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性格や家庭環境が歯並びに影響する話

物心ついた時にはもう歯並びが悪かった。
家族にもガタガタだなんて言われて馬鹿にされたりもした。

歯並びが悪くて良いことなんて一つもないと思う。

歯を見せて写る自分の写真を見るのは大嫌いだったし、
鏡に映る自分も嫌いだった。


自分の歯ぎしりがひどくて眠れないこともあった。

無意識に歯をくいしばっているので目覚めた時は頭痛や首痛で気分が悪い。
歯もズーンと重くて朝の気分を台無しにする。

隣りで寝ていた夫が思わず私の口をこじ開けようとしたこともあったらしい。

その時は、

「ものすごい力で噛みしめていた」

と言われた。
指を噛みちぎらなくて本当に良かった。

歯並びが性格や家庭環境、生活習慣からも影響すると知ったのは、
30代で歯科矯正を始める時だった。


カウンセリングで初めて知った事実

矯正することを決意していざ飛び込んだのは、
いわゆる”おじいちゃん先生”の歯科医院だった。

しかも予約をせずに飛び込んでしまった。

実は1軒目に別の歯科でカウンセリングを受けたのだが話を聞いてるうちに
『ここは自分に合わない』
と感じ飛び出してしまってたのだ。

どうしようかと途方にくれていたところ、
たまたまその近くにもう一軒歯科があったので思わず飛び込んだのだった。

とにかく自分の決意が揺らがないうちに前へ進みたかったから

ものすごくドキドキした。
歯並びの悪さは十分自覚していたから、何か否定的なことを言われるんじゃないかと思って覚悟していた。


診察用の椅子で待ってる間、さりげなく私の様子を観察されていたらしい。

院長がやってきてカウンセリングが始まり、その時に言われた次の2つのことが未だに忘れられない。

  1. 「口をキュッと閉じるのがクセになっているよ」

  2. 「歯は一生動くもの」

口をキュッと閉じるクセ

その頃の私は、口元を真一文字のようにキュッと閉じるのがクセになっていた。
というより、あえてそうしていた。

なぜならよく「怒ってる?」と言われることが多かったから。

別に怒ってないし普通にしてるだけなのに、なぜか不満顔のような印象を持たれていたらしい。
”余計なことを言わないように” っていう意識の表れもあったと思う。
自分の発言を人に否定されるのがすごく怖くて、気づいた時には口を結ぶのが当たり前になっていた。

「常に口元に力が入っている」

いわゆる自然の矯正装置を身につけているようなものだとカウンセリングで言われた。

自分自身で歯並びを悪くしていたショックはかなり大きかったな。

歯は一生動くもの

カウンセリングを受けてもう一つ衝撃的だったのは、歯は一生動くものだと言われたことだった。

歯って、そんなに簡単に動くの ?
こんなに硬くて頑丈なのに。

私が長年、口元に力を入れて生活していたこともあり、
「余計なところに力が入っている」とか
「舌の使い方が良くない」という指導を受けた。

そこを治さない限り、いくら歯科矯正をしても元に戻ってしまうのは目に見えているんだそう。

私はてっきり歯並びをキレイにすれば、悩みは解決するものだと思っていた。

指摘されたことは様々

  • 普段の姿勢

  • 舌の使い方

  • 表情筋を鍛えること

  • 肘をテーブルについている

  • 腹筋を使わないと顎が出る

今まで聞いたこともない話ばかり。
全てが歯並びに影響しているという話を聞き、とても衝撃的だった。


確かに姿勢は良くなかったと思う。
腹筋が弱くてまっすぐ立つのが苦手だし、机に向かってる時や食器洗いをしている時も、もたれながら立っているというかんじだったから。

そうか、姿勢も大事なのか!

この話を聞いてからは、歯以外の面にも注意を向けるようになった。

口元に力が入るのはストレスや家庭環境のせい?

私が口元をキュッと結ぶようになったのは家庭環境が大きかったからだと思う。

私が育った家庭はコミュニケーションの乏しい家だった。

テレビで見るような一家団らんとはほど遠い。
食事中は会話もないし、食後にテレビを見ながら笑い合うなんていうことはほとんどなかった。
気を遣って私が話題をふると、なぜか否定されたりバカにされたりすることが多かった。

だから両親と笑顔で会話したという記憶もあまりない。
祖父母も一緒に暮らしていたけれど、みんな他人に興味がない人たちだったんだと思う。

  • 余計なことはしゃべるな

  • 自分たち(親たち)に迷惑をかけるようなことはするな

こんな環境だったから、人の顔色を伺いながら話すようになってしまったのは仕方ないことだったのかな。

きっかけをくれるのはいつも娘の存在

歯並びがコンプレックスだった私はずーっと歯科矯正をしたかった。

身のまわりには歯科矯正をしている人がほとんどいなかったので、親が矯正をさせようなんていう考えは全くなかったんだと思う。

歯科矯正はとてもハードルが高い。

費用もそうだが時間もかかる。
毎月の通院や痛みも伴う。

矯正を始めたら中断できないんじゃないかという恐怖のほうが大きかった。

でも歯並びに対する不満は膨らんでいくばかりだ。
噛み合わせが合っていないせいか、頬肉を噛むことはしょっちゅうだし歯がうずくこともある。


そんな中、私が歯科矯正を決意したのは娘に言われた一言だった。

ある時、娘が私の口元を指さして
「歯が出てるよ」
と言われドキッとしたの覚えている。

私の歯並びを見て娘も「何か違和感を感じるのかな」って思ったら、これは歯科矯正をするチャンスなのかもしれないと思えた。

娘はいつも私に変化を与えてくれる。

私は新しいことや変化することが苦手なので、その度に悩みもがくのだけれど、
娘がいたから乗り越えられることもあるし
娘がいるから経験できたこともある。

いいことも悪いことも厄介なことも

今は小学校3年生になり、知恵もついてきたし私の顔色を伺うようにもなってきた。
娘には私のように窮屈な思いはせず、のびのびと生きてほしいなぁと常々思うものである。

歯科矯正をスタートして丸7年

この秋で歯科矯正をスタートして丸7年が経った。

歯を動かすことはひと通り終わり、今は保定期間に入っている。
神経が死んだ歯を治したり、スキッパになってしまったところを整えたりしているところだ。

むかし悩まされていた寝起きの頭痛や歯ぎしりは、もうすっかりなくなった。
それだけでも歯科矯正をした意味は十分あったと思う。

歯は一生ものだと言うけれど、そんな先のことを考えるのはなかなか難しい。
でも今、誰の目も気にせず歯を見せながら人前で笑えるようになったのは、一つの壁を乗り越えた成果なんじゃないかなと感じる。

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