読書日記8「日本史を暴く 」ー磯田道史


この本は著者が古文書を解読して判明した事実を集めた本だ。その事実は、庶民の旅行記録など教科書には載らないような事実だ。歴史上の人物の中でもギリギリ資料集に掲載されているくらいの人物が好きな私は、1日で読み切ってしまった。

以下、考えたことである。

①記録を残すリスクとメリット
この本では庶民の日常に関する古文書も解読されている。江戸時代の人々は当然自分の記録が後世に残されているとは思っていないだろうから中には本人が知ったら恥ずかしくなるような記録もあり、少し同情した。時間差でデジタルタトゥーが刻まれようなものだと思う。その一方で、当時は役に立たないであろう庶民の些細な記録も後の人間の発見になることもあるのだと知った。莫大な情報が残される現代が将来的にどのように評されるのか気になった。

②文化財保護
この本では開発等により、壊されそうになった古墳や歴史的建造物を保護するために著者が行動した事例が紹介されていた。このことから簡単に評価が出来ず、維持費もかかる文化財等を保護することの難しさを感じた。著者がこれらの課題に声をあげた際には歴史的価値を理解する人からの賛同があったことが触れられていた。一人一人できることは少ないかもしれないが、歴史に関心を持つ人が増えることが重要なのではないかと感じた。自分も歴史に関心を持ち続けたいと思う。

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