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【アメリカ移住実録 #1】「そうだ、家族でアメリカに移住しよう」のはじまり

2015年8月

家族構成

  • ポム: 平々凡々日本のサラリーマン、33歳

  • ポム妻: しっかり者、公務員、33歳

  • 長女 ポム子: 3歳

  • 次女 ポム美: 1歳

2015年、「そうだ、アメリカに家族で移住しよう」と妻が言い出したのがこの話の始まりです。

私たちポム家は、同じ大学で知り合ったポムとポム妻がそのまま二人の地元九州地方のM市で就職・結婚。ポムは地元の会社に勤め、妻は地元の役所に勤めていました。2012年には長女のポム子が誕生し、2013年には結構な額の住宅ローンを組んでM市に家を購入しました。

そう、私たちは超絶地元志向のM市ローカル家族だったのです。だってM市出身の夫婦が、そのままそこで就職、結婚、子供が生まれて、家まで買って。私たち夫婦だけでなく、私たちの親も祖父母も(おそらくその親も)ずっとM市在住。地元を歩けば知り合いだらけ(は、ちょっと言いすぎかもですが)の状態でした。ちなみに、M市は劇的なスピードで人口流出が進んでいるので、ポム家は過疎化を食い止めることに貢献していましたね。

そんな地元べったりのポム家が、家族でのアメリカ移住を目指すことになったのは2015年8月のこと。
妻:「あのさ、ちょとやりたいことがあるんだけど」
ポム: 「何」
妻: 「というか、将来やりたいことなんだけど」
ポム: 「何」
妻: 「というか、将来の夢みたいなものなんだけど」
ポム: 「何」
妻: 「小さな○○会社をやりたいんや」
ポム: 「へーいいね、そのうちやってみたらいいじゃん」
妻: 「外国でやりたい」
ポム: 「。。。。。外国ってどこ?」
妻:  「どこでもいいけど。アメリカはどう? そうだ、家族でアメリカに移住しよう。」
ポム: 「。。。。」

妻はしっかり者だが、突拍子もない部分も持ち合わせています。あと、一回こうと決めたら結構頑固なのです。一方はポムこと私は、楽天家ですが、後先考えずの行動は出来ないタイプです。
アメリカに家族で移住。。。。そんなことが可能なのか?
仕事は?子供の教育は?家は?。。。。

現状の整理のためにポムのスペックを書き出してみます。
「就いている仕事」: アメリカとは全く関わり無し! むしろM市を含む県内でほぼ完結する仕事です。
「資格」: 特になし!
「特技」: 特になし!
「英語」: 出来ない!
「コネ」: 特になし!
「お金」: 少ししかない!
「アメリカ」: 旅行さえ行ったことがない!
普通に考えたら今からアメリカに行こうと思えるスペックではありません。なおポム妻もほぼ同様です。

では、今のポム33歳が既に手に入れているものは?
「安定的な仕事」: 激務の割には給料がいいとは言えないかもですが安定的。辞める人はほとんどいない職場で、多分それなりに頑張れば退職まで安泰。また、今の職場に入って約10年が経ち、仕事的にも脂がのってきた時期でした。ついでに言うと、妻は役所勤務の公務員であり超安定的な仕事についていました。
「我が家」: 持ち家。住宅ローンじゃんじゃん返済中ですが
「地元」: M市周辺には親兄弟、友達、職場の仲間がいていろいろ後押ししてくれる。勝手知ったる土地
「幸せな家庭」: プライスレス

一方、家族でアメリカ移住して手に入れられる可能性があるものは?
「夢と希望」 のみ。でも、これもプライスレス。

うーん、普通に考えたら比較にもならないですね。
アメリカ移住にはリスクしかない。
仕事、教育、治安、言語、費用、、、、、リスクは考えたらきりが無いです。
でも、妻がそれが夢だと言うのであれば出来るだけ協力してあげたい。妻の夢を叶えることは私の夢でもある。だってそれが夫婦ですよね。

そもそもなんだけれども、社会人になって約10年。愛する妻と結婚し、子供にも恵まれて、幸せに向かって進んでいる人間が、さらに夢を追いかけるのは正しい選択なのだろうか。しかも、現状の幸せを壊しかねない危険な賭けですね。

30歳も越えてくると、夢を追いかけ過ぎてもう戻れないところまできてしまった人の話、安定的な仕事を捨てて夢を追い転職して失敗した人の話、いろいろ聞いてきています。

もちろん、夢はどんどん追いかけた方がいい、自分だけで責任がとれる範囲なら。でも、私にはポム子とポム美がいます。子供達に適切な教育環境を与えるのは私の義務であって、親の夢のために子供が犠牲になってはいけないですよね。

確かに、アメリカに行ってる人なんてテレビ見てるといっぱいいますよね。
渡辺○美とか
中山○くんとか
ピ○スの人とか
テレビとかを見た感じだとアメリカに移住するのは簡単なんじゃないかって勘違いしちゃいますが、いやいやいや、結局この人達ってすごい才能(とお金)を持っているから(もちろんそれは彼らの努力で手に入れたもの)、簡単に行けたように見えるんです。アメリカへの移住はそんなに甘いもんじゃないって。旅行じゃない。向こうで仕事して、子供を育てて、生活していくのがどんなに難しいか。日本でも難しいのに。

ポム: 「でも、そんなに簡単じゃないよね。仕事も、お金もいろいろ考えないといけないことばかり」
妻: 「そうだよね。だから、移住がギャンブルにならないように入念に準備をしてからアメリカに行こう」
ポム: 「結構時間かかるね」
妻: 「何年かかかるだろうね。リスクは減らしながら確実にやろう」
ポム: 「。。。。そうだね。」

私は気のない返事をしました。

でも、でもさ、この時もう気持ちは決まってんだと思います。

だって、妻から「アメリカに移住しよう」と言われた時からもうわくわくが止まらない。
普通に考えたらできっこない、リスクだらけの選択をしようとしているのはわかっています。夢ってそんなもんじゃないですか。

でもでもでも、やっぱりリスク高すぎて普通に無理だと思いますよね。
誰か私の後押しをしてください。

そのときつけっぱなしにしていたテレビから反町隆史のポイズンが流れてきました。


言いたい事も言えないこんな世の中じゃ Poison
俺は俺をだますことなく生きていく Oh, oh
真っ直ぐ向きあう現実に
誇りを持つために
戦うことも必要なのさ

小さな夢も見れないこんな世の中じゃ Poison
自分らしさずっといつでも好きでいたい Oh, oh
自由に生きていく日々を
大切にしたいから
行きたい道を今歩き出す

こうして、思ってもみなかったポイズンの後押しを受けて、「小さな夢も見れないこんな世の中じゃ」だめだと思った私は、この日を境にアメリカ移住を目指す方向に舵を切るのでした。ありがとう反町。

これは、この後何年にも渡るアメリカ移住への戦いの始まり。
普通の地方在住一家、ポム家は本当にアメリカに移住できるのか?????
是非応援よろしくお願いします。

第二回 へ続く (この話は実録ですが、身バレ防止等の観点から若干のフェイクが入っています)
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Pom (ポム)
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