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医療者と患者さんの関係は対等ですか?

僕は理学療法士の仕事をしてるのですが、患者さんからよく「先生」と呼ばれたりします。

なんとなく「先生」と「患者さん」って考えると先生の方が立場が上みたいなイメージありませんか?

僕の場合はリハビリスタッフと患者さんの関係なんですが、みなさんイメージしやすいのは病院にかかった時の「お医者さんと患者さん」の関係ではないでしょうか?

僕も風邪を引いたときに医者にかかったり、眼科に行ったりしますが、お医者さんを前にすると未だに緊張して言いたいことを言えなかったりします。

みなさんもそんな経験ありませんか?

もちろん気さくで話しやすい先生もたくさんいますが、無愛想でいかにも上から目線な感じの先生もいますよね。

もちろん医療者と患者さんの関係は対等でなければいけないと思いますが、それはなぜでしょうか?

まず、医療の知識が少ない患者さんは、完全に納得できてなくてもお医者さんに逆らわず従ってしまう人が大半だと思います。(特に日本人は多いのかもしれません)

提案された治療法や目標などに対して、「表面的には同意する」んですね。「患者役割」とか「おまかせ医療」なんて言われたりします。

例えば、リハビリの場面で考えてみると、、

僕「身体が硬いのでストレッチをしましょう。」

患者「(ストレッチよりももっと運動したいんだけど…)先生にお任せします。」

みたいな。。気付いてないだけで結構こういうことって起こってると思います。

たまに「○○さんからクレームがきました」みたいなことがありますが、その時考えなきゃいけないことは、実際にクレームを直接言える人は少数派で、1人クレームがきたら10人は同じように思ってる可能性があると思った方がいいのかなと。

それくらい医療者は深刻に考えなければいけないと思います。

ではどうすれば対等な関係が気づけるのでしょうか?

1つの考え方として「共有意思決定(Shared decision making:SDM)という考え方があります。

(医療における)共有意思決定(英:Shared decision making in medicine、協働意思決定など)とは、患者と医師の両方が医学的な意思決定プロセスに貢献するプロセス、のことを言う。医療提供者は患者に治療法や代替法を説明し、患者が自分の好みや独自の文化的および個人的な信念に最も合った治療法の選択肢を選べるよう支援するものである。    引用:Wikipedia

リハビリの目標設定場面で考えてみると、まずリハビリ目標を立てて、その目標に向けてリハビリを進めていくわけですが、「医療者側が考えてる目標」と「患者さんが考えてる目標とか希望」がズレてることが実際多いみたいです。

患者さんの話を聞きながら一緒に目標を立てているはずなのに、です。

ズレてしまう原因はいくつかあると思いますが、先に言った「知識が少ない」とか「関係性が対等でないから本音が言いづらい」などが考えられます。

なので、医療者側は治療方針や目標設定をする際には、こちらの意見を一方的に伝えるのではなく、「Aという治療法とBという治療法の2つの方法がありますが、どちらを希望しますか?」など予め医療情報や選択肢を与えてあげることや、本音が引き出せるような関係や環境作りが必要です。

大切なことは「患者さんが意思決定に主体的に参加すること」で、患者さんが主体的に参加することで「自己効力感」だったり「治療への参加意欲の向上」といったポジティブな効果が得られやすくなります。


長くなってしまったので、自己効力感とか患者さんが主体的に参加する意義とかの話はまた次回書いていきたいと思います。



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