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ベース選び、ひっくり返っちまったぜ2024。ポングの息抜きトーク(18)
■破戒~な2024年
ま~、散財しました2024年。
ツバサギターの5弦に始まり、全く予期してなかったフェンダーUSAの5弦プレベ、さらには80年代フェンダージャパンのフレットレスと、三本も買ってしまいました。
しかもオールパッシブ!
オールアルダー!オール普通!
一番ハマってるプレベとか、苦手にしてたと言うか嫌いぐらいに公言してたメイプル指板だったり、アルダーにしたって同じような扱いだったし、こんなひっくり返るモンか、もはや笑えてきます。
一方で、それだけの憧れがあった、違和感を抱えてきたのも事実。
ようやく素直になっただけ、そう言っちゃそんな気もしてます。
自分の中での一番の変化に思うのは、
「速さって何?」
それに対する疑問の芽生え。
ず~っと求めてきたからこそ改めて問いたい、その要素。
「レスポンスが速い=高域の発音がよく聴こえる」というのは自分の中では速い扱いにならない、塊のような低音が一気に出てきてほしい、全音域が同時に聴こえてきてほしい、そんな事を理想にしていたと思います。
しかし・・・・
「楽器ってそんな単純じゃねーな!」
ほんとそうだなって。
音の奥行き、立体感、粘り、唸り、余韻、噛みつき、実にさまざまな音要素、そこを無理やりひとまとめにするほど、
「平坦になる….」
そんな傾向が強くなるから怖い。
実は速いじゃなくて、
「薄い….」
そこ、よくよく判断する価値ありそうです。
とは言え、めちゃくちゃ気持ちいいレスポンスを持ってる楽器はやっぱり、音が物凄い塊になって出てきてくれたり、スピード感溢れる手応えとサウンドを持ってる気がするから、その辺の判断がなかなか難しい。
ほとんど興味なかったヴィンテージベースってやつを何本も試奏しましたし、手応えいい物はやはり凄く応答性が良い、音が塊になる、こりゃほんと良い楽器だわって思わされもします。
だからこそ、何が違和感の元になるか、その要因ってのが何なのか、少しずつ分かり始めたかもしれません。
それってのは何か?
【硬い】【固い】【堅い】
三拍子揃った、
「オールかたい!」
それが生み出す、
「速さ感!」
そこに気を付けた方が良いんじゃないかなって。
立ち上がり良いように"感じるだけ"で実際は薄い、軽い、混ざらない、消える、平ったくて奥行きがない、そういう表面的な気持ちよさと違和感ってなかなか厄介。
そして恐ろしい事に、それって木材の選択や本体設計に留まらず、ポットやハンダに配線材に至るまで、エレクトリックベースを構成する全ての要素が絡んでくるんじゃないか、それも分かってきた気がします。
改めてパッシブに手を出すにあたり、ヴィンテージベースだけでなく、評判の良い国産ベース、海外ハイエンド、王道の廉価版、色々な楽器を試奏しました。
で、ま~、正直な事を申しまして、
「ほとんどガッカリ….」
参っちゃいましたマジで。
特に国産系はほぼ全滅。
そのあまりの"かたさ"、余地の無さ、ジャズベに見えてジャズベじゃない、プレベそうで全くプレベじゃない、ひどい別物感に頭を抱えてしまいます。
海外ハイエンドに関しても、その値段の価値があるとは到底思えない、評判だけ空回りしてないか、金額で良し悪しを判断しちゃってないか、そんな気にさせられる物も珍しくない。
とんでもない皮肉、
「王道の廉価版が一番いいじゃん!」
自分の好み的にはそれが納得できるかな、金額関係なしにしても手を出すならそれだな、パッシブなら真っ先にこれかもなって答えが出てしまったかもしれません。
あれこれ悩むよりよっぽど分かりやすいし話も早い。
なんでしょうね~?
「楽器が全部鳴ってる!」
なんて言うとよく聞く曖昧なアレな感じなので、
【楽器が全部振動してる】
こっちの方が物理的にも具体的になるのかな?
この"振動してる"ってのが肝な気がしますね~。
まぁ、そこもクソ曖昧じゃねぇか、エゴ判断じゃねぇかってのもそうなんだけど~~???
少なくとも、弦が全く振動してないのに鳴りが良いと言っちゃうのと、弦が鳴ってて楽器全体が振動してるって言うのとでは、話がだいぶ違ってくるのは確かじゃないかと。
バ~ンと思いきり鳴らした際、ウンともスンとも言わない物がある、許容入力が異様に低い全然手応えないやつがある、その気持ちよさと反応って天と地ほどの差があるかもしれません。
極論、と言うか実は当たり前?
ボディやネックは言うに及ばず、ペグからブリッジからナットから、ポットに配線材にハンダ、ツマミやネジ、ピックガードに至るまで鳴りを構成する要素として存在しているのではあれば、綺麗に"かたく"しすぎるほど音は淡泊になるよな、平坦になるよなって納得出来てきます。
弦だけが鳴ってる感覚、それって意外と共感しやすいんじゃないかと思いますし、硬質オンリー仕様な物を弾けば実感もしやすいはず。
その淡泊さ、電気臭さ、エレクトリックだからそりゃそうだろって話もそうだけど、よくよく考えたい、
【ベースは弦楽器】
そこには確かなアコースティック要素が存在する、その事実から逃れようとするほど平坦だったり冷淡だったり、いびつにまでなってしまう印象があります。
「純粋な弦振動こそを増幅したい!」と言うのも、一つにはとてもアコースティックな世界だと思いますし、アクティブベースにおける究極の思想じゃないかとも考えられそう。
それを薄くするか消すか、それとも濃くするか臭くするか、そこは本当に好みの世界・・・なんだけど~?
評価高い楽器というのはやはり、その辺の塩梅が凄く上手い、回路から何から全てトータルしてサウンドも手応えを作られているように感じます。
硬質じゃなければ出せない音がある、鋭い立ち上がりがある、負けない強さがある、それを分かってる狙ってる楽器はやっぱり凄い。
で~、今の自分が大好きなのは~、
「普通のパッシブベース!」
電気的にクソもクソ、脆弱も脆弱、どうしようもなくファジーでリスキー、んな原始的な方法があるかいなってぐらいの酷い仕様。
でもそれがスーパー面白いんだからしゃーありません。
その曖昧さをより曖昧にする、より反応的で躍動感あふれる仕上がりにする、とにかく楽しい楽器にする、それをとても強く感じたのが冒頭で挙げた、2024年の今年手に入れたベース達と言えそうです。
まぁ、フェンジャパのフレットレスについては、ネットで見つけて試奏もな~んも無しに買った博打品だったりしますし、「ジャズベでコーティングしてありゃ何でもいいや!」ってぐらい、楽器選びについて冷めた結果の産物とも言えます。
でも、それが上手くいったんだから、何と言うかほんと、色々アホらしくなったなって安心して脱力できそう。
こだわりの究極スペック、ハイエンドって何やねんってね~。
速さの話はどこ行ったんじゃって感じですが、その"速さ"って要素と感覚、それが強烈なローカットや楽器全体のミュートから来てる感じだったら、それは今の自分の感覚、パッシブ好き的に要注意ポイントなのかなって思います。
よく分からない結論を出すなら、
「立体高速応答!」
平面をポンと出すのではなく立体的な複合音要素を遅れなく出力、エレクトリック楽器なんだけど基本はあくまでアコースティック、プレイヤーが心地よく感じるストレートさを持ってるベースっていうのが、速くて熱くて気持ちいい楽器になるかなと。
んでそれって別に、ハイスペックでもなければプレミアムでなくてもいい、むしろそういう要素が邪魔になる、都合の良さが仇になる、お世話が生命力を奪う、そんな感覚あります。
これは愚痴とか難癖みたいに聞こえちゃうかもしれないけど、国産ベース、その工房の多くに求めたい注文、
「もっと緩くていいんじゃない?」
真面目すぎないか?
良心的すぎないか?
芸術目指しすぎじゃないか?
完璧目指しすぎじゃないか?
デザインの変な主張いらんのよな~、もっと楽しいベースが増えてほしいな~、許容入力でっかいガツンガツン行ける楽器が欲しいな~って、も~のすごく強く思う次第でございます。
ほんと、かっっったすぎる楽器多すぎないかと。
素晴らしい職人さんがいればノウハウも絶対あるだろうからこそ、もっとファジーな領域に足を踏み入れて良い気がするんですよね。
そんなこんなの2024年、散財の年。
結局、王道定番がおもしれぇや、普通最高だわっつー、これまでの自分的に最低の答え、でも薄々分かってた、本当は素晴らしい話なんだよねっていう、モヤモヤとスッキリを抱える結論が出たところで、ベーストーク締めたいと思います。
ほんとね~、フェンダーUSA買うなんて想像した事もなかった、めちゃクソに嫌いだったんですけどねぇ。
もう駄目っすわ。
フェンダーが一番面白い、一番楽器してる、一番言うこと聞かない、一番楽しい、一番弾きたい、一番尽くしって感じで信仰心芽生えつつあります。
「おすすめのベースは何ですか?」
それを問われたら即答しましょう。
「フェンダー!!!」
ジャズベとプレベが良いですよと堂々断言できます。
近道したい人にも地獄のような遠回りした人にもフェンダーがおすすめ。
そこを結論付けるか、辿り着くか、落ち着くはともかく、一度は手に入れてみる価値があります。
多弦がメインの自分、本当にフェンダーで決定付けるのかどうか、正直言ってよく分かりません。
でも、フェンダーを知ってる意味、弾いてる意味ってやっぱり大きいんだな、違うんだなって感じるのは確か。
すごい楽器ですわ。
今回に至るまでの経緯とかこれまでの遍歴とか、失敗トーク満載のパッシブベースと上達の思い出の方でもガッツリ語ってますので、よろしかったらそちらもどうぞ。
ベース教室もやってますので、タッチ、ピッキングを鍛えたい、フィンガリングを見直したい、もっと速く弾きたい、小指を使えるようにしたい、スラップのやり方を知りたい、リズムを鍛えたい、もっとベース上手くなりたい、そんな声にお応えしますので、気軽にお声がけください。
で、そうそう、noteのマガジン、これを機に値下げしますので、ぜひ読んでいただけたら幸いです。
それでは少し早いですが、2024年ありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いします~。
■ベース教室
https://pompom-bass-gym.jimdosite.com
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