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クライアントを教育する方法。-クライアントワークでデザイナーができるトラブル防止-

こんにちは。デザイントースト代表のほりです。
今回は、デザイナーさんやコーダーさんのような制作を今後していきたい方やフリーランス駆け出しさんで「もう振り回されたくない!」という方に向けて書いてみました。特にフリーランスデザイナー皆に読んでほしい!
↓感想嬉しい!↓

さて、この記事の元はこのツイートでした。


まずタイトルで「クライアント様に教育なんて!」と思われたクライアントさん、またはデザイナーさん、すみません。ただ、日本ってお客様=神様という意識が強いため、あえてこんな言葉にしてみました。

でも、片方がお客様だ有名デザイナーだとふんぞり返り、片方が言いたい事が言えないなら良いものはできませんよね。リスペクトを持ち二人三脚で進めていくためには、慣れているデザイナーが進行管理を担う方がスムーズです。人をひっぱるってスタミナがいる事なので、クライアントさんも本当は誰かに引っ張ってほしいんです。

私も慣れないジャンルの外注の際は「学ばせてもらいます!」という部下のような気持ちで観察させてもらったりしています。良いクライアントさんほど、発注側としてスムーズに行うために「こうしてほしいと言われたら協力したい」と思ってくれていると思います。

要望を伝えずに、怒ってませんか?

私はクライアントワークにおいて、発注する側でもあり、発注される側でもあります。
発注する側になってひとつ思った事があります。

皆おとなしく意見を言わないと思いきや、
いきなり怒り出したり、連絡とれなくなる制作者、怖い・・・!!!TT

私が発注する相手は、日本人のコーダーさんでたまにデザイナー。
良い所は、真面目で責任感があり、期限までにきちんと行ってくれる。
怖い所は、何か思っていても言わず、基本受け身。ストレスが爆発するまで「こうしてほしい」と要望を言ってくれない

デザイナーからしたら
「無理のあるスケジュールを組んできた。やってられない!」
「非常識な発注料金を提示してきた。デザイナーを下に見てる」

「追加料金がかかると言ったら嫌な顔された。ただで働かせるつもり?」

でも、クライアントによっては、
「突然連絡がとれなくなるくらいなら、受けずに無理と言ってほしかった」
「予算を聞かれ、相場が分からず料金提示したら安すぎると怒られた」
「追加料金がかかるなんて知らなかった!後から言うなんて、詐欺?」


・・・なんて思っている人もいるかも。クライアントにとってはデザイナーならわかる常識がわからないこともあるんです。

私の経験(発注者の目線)

まさに以前、あるWebサイト構築の依頼をコーダーさんにしたのですが、怒られてしまったことがあります。

でも実は、私も制作者として苦労した経験から、嫌なクライアントさんになりたくなくて、開始時から意識して相手方に気を遣っていました。

「無理な事は、無理って言ってくださいね」
「追加料金がかかるときは、いつでも気負わず言ってくださいね」

と修正依頼の度に、語尾に入れて伝えていたのです。
その際、相手は「分かりました」と言ってくれたので、言葉通り信じていたんですよね。

その後、修正依頼の数は5〜6回くらいでしょうか。
修正されてきたものに相違や抜けがあるなど、思った以上に増えてしまいました。
私としては、向こうから「ここから先は修正費用がかかります」と言われるか、最後まとめて修正追加費用を請求されるだろうと思っていました。(毎回毎回見積もり出すのも疲れるでしょうし…)

すると、ある日突然「いい加減にしてください!何回修正させるんですか!もうやりません」と言われてしまいました。

実は、似たことが税理士さんともあった

もう一つ、これは私が顧客側だった話です。
私は自分の確定申告を税理士さんにお願いしていました(母が以前お世話になっていた、とてもしっかりした税理士さん)

ほり「領収書はどうやって管理したらよいですか?
税理士さん「レターパックでこちらに、数か月に一度送ってくれたらよいですよ

とのことだったので、言われた通りに送っていたんです。

しかし2年ほど経過し、先日いろいろと世間話をしていたら、その中で…

税理士さん「お客さんにも様々な方がいまして。ほりさんのお母様は、領収書を綺麗にまとめてファイルに貼って提出してくれていたのですが、そういう方ばかりではないので今の確定申告の時期が大変なんですよね・・・
ほり「(え?その方法が正解だったの?)そ、そうなんですか・・・私やってないですね!すみません」

どうやら私は本来の領収書のまとめ方を知らずに、税理士さんに手間をかけていたようです。なんと2年間もの間。
確かに、毎回送る時「こんな感じでいいのだろうか?」と不安になりながら送っていました。
でも、そこまでかしこまった関係でもないですし、よく世間話もしていた事もあり「まあ、もし何か間違いがあれば、きっとすぐに言ってくれるだろう」と軽く考えていたのです。

クライアントに、発注のやり方を教えてあげるのもデザイナーの仕事

これらの私の経験から、皆さんに言いたいことは、
クライアントは基本的に無知。

デザイン発注し慣れている広告代理店の担当さんや大手企業の販促さんならまだしも、フリーランスになって出会う中小企業さんや一人社長さんは、発注の仕方を何も知らない事も多いです。
こちらにとっては常識な、料金やスケジュール感なんかも教えてあげないと分からないし、こうしてほしいと言わないと伝わりません。

きっと、悪気なくこんな風に思っているクライアントも多いでしょう。
「デザイン修正って、向こうから言われるまでずっと無料なんだろうな」
「デザインデータを貰って、後で別のデザイナーに依頼しようっと」

=「もちろん、全部込でこの見積を出してくれてるんだろうな」
=「皆そうしてるんでしょ?自分だけがもし非常識外なら、伝えてくれるよね」


もちろん時間・気持ちに余裕があれば、向こうから「これで合ってる?」と聞いたり提案してくれるクライアントもいるでしょう。
でも、皆さん忙しいです。更に言ったら損をする可能性がある場合、わざわざ言いません。こちらから言わなきゃなんです。

「いや、でも…前”追加料金がかかります"と言ったら、機嫌が悪くなったり渋られたから、言いたくないんだよな…」という制作側の気持ちも分かります。
そう、言いづらいですよね。
でもそれなら、先に伝えておけばOK!!

具体的にどう伝える?3つのポイント

1.誤解されがちなことは制作前(ヒアリング時など)に伝える

最低限、以下を文書・契約書に書き、事前に共有しておくようにしましょう

・「〇月〇日初稿、〇月〇日納品」※期間のデッドラインを決める
・「修正の返事は、〇日以内にお願いします」※来なければせっつく
・「無料の修正回数は〇回まで。以降は有償です」
・「納品データ形式はjpgかpng。改変可能デザインデータは別途料金です

納得の上で発注してもらう事はトラブル防止になるので、先に言いづらいことは全部伝えておきましょう。
後になって「見てなかった」とならないよう、目立つようにマーカーを引いておく、口頭でも確認するなどするとより良いですね。

特に、最後の改変可能なデザインデータを無料でもらえると思っている人もいるので、別途料金だということは明確に伝えておきましょう!

理由として、基本的にデザインデータはデザイナーに著作権があります。勝手に修正・使いまわされたら、デザイナーの仕事がなくなったり、2回め以降の修正を安いデザイナーに回されてしまう事もあります。
デザインの精度が下がったり、違うデザイナーに商用でない素材を使われて問題になっても、制作したデザイナーは責任をとれません。
※もし改変可能なデザインデータも希望された場合は、データ買い取り料金を載せた見積を出せばOK

2.クライアントにしてほしい事を具体的に伝える
・返信の度に「私はこうするので、あなたは◯日までにこうしてください
と、クライアントがすべきタスクを伝えましょう。
例:「初稿ができました。3日以内にご確認・ご返信お願いします」

クライアントは例え誠実で良い人であっても、何をしていいのか分からず動けなかったり、何も言ってこないなら自分のペースでいいやとなあなあになってしまったりします。

大体こういう場合、他人事として遠くから見てる感覚なので、終盤にとんでもない修正が来たりといい事がありません。仕事をスムーズにしたいなら、クライアントを一緒に参加させて、スケジュール通りにせっついてなんぼ。

チームの一員として自分も現在進行形で参加しているんだ、という意識を持ってもらいましょう。

3.無理して受けず、「できること」を伝える

・スケジュールが無理なら「それだと難しいですが、◯日までなら可能です」

・予算が無理なら「予算◯円なら10pのWebサイトは作れませんが、LPとバナーなら作れます」

 【結論】怒るなら、相手にしてほしい事を伝えてから

オンラインでテキストだけなら特にそうですが、相手は言葉で言わないと分かってくれないし、こちらもつい勘ぐって1人で勘違いしてしまいがち。

もし、伝えても尊重してくれないなど、改善の兆しが見えない場合はもちろん怒っていいし、プロジェクトを中断してもいいんです。

でももしかしたら「雑に扱われている」というのはあなたの勘違いかもしれないんですよね。クライアントも自覚なく「そういうものだろう」と思っていることもあります。
「こうしてくれたら嬉しいです!」と伝えたら、デザイナーにやりやすいように動いてくれる人も結構います。

あなたに、発注の仕方やデザイン制作の常識を学んだクライアントさんは、次の発注の時デザイナーさんに自信をもって発注できるようになり、
良いクライアントさんが1人生まれることで、ハッピーなデザイナーも増えます。最高ですね。

さいごに/余談・税理士さんの話

税理士さんに二度と迷惑はかけられない!と思い、私は後日、恥を忍んで質問しました。
「領収書はノートにどんな風に貼るといいですか?」
「きっちり日付順がいいですか?」
「前から順ですか?」「後から足していいですか?」

など、質問をしまくったところ、
税理士さんは驚きながらも教えてくれました。どうやら私が毎回まとめてこないので、まとめるのが苦手だと思いこんでいたらしいのです。やはりこれも「言わずに思い込んでストレスを貯めている」同じパターンですよね。

同じ税理士さんに依頼していた母が、領収書のまとめ方を知っているという事だったので「どうして知ってたの?」と聞いたところ
その税理士さんの前任の税理士さんがいて、領収書のまとめ方を教えてくれたの

とのこと。むしろ教えて欲しい!教えてくれたら全然やったのにー!
と思いつつ、綺麗にまとめることができ、なんだかすっきりしたのでした。


※反応、記事コメントやツイート等でいつも見てます!ご感想よかったらお聞きできると嬉しいです✨


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