるが、そんな餌売りはやって来なかった。そして、スズメをはじめ、他にもいろいろな鳥が集まっていた。

来てみて知ったのだが、テルアビブではペットを飼っている人が多い。そのため犬の散歩などで歩いてる人がたくさんいる。公園のドッグランを利用すると言うより、自分も一緒に歩いて公園を往復しているようだ。

通り過ぎる人の服装はダウンジャケットからノースリーブのシャツまで、いろいろだ。目の前のブランコのそばに、縄跳びを繋げて汽車ごっこ?をする親子連れが1組。次々と人が目の前を通り過ぎるとき、肩の力を抜いてベンチに座り直す。

しばし、まだ穏やかな日差しを楽しんでいると、人質になった人の顔がプリントされたシャツを着た女性が通り、現実に引き戻された。

外務省からのメール

外務省からのメールで、テロが起こっていたことをしる。メールには書かれていないが、犯人は車を暴走させて何十人も轢き殺したと現地のニュースを知るお嫁さんから教えてもらった。

人質解放と停戦の交渉が始まってすぐ、東エルサレムで起こったようなテロはまだ続いている。私達もテロリストとは交渉などできないと知るべきだ。お金を払えばすむことではない。歴史がどうの、今までかどうのという人もいるが、安全なところで呟いてないで、兵士に取られて働き手がなくなったこの街に、働きに来るといい。

空港にはラビ(宗教家)達もたくさんいたが出稼ぎの中国人や他国の労働者達の長い列もあったのだから。

ユダヤ民族が払ったホロコーストの代償は神以外誰も慰めることはできないと感じる。

そしてテロを『襲撃事件』と表現する外務省は、弾道ミサイルを『飛翔体』と報道する政府やマスコミと変わらない。

見たくないものをみなくてすむなら政治はいらない。日本は自国の危機をどのように回避するのか?ある日北海道にJアラートが鳴り響くときがきたとしても、私たちは、隠れるシェルターすら持ってない。

どこに逃げればよいのか?

いまいるマンションには、各部屋にシェルターがある。それを使う日が来ないことを祈っている。

続く。

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原 ふゆこ
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