「最近の若い奴は」論を考えてみた
ローマ帝国の時代の誰かの日記的なものにも「最近の若い奴はアカン」的なことが書いてあるらしいんで、もうずっとこの論争やってんなって話なんですけども、いわゆる「若い奴は」論とは、ちょっと違う角度のことを考えたので書きます。
年代に関係なく優秀な人は優秀だという大前提
ここは誰も反論できないと思っています。優秀な人は優秀です。どの年代にタイムリープしちゃったとしても、活躍するだろうなという人。
「最近の若い奴は」が生じやすい場というのがあるのでは
語弊を恐れずに言えばですね、中小企業・零細企業が「最近の若い奴は」が生じやすい場なのではないかと考えたのです。
大前提で「優秀な人は優秀」なわけですよ。さぁ、優秀な人はどこへ行くのか。そうです、大手です。
ですから、大手ではない企業には優秀ではないが「普通の」若い人が入ってくるわけです。零細企業かつ給料も低くて残業がえげつないようなブラックorグレーな企業には、普通の人すら入ってきません。
なお、ずば抜けて何かの才能がある人は、学生のうちに起業したりスポーツ選手になったり有名人になったりしますから、そもそも就職しないでしょう。
歳とるとそれなりに偉い人にも会うようになるから勘違いする
ブラック企業勤めの人でも、歳とるとそれなりに偉い人に会う機会も多くなってきます。他社の部長クラスとか役員・社長とか。そうすると、どうも自分も偉いグループの仲間入りをしたような気になってくるものなんです。
そして、かつては自分も「普通以下の奴だった」ことをキレイさっぱり忘れます。
就職後に努力して、ブラック企業所属であろうとも仕事ができるようになり、独立するなりしてのぼり詰める人もいるでしょうけれど、そういう人だって「若手の頃はダメな奴」だったはずです。それを忘れちゃいけない。
かつてダメだった自分が高いレベルに到達できたんなら、ダメに見えてる今の若手も可能性の塊なんじゃないかと思わなきゃ失礼な話です。自分だけが特別と思うなんて傲慢というものよね。
時代に取り残されちゃっただけな可能性もある
以前にもどこかで書きましたが、自分が成功した道こそが唯一の道だと思っているタイプの人のことです。セクハラパワハラなんでもござれに耐え抜いて、それで成功したと思っている人のなかには、その経験がないと成功できないと思い込んでる人がいます。
だから「人として当たり前に」セクハラパワハラはダメだろ、と拒絶する若手に対して「根性が足りない」などと見当違いもはなはだしい論法を繰り出してきます。やれやれ。
こういうのを放置している会社は、遅かれ早かれ尻すぼみの業績になっていき、いつの日かバタンと倒れます。社長だけが会社売って一抜けピするかもしれませんけれど。
「最近の若い奴は」は全て勘違いだ
もし「最近の若い奴はダメだ」なんて思うことがあるんだとしたら、それは自分が所属している場所のレベルが低いんだと思わなきゃいけないんじゃないでしょうか。
ろくな給料を提示できない、ムダな残業がかなりある、そんな企業に「優秀な人」が入ってくるわけないんですから。それで最初から優秀な若手を求めるなんて、傲慢も大概にすべきというものでしょう。
そして、そんな企業にいる以上、「最近の若い奴はダメ」なんて言ってる人自体、若い頃は優秀な人材であったはずがない。「最近の」なんていうのは完全に勘違いで「あなたも含めてダメな奴ですよ」と言ってさしあげたい。
時代に取り残された価値観しかない人も、もうどうにもなんないでしょう。これだけ「マトモ」な考え方があちこちで提示されているなかで、適切に取捨選択して自分に取り込めてないんだもの。大人としてヤバイでしょ。図書館・新聞・テレビしか情報がなかった時代じゃないんだから。
「若い奴がダメ」は勘違いで「自分がダメ」ってことですよね。
「最近の若い奴は」と言う人のそばに近寄ってはいけない
これを言う人は、企業のなかでも低レベルのグループに分類される人間で間違いありません。もしそんな人間がそれなりの役職についているのなら、その会社自体がもうダメです。速攻転職のご準備を。
若さは強みでしかありません。これからどうにでもなる。そんなにめちゃくちゃ頑張らなくても、最近の若い奴はうんたらかんたらと偉そうにしているくだらない人間から離れられる選択肢はいくらでもあります。
おわりに
かなり断定表現で書いてきましたけど、1つの正解ではあるだろうと確信があってのことです。
私自身そう若いわけでもないんですが、最近の若い方を見て「すげぇや。発想がすげぇや」とか「どんだけ努力したらこんなことできるん」とか思うことはあっても「若い奴はダメ」なんてことは思わんのです。
おそらくこれは私がフリーランスという身の上で、優秀な人・普通の人・うーんまぁ…な人、色々会うので、年代がどうとかじゃないよな、個人の資質の問題だわっていうのが見えやすいからなんだと思います。私と同世代、私より上の世代にもヤバイ奴いっぱいおるし。
しかし企業に所属していると、出会う若手はその企業のレベルに合った若手がほとんどです。それしか知らないのに、若い人を知った気になって一括りに評価しやがるんだなと思っています。
人を年齢や世代で区分するような視野の狭い連中は、極力相手にしたくないもんですね。