街角の珈琲屋
今朝、Netflixにあった『first love』というドラマを見終えた。
とても映像・描写がきれいで、どの場面を切り取っても素敵なストーリーを連想させた。
心に残る物語に触れると、いつも通りの日常がなんだか輝いてみえて、自分が映画のヒロインになったような気分にもなる。
目の前に映る景色がフィルム越しに見える気がして、ひとつひとつの時間やモノ、人が愛おしくなる。
こんな現象をなんていうんだろう。
池袋で、前の用事が早く終わったのでぷらぷらと散歩をしていた。
ふと、前に見つけた風情のある珈琲屋さんに行きたくなった。
しかしこの日は風が強く肌寒かった。
ポケットから手を出し、Googleマップを開くという行為が億劫だったので、のんびり歩きながら、もし辿り着けたら行こうっていうマインドになった。
行きすぎた道を直感で引き返して、左に曲がる。
あった。あれだ
少し寂れた看板に、ほぼガラス張りの建物。
店内には低めの椅子とテーブルが並んでいて、そんなに混んではなさそう。
入るのに勇気が必要だったが、扉を押した。
「お好きなお席にお掛けください〜」
ふわっと薫る珈琲の匂い。
本を読んでる人もいれば、ケータイで動画を見てる人、2人で話してる人もいる。
カウンターに向かい、アメリカンコーヒーをオーダーした。
「その辺にお金、置いといてください」
少し雑なところもいい。
席につき、暖かい珈琲を片手にぼーっとする。
この瞬間が絶妙に幸せだった。
そして、無性に文章を書きたくなり、ケータイを取り出しアプリを開く。
今日感じたこと、起こったこと、見たこと、変わりない日常を文字に起こすのも悪くない。
文字にすれば、大切な思い出に変わるかもしれないし、ひとかけらのピースがかけがえのない記憶になる時もあると思う。
そんなことを考えてたら、次の用事の時間が迫っていた。
残ってる珈琲を一気に喉に流し込む。
最後に店内の景色を目に焼き付け、投稿ボタンを押す。
Dream Coffee
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