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海遊館編(序)早朝バズーカー
ゾンビDEダンスの夜、閉園ギリギリまで滞在して、すっかり向こう側の住人となり果てて、隣接するホテルに戻る。
泥のように眠る。
早朝、いつものようにバッと目を覚ます。
寝起きの良さが異常過ぎる!と定評のある私。1秒前まで寝ていたとは思えない力強い膂力で、布団を跳ね飛ばし、勢いよく立ちあがろうとした。
同時に、ケツと太腿とふくらはぎが一斉に声を上げた。
47歳男性の口から絞るような声が漏れる。
ぱう〜〜ぱう〜〜
痛過ぎて鳴く。
目を細めて唇をとんがらせて子鹿のように鳴く。
筋肉痛である。
前回の記事で、特に記さなかったがフルスイングでバカみたいに踊ったのだ。
それはもう、昼は鈍足全開で力の限り走り回り、夜になれば娘と2人一晩中、これ見よがしに手足をピンピンに伸ばして、縦横無尽に踊り散らし、うっとりと遠くを見つめながら、シャリラウッ!シャリラウッ!!と歌い上げていたんだから。
そのツケが回ってきたのだ。
あ…あるけねぇ…くっ、ふぅう…
それでも私はのっそりと歯磨きをして、ホテル周辺の散策に出かけた。
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足を引き摺って早朝散歩。
ホテルユニバーサルポートを出て、目の前の海沿いを歩き、そのままUSJ駅を抜けて、USJのすぐ横に隣接している、まだ空いていない飲食店街をぶらぶら歩く。
あんなに人がごった返していた場所が早朝はこんなにも静か。当たり前だし、だからどうしたと言われれば身も蓋もないが、そういう感じで朝を満喫する。
ありふれた感慨も、深く潜ればなにか見えるってもんで、筋肉痛男は一人歩きながらぐるりと辺りを見渡したり、ぱう〜と鳴いたりしている。
悲鳴をあげてる足腰をしばし休めて、ベンチに腰掛ける。おもむろにnoteを開く。noteを習慣的に利用し初めてから行く、初めての旅行だった。旅先でnoteを開くという感覚がどういうわけか、新鮮だった。
ゾンビDEダンスの感動を走り書きで書く。
ひとしきりnoteを開いた後に、パタンとしまい、空を見上げる。高く澄んだ青空がいつもより高く感じた。
朝のまばゆい風が、長く続く飲食店街の道をさらっとひと撫でしながら吹き抜ける。
よしっ、と勢いよく立ち上がる。
やっぱり
ぱう〜ぱう〜と子鹿のように鳴く。
つづく。