100カノとは「関係を築く」作品である

 君のことが大大大大大好きな100人の彼女(100カノ)をよく読むのですが、これを読む貴方はどこが好きでしょうか。もちろん人によって様々だとは思うのですが、自分は「彼女間の関係性」かなと思っています。

他作品には無い特異な関係性「恋太郎ファミリー」

 100カノには「恋太郎ファミリー」という「同一の彼氏が好きである1つの大きなコミュニティ」があります。一般に同一の彼氏が好きな彼女間の関係というとギスギスするものですが、彼女の人数が28人になった今でも特別不仲の関係が存在しません。
 そのため、どの組み合わせでも大きな違和感が無く、2人組の組み合わせだけでも恋太郎を含め29✕28÷2=406通りある(さらにここから増え続ける)というのは恐ろしいところです。

関係性を新たに作る「恋太郎ファミリー」

 さて この406通りの関係性の中で、作品の時間軸が始まる前に既に知り合いだったものは意外にも少なく、羽香里,羽々里,芽衣,妹の関係(12通り)、楠莉とヤクさん、凪乃と美々美のわずか14通りであり(恋太郎と知与など双方が明確に出合った記憶が無いものはノーカン)、残りの392通りの関係は 作品の時間軸が始まってから構築された関係 といえます。
 本来であれば構築されなかった関係が「愛城恋太郎の彼女」という関係を持つことで繋がり合いが生まれ、恋太郎との愛だけでなく友情も育まれていく過程を見ることができるところがこの作品の魅力の一つなのではないでしょうか。

ワールドトリガーの事を思い出した

 これを書いていてふと「ワールドトリガー(ワートリ)」の事を思い出しました。ワートリは100カノと同じく人が多く出る作品ではあるのですが、100カノとは異なり作品の時間軸の開始時点で関係性の構築がほぼ済んだ上で作品が進んでいきます。玉狛第2(主人公のチーム)関連こそ作中で関係の構築が描かれていますが、そこ以外ではほとんど見られません。
 現在の関係になるまでになにがあったのかの情報が少しずつ描かれることで、それが遅効性(そのキャラの心情や過去が明らかになる事ですでにある描写の意味合いが変化するというワートリという作品の代名詞の1つ。100カノでいうと芽衣と妹の関係が単行本で明らかになる所がそれに近い)を構成している一端なんじゃないかなと個人的には思っています。(このような関係の描写も違った良さがあるので優劣は無い)

「関係を築くのを見る」のが好き

 ちょっと話が横道に逸れましたが、100カノには「新しい彼女が加入→関係が築かれ新たな一面を引き出す→新しい彼女が…」のループがあり、その関係の全てが良好、かつ築く過程を見る事が出来る部分に自分は惹かれているんじゃないのかなと思い文章を書かせて頂きました。普段ここまで考えを長文で出力する機会があまりないので文章の拙い部分があったかと思いますがここまで読んで頂けた事に感謝を述べたいと思います。


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