松の木の夫婦 情緒編
去年春に引っ越してきた借家の両側に、松が植えてある。大きいのと小さいのがあって大きいほうは隣の境界に入る部分が枝打ちされて引っ越してきた時はヨットの帆のような形になっていた。春の掃除も大変だし、隣家の出入りの邪魔になるので、大家さんに大きいほうのを切ると宣言して半年余り。業者さんの都合などもありとうとう冬を越すことになった。そして昨年の秋の終わり、反対側の小さいほうに赤い実がついた。
それを見て初めて気がついた。これは北海道で言うところのオンコの木(イチイ)、しかも雄と雌だったのだ。小さい頃近所の庭にあった赤い実をとって食べたの思い出した。それと同時にこの家を25年前に建てた人の気持ちが少し分かった気がした。どちらかを切り倒してはいけない、そう強く思わされたので知り合いに選定してもらうのみにしようと思っている。もう少しで主人の木を切ってしまうところだった。
切るのは木が眠っている秋から冬にかけてがいいらしいので、もう1年隣家には我慢してもらおうと話をするつもりだ。(写真は別の場所の植木)
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