カラバッチョの過去【前編】
俺は...生まれた時から蝶兵衛一味の兵士として育てられていた。
カラバッチョ父「おいっ!!もっと速く飛ぶんだよ、分かんねぇのかっ!!」
バチッ!!バチバチィン!!
鞭が俺の体に当たる。
カラバッチョ「ご、ごめんなさい...!だから叩かないでっ...!」
訓練で少しでも下手な行動をとったら厳しい仕打ちが待っている。
鞭で身体を叩かれたり、顔面を腫れるまで殴られたり...そんな事は日常茶飯事だった。
カラバッチョ父「いいか!?こんな事は蝶兵衛一味の中では普通なんだよ!!もう少し兵士としての威厳を持て!!」
カラバッチョ「は...はいっ...」
カラバッチョ母「コラコラお父さん。そんな厳しくして死んだらどうするつもりなのよ。」
親父は俺を踏みつけながら言った。
カラバッチョ父「そんなの知るかよ。別にこいつが死んだ所で新しく産み直せばいいだけだ。」
カラバッチョ母「フフッ、それもそうねっ。」
そう。俺の家族に味方などいないんだ。なぜなら俺が死んでもどうでもいいと思ってるからだ。
カラバッチョ「(...このクソ野郎共が...っ!!)」
俺は心の中で叫んだ。
そんな地獄のような生活が数ヶ月経った時...
カラバッチョ「よし...あいつらは寝てる...今がチャンスだ...!」
俺は蝶兵衛屋敷からの脱出を試みた。
勿論俺は怖くて手が震えていた。
捕まったらどんな仕打ちが待ってるのか。
もっと苦しい生活になるのでは、と。
でもそうは言ってられなかった。
こんな生活が続くなら、死んだ方がマシと思っていたからだ。
カラバッチョ「(...あばよ、クソ野郎)」
俺は飛行能力を使って窓の隙間から空へと飛んで行った。
そして俺がしばらく逃げていた時、
突然遠くから聞こえて来るほどのサイレンが鳴り響いた。
そして、急スピードで親父が俺の後ろから追いかけて来た。
カラバッチョ「...ッ!?お前、なんでここに...!」
カラバッチョ父「バカが!!脱獄者が現れた時は自動でサイレンが鳴り響く仕組みなんだよ!!」
カラバッチョ「くっ...くそぉっ!!!」
カラバッチョ父「逃がすかよォ!!」
俺は全速力で飛び、父から逃げようとしたが、もう既に限界に近づいていた。無理もない。もう100メートル以上飛んでいたからだ。
カラバッチョ「クソ...もうここまで...か...」
疲れ果てた俺は、上空から落ちてしまった。
「...おーい...おーい?」
カラバッチョ「...あれ...ここは?」
田中先生「おー、やっと起きたか!」
カラバッチョ「...誰だよ」
後編へ続く