ベースの退屈な刻みを楽しく奥深くカッコよくしよう。
【すぐ弾けてすぐ退屈になったロックの8分刻み】
「同じ事ばっかでつまんねぇ!」
「人に聴かせても全然分かってもらえねぇ!」
「ベースって何か退屈な楽器だわ!」
こうなるのもそりゃ無理ないよねって楽器、それがベース。
だからって派手な事ばかりやってもバンドでは活きてこない。必死こいて技を身に付けて披露しても使えないベーシスト扱いされたり、何だか難しい。
ベースの役割を分かってねぇ、それじゃ音楽にならねぇって散々に叩かれたり、実際に思い知らされたり、目立たないようでめちゃくちゃ高度なバランス感覚、音楽力を要求されたりする、それがベース。
自分がベースを始めて一番最初にコピー、手を出したのは、8ビートのロック。
コードを一つ押さえるにも難儀するギターと違い、シンプルな8分刻みの敷居は低いと思う。
あえて舐めた言い方をすると、
「ベースってこんなもんなの?」
ぐらいの手応えでスタート出来たのが良かった。
才能ないだの、心折れるだの、そんなこと考える暇もなく、すぐに一曲弾けるようになった素晴らしさ。
おんがくのじゅぎょー、みたいな退屈な曲からやればいいかって、そうじゃない。
「ロックかっけぇ!」
自分で弾けるようになる実感、その手応えと喜びは計り知れない。
どんな形であれ20年以上、今日までベースを弾き続けられたのは、シンプルなロック、その8分刻みから始められたおかげ。
入口としてこんな最適なものはなかった。
一方、程なくして生意気に増長し始めるのもお約束。
まさに冒頭のこれ。
「同じ事ばっかでつまんねぇ!」
「人に聴かせても全然分かってもらえねぇ!」
「ベースって何か退屈な楽器だわ!」
華麗なギターソロ、メロディアスな旋律への憧れが強くなるほど、ドドドドって刻みばっかりやってたらそりゃ嫌になる。
もっと目立ちたい欲求も強くなるし、
「ギターに勝ちてぇ!」
なんて闘志燃やしたりも始める。
どの曲やっても同じような事の繰り返しじゃないか?ベースってこれでいいのか?8ビートに嫌悪を覚えたぐらいな時期もあった。
速弾きや技巧への憧れも強かった分、
「いつまでもこんな刻みばっかやってられるか!」
ってフェーズに移行するのは時間の問題。
より新鮮で派手で強烈なベースを求めたり、そんな野望や燃える気持ちを抑えられるわけもない。
仮に、8分刻みだけしか知らなかった場合、遅かれ早かれ自分はベースをやめていたと想像。
・単純作業で歯応えがない
・楽器弾いてるアピールしようにも理解されない
・弾いてるフレーズが自分でも合ってるんだかどうかよく分からない
この退屈さに我慢ならなかっただろうなと。
そんな世間知らず、ベースの事なんか何も知らない、浅く偉そうに振舞うクソガキでもあったわたくしポング。
これまでの経験、実感を踏まえながら、アドバイスと言う名のセルフお説教かましていってみたい次第。
【バンドでデカい音を出す】
まずもう、8分刻みを目一杯楽しみたいと思うんだったら、
「でかい音出せ!」
「バンドやれ!」
「全部ちゃんと弾け!」
これを叩き込みたくなるところ。
ちっこいしょぼいアンプちまちま鳴らしてたって、なかなか面白くなってはくれないし、生音など言語道断。
エレクトリックなのにアンプ通さないでどうすんねんとツッコミ入れたい。
加えて声を大にしたいのは、
「メンバー揃えてバンドやれ!」
これが何より力になる。
「8分刻みなんかつまんない!」と言いながらバンドをやった事がない、生のドラムの音を知らない、クソでかいギターサウンドと戦った事もない、それじゃちょっとお話にならない。
「ベースって何か退屈だなぁ…..何弾いてっかよく分かんないし…..」
この認識が一発でブッ飛んだのは、人と初めて合わせたあの瞬間。あれで全てが変わったと言っても過言じゃない。
こればかりは説明のしようがないしその必要も感じない。
まさしく「理屈じゃない」ってやつ。
この「理屈じゃない」って言葉で済ますのは、個人的にはあまり好きじゃないんだけど、でもやっぱり、そうとしか言えない世界ってのが存在する。
そして8分刻みを本気で味わうのであれば、
「全部気合入れて弾け!」
退屈だ惰性だと感じるのであれば、それは自分の音に魅力がない、何も感じてない、何も込めてないってのと同じ。
・出す音がつまらないから退屈になる
・目的意識も楽しみも分かってないから面白くならない
・面白く出来ないからテキトーにダラダラ弾く
・ダラダラするから簡単な事やってるって勘違いもする
それじゃ楽しくなるわけがない。
難しい哲学練るよりまずドカン!
「ベースってこんな面白い楽器だったのか!」
全身電気走って震えるぜと。
読んで頂きありがとうございます。サポートして頂けると今後の力になります。