128th ボストンマラソン 完走レポート!
本当に心待ちにしてきた初めてのボストンマラソンを完走してきました!正直、今までで一番苦しいレースになりましたが、今までで一番楽しい26.2マイルでした。
ボストンマラソンとは?
ボストンマラソンは1897年に始まった世界で一番歴史のあるマラソン大会。現存するスポーツコンペティションの中でも1896年から始まった近代オリンピックの次に長い大会です。
そんな歴史あるボストンマラソンは、内陸のホプキントンをスタートして6つの町を通ってボストンのボイルストンst.に帰ってくるアップダウンの続くコースと、ボストンマラソンの歴史や難しさを知り尽くした沿道からの熱狂的な応援が特徴。33km地点にかけて連続するハートブレイクヒルもあまりにも有名です。
This is Boston!!!
今回の目標は、スタートラインから最後まで楽しむ気持ちを忘れずにフィニッシュラインを笑顔で駆け抜けること。タイム狙いのレースでも単なるファンランでもなく、世界中のランナーが憧れるボストンマラソンというものを全身で受け止めに行ってきました。
実は、自分のコーラルに入って並んでいる時にボランティアのおじいちゃんから熱いメッセージを頂くエピソードがありました。
「ボストンは初めてなのか?テンション低いぞ!スタート前から上げてこう!暑くてもキツくてもゴールしろよ!なんて言ったって、これがボストンマラソンなんだからな!」
英語力低いので意訳ですが、ほぼそんなメッセージだったと思います。This is Boston!!! この言葉の意味はレースのあいだ何度も何度も実感させてもらえました。
レース展開
結果から書いてしまうと3:06:21で初マラソン以来の3時間オーバー。後半15kmくらいはキロ5まで落ち込む苦しい展開でした。
高揚感を抑えきれないスタート。細かく分けられたコーラルのおかげで周りのランナーの入りも速く渋滞もなく下り坂続きの最初の1kmは3:45で通過。これでは速すぎるのでグッと抑えて5km地点は19:30で通過しました。
ただ、気温の高さも相まってこの時点ですでにしっかり汗をかいていて、心拍数もハーフマラソン相当の177bpm前後。出力的には無理のあるペースではありませんでしたが、調子がよくないのは明らかで早め早めにペースダウンで調整。
それでも気温の高さ&ひたすら連続するアップダウンもあって心拍数は下がらず、15km地点までには消耗戦を戦い抜く覚悟を固めていました。
この先大事になってくるのは
stay focus & keep smiling
そしてボストンを楽しむこと!
ボストンマラソンが本当にすごいのは沿道からの熱狂的な大歓声!
どんなに疲れてきても、どんなに苦しくても、大歓声とハイタッチは大きなエネルギーになっていました。
ボストンマラソンで最大の難所のハートブレイクヒルは25-33kmのあたり。20km過ぎからは4:15/km近くまで抑えてこの長く続く厳しい登り坂に備えていました。それでもアップダウンでゴリゴリと削られた足も、心拍数高めで推移し続けた心肺も25km地点を超えたあたりで既に限界に近いところまで達していて、ここからは完全なる消耗戦に突入。
レースを投げ出すのではなく、絶対に完走するために2つの選択をしました。30秒ウォークをところどころで入れていき、その間に足や心肺の回復を図ったのが1つ。そしてもう一つが1.6kmごとにある給水所の邪魔にならない場所で立ち止まってコップ2杯の水を飲むこと。もしこの2つをしていなければ、脱水症状になったり、足が完全に動かなくなったりして完走すらできていなかったと思います。
この過酷な消耗戦の中でも助けてくれたのはやっぱりボストンでした。
ウォークを入れると、追い抜くランナーさんたちは頑張ろう!と背中を叩いてくれ、沿道からはYou can do it! とか No time walker!とかたくさん声を掛けてくれて、給水所のボランティアさんもHave fun! とか Keep your smile! と言ってくれて、再び走り出すだけでいつも大歓声!
これがボストンなんだな。コース自体が厳しいのも、そんなコースの厳しさや大会の歴史を地元の観客たちが知り抜いて応援してくれるのも、そういうもの全部含めてThis is Boston!なんだな、と。
Congratulations!
どんなにボロボロになっても、サブ3にも届かないとかBQタイムも下回るってことが走りながらわかった時にも、ネガティブな気持ちになることなく、最後の最後までボストンマラソンを楽しむことだけは忘れずに走っていました。
そして迎えたゴールの瞬間!誇れるようなタイム、レース内容では全くなかったのに、全身で苦しんで、全身で楽しんだこの26.2マイルが本当に誇らしくて、心から嬉しい瞬間でした。
ボストンマラソンはどこにいってもCongratulations!という言葉で溢れています。
EXPOでゼッケンを受け取る時、スタートラインに立った時、ゴールした瞬間、メダルをもらう時。レース会場を離れても、翌日の朝のお散歩でも、どこに行ってもCongrats!をきっかけにして会話も生まれる暖かい雰囲気で、ボストンの街全体がこの歴史ある大会に誇りを持っていて、ランナーたちが日々積み重ねてきている努力を認めて迎え入れてくれているように感じました。
レースの反省(一応)
内容、結果ともにボロボロだったのは事実なので反省もしときます。どんなレースだってこういう展開になるのは準備不足とオーバーペース。
今回は最初の5kmが19:30でしたが、真冬のピーク時ならMペースでも、この日のMペースとはかけ離れていたようです。
4-3週間前の発熱ダウン後:トラック練習の設定で10秒は走力が落ちてる感覚
4日前のMペース4000m:キロ3:57でも余裕度はなく心拍数も高く走力は戻しきれていない
という状態を踏まえると、
ピーク時の走力=キロ3:52
発熱ダウン後の走力=キロ4:02
気温20℃補正=キロ4:06=2:53:16
コース難易度補正97%=2:58:37=キロ4:14
くらいが適正だったのかと。
かなりの高揚感で鈍ってしまうMペース感覚任せずに、これくらいは事前に計算してここまで落としてスタートするのが、レース運び的には正解だったかも知れないですね。
それでも、競技志向で走る時はもちろんタイムが大事ですが、そればかりがマラソンの楽しさではないなという価値観を強く持つきっかけに出来たので、そういう点ではレースプランの失敗について全く後悔していません。
またいつか必ず、ボストンマラソンに帰ってきます!
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