見出し画像

Webデザイナーのトレンドと需要【前編】


Webデザイナーやグラフィックデザイナーになるためのスクールをお探しのみなさん、こんにちは。
私、ほりはノマドしつつクリエイティブディレクターをしています。

デザインスクール(デザイントースト)を運営しているんですが、
説明会に来てくれる人に結構な確率で「Webデザイナーになりたいんです!」と、言う人に会うことがあります。

もちろん全然悪いことではないんだけど、2つだけ伝えたい事が。

【第一に、デザイナーは安定した国家資格でもなんでもない】

画像3

今時代の傾向として、デザイナーは媒体別ではなくて、デザインに対するアプローチ別での分別が主になってきている感じがします。

アプローチ別の例はこういう感じ。
・「使いやすいUIができる、モノづくり系デザイナー」
・「目を惹くビジュアル得意な、ブランディングデザイナー」等

で、それを踏まえて「Web」という媒体について言うと
「Webデザイナー」になったから安定、ではない
Web媒体の専門家なんて、今は高需要でも珍しくもない(Webできます!より、使いやすいWeb作れます!という人のが、圧倒的に需要ある)

【第二に、あなたがなりたいのは、デザイナーか?Web実装者か?】

画像3

「Webサイトのデザイン・コーディングスキル」=「デザイナーの必須スキル」として独り歩きしているけど(主にSNS界隈で)、会社や現場は結構違います。

おそらく「デザイン」という言葉が誤解を生んでいる気がします。
デザインって「デザイン制作作業」のことではありません。これをこの記事を通して説明します。

例えば、あなたが、電動ドリルの使い方を身に着けたとします。
「IKEAの家具が作れた!」
それだけで、プロのインテリアデザイナーになれると思いますか?

イスのデザインをオーダーメイドしたいお客さんと会話ができない。
作り方説明書のないイスを作ったことがないから、ゼロからのどう納品まで行うのか(誰と提携しておいて、どのタイミングでミーティングするか等)プロセスをイメージすらできない。

そもそもオリジナルのデザインって、どうやって考えるの…?

と、おそらくなるでしょう。
それは「クライアントワーク」というベースの力が、すっぽり抜けているから。

---

そんなわけで、ちょっと今日は、
【前編】Webスクールを出た後、どうなるの?
【後編】今の傾向と、本当に求められてる人材って?


という話を、実際に今現役でクライアントワーク受託をしているほりの肌感で、超個人的にお話したいと思います~。

現状のWebスクールを出ても、デザイナーにはなれない人は多い

デザイナーにならないなら、何になっているのか?
話を聞いている感じ、
Web実装オペレーター多め、または、UI系のエンジニアよりのデザイナー。

全部がそうじゃないと思うし、割合は分かりませんよー!

でも、話を聞く限り、決して一部の人&スクールではないんだなと感じます。メンター周囲でも、受講生でも、知り合いのデザイナー・コーダーでも割と聞く話です。

私も以前はスクールというものに対し、受講生側として思うことは多かったので。
よければこちらの記事もどうぞ。

まず、今現状大手を含むスクールの多くが「Webデザイナー育成コース」にも関わらず、Webデザインを学べないです。

これは、Webスクールに通って数年経過した方や、カウンセリング体験にこられる方々が、
皆さん口をそろえて「デザインができなかった」と言うので。

ん? なんで?

誤解なきように言うと「コーディングは役に立った」「転職成功した」という方もいました。
でも、皆行ったのは「Webデザイナー育成コース」なんだが。

どういうこと?

もしかして、このスクールを監修した人が
デザイナーという職業自体、理解・経験していない可能性、
全然あるね・・・??

だって、カリキュラムに、デザイナーに必須の学習が全然入ってない。

これでデザイナーになったんじゃ、デザイナーになったらめちゃくちゃ困るでしょ!!
と聞けば聞く程、素直に感じました。

ソフトの使い方だけ教えて、まともにフォローしていなかったり。
そもそも、どういう依頼が来るのかも分からないまま「はい、これを作ってください」だったり。

皆さん、デザインについては自信がない、という方が多い印象です。
そりゃそうですよね。
全体像も見えずに受けたらトラブルになるのは当たり前です。これで場所によっては、卒業後いきなり「フリーランスになろう」と言っている…。

※ちなみに、よくコーディングできるべきか論争に巻き込まれるのですが、そもそもそんな話はするつもりはなく、「デザインとはなにか」という本質的な話をしており、小手先のスキルの話をしていません(この意味が分からない方は先を読まないでね!)

で、Webスクールはアリかナシか、ですが、
デザイナーになりたい人が「やりたかった"デザイン"ができるようになったか」の合否判定で行くならば、これはアウトー!ですよね。もちろん。

1.デザイン力が中途半端なまま"就職"した結果

画像4

スクールの内容が目的に沿わなかった、とはいえ
「未経験だけどデザイナーとして就職できたんです」という声も!

「でも、コーディングだけで、デザインを任されないから転職したい」

・・・うーむ。
(実際にうちに来てくれた方の実話)

聞いてみると、オリジナルでデザインほぼ作ってないけど、なんとか採用で運よく潜りこめた。採用されたらデザイン頑張るぞ!と思ったそうです。

でも、
・デザイン仕事はあるのに任されない(先輩がやっちゃう)
そもそもコーディング仕事しか期待されていない
・デザインできる先輩がいなくて、良い悪いを評価できる人がいない
などの環境が多いよう。

愚痴りたくなる気持ちも分かります。
だって、企業もまた「君にデザイン任せるつもりは全っ然ないけど、採用!」と、正直に伝えていないから。

画像5

ではここで、デザイナーを募集した採用者の目線になってみましょう。
【状況】最近、事務スタッフとデザイナー両方がやめてしまった。特に、前いたデザイナーの案件を引き継いでくれる人が今すぐほしい。


◆【例1】応募者
Aさん「デザイン未経験ですがやりたいです!」
◆【例2】応募者Bさん「デザイン未経験ですがやりたいです!事務経験あります

どちらもデザイナーとして即戦力にならないのなら、採用するメリットがないため、不採用。ですが、後者は
「デザインは正直微妙だけど、事務なら即戦力になるし、月給の元は取れそうだ…デザイン仕事もたまにはあるからまずは実力見てから決めるか。デザイナーという肩書で、事務の仕事をメインでやってもらえば文句もないだろう」
となるかもしれません。

あと一番大事な本音はここかも。
「デザイン採用したいのはやまやまだけど、頑張りますっていうなら、面接までにとっくに頑張ってるはずなんだよなあ…

採用者から見たら「デザインレベルが低い=本気度が低い」です。
 "ポートフォリオのデザイン作品のレベルが低ければ、低いなりの仕事しか期待されない" は当たり前。

逆に、がっつり本気度120%のポートフォリオ見せられたらどうでしょう?
「えっすごいね…(ドン引き)でもうちはメインでデザイン仕事を任せられるほどではなくて…別の会社の方がいいんじゃない?(オロオロ)」となると思います。

デザインは実力・作品が全て。
そして「デザインの上手さ=努力」ですから。

都合のいいことを言う人手不足の会社を振り落とすためには、こちらも実力をつけてハイレベルの作品を面接に持っていくのが最善策です。
すごい作品を持って行って、ドン引きさせてやりましょう!

2.デザイン力が中途半端なまま"独立"した結果

画像6

結論から言って、就職もしないでフリーランスは正直おすすめしません。
そもそも、デザインのクオリティが6ヵ月分でフリーランス(先輩もいない状態で一人で納品できるレベルになるのか?)というところです。

【以下は個人的な印象】
・「未経験から6ヵ月のスクールを出た」人のデザイン
・「元々デザインが好きで独学でやってきた」人のデザイン
これらは、あまりデザインのクオリティに差が出ないです。

6ヵ月どうもがいても、劇的にプロになれる!なんてことはない。
卒業時は作品自体も「順調に勉強進んでいますね」と感じるのですが、まだ勉強中の域を抜けられていない。先輩がいないと完成させられないです。
これならテンプレでも(むしろテンプレの方が)いいかな?という感じがすると思う。でも自分でどうしたら良くなるか分からない。

6ヵ月って、学べることは多くないです。その割に多くの受講生は
「6ヵ月でなんとかしたい」
「就職したい」
「デザインもコーディングもWordpressも全部できるようになりたい」


と言う人も多いけど、これは難しいと思う。
デザインだけ半年やってもプロにはなれないです。コーディングだけ半年やっても無理だと思います。奥が深いし、トラブル対応とか大変だよ。

【デザインをとるか、別のスキルをとるか】
スキル数が多ければいいってものではなくて、つまみ食いしても、継続したり、アウトプットしないとすぐ忘れちゃうし、意味がないんです。
その時はやったぞ!頑張ったぞ!と思っても、その後身にならないし、残らない。色々やっても忘れます。

なので、デザインが好きかコーディングが好きか、それとも別のスキルなのか、もし迫られているなら、最初は一つをまず取りましょう!
二兎を追う者は一兎をも得ずです。取捨選択しないといけません。

デザイナーという職業の特殊性の話

画像7

ここでちょっと、デザインのお仕事について触れたいと思います。

デザインの仕事って正解がありません。

全ての仕事って、お金を貰っているビジネスである以上、
「目的達成をすること」がミッションです。

Webサイトの制作での目的においていえば、
●エンジニア … 実装して問題なくサイトが動くことがミッション。
●デザイナー … クライアントによって正解が全く違う。というか正解がない

正解がないので何するか?というと
「説得力ある仮説をたて、デザイン制作物を提案する」
です。

じゃあ、デザイナーがやる仕事って、何ですか?

画像7

●1・クライアントとのコミュニケーション
●2・情報整理、デザインの制作

目的を理解したり、考え、リサーチする等の重さが、制作より圧倒的に多い。
(1・クライアントとのコミュニケーションの部分)

分かりづらいかもしれないので例を上げましょう。
Q.突然、目の前に現れたスーツ姿のクライアント「弊社Webサイトを、ユーザーに資料請求させたい。リニューアルデザインしてくれ!」と言われました。

あなたなら、まずどういう行動をしますか?
まず制作しますか?

まず、そもそもわからない部分が多いですよね。

・ところで、なにやってる人ですか?商材は?・ユーザーってどんな人?
・今のサイトは、申し込みは低いんですか?何割?

とか色々聞いて、
現状のWebサイト実際に見て、
改善点を洗い出して、
競合はどうしてるとか研究して、

やっと前よりいいWebサイトが作れますよね。

目的を達成できなかったら、相手のお金が無駄になるし、
見た目がキレイなだけでデザイン提出しても

「ふざけとんのか!!どう理解したんじゃお前は!!金払ってんだぞ!」

と言われないまでも、心の中で思われます。笑

もちろん、相手を理解した上で「キレイにすること」を改善・達成の解決策として選んだ、は大正解です!!!
(そういう解決策が得意な人は、キレイを求めるお客さんをメイン顧客とするのもアリ)
ただ、相手を理解するフェーズをすっ飛ばし、ただ見た目キレイにするだけがダメということ。

「相手が喜ぶデザイン制作をするためには、まず、相手を理解する」
これが、デザイナーには、大前提なんです。

これは「デザイナーって難しいんだぞ!」と言いたいわけじゃありません。
「コミュ力ない人はできない」と言いたいわけでもないです。

「人に喜んでもらいたい」と思う気持ちがあれば、
誰でもデザイナーに、全っ然なれます!!!!


だからこそ、できた時、めっちゃくちゃ感謝されるし、
デザインで結果が出れば自分も本当に嬉しいし、
なんとなく作ったではないからこそ、クライアントさんとともに「やったね!!!」と、本当にすごく大きな喜びになるんです。

デザインって本当にいい仕事なんですよおおおお…!!!!
でも、これを教えてくれるスクールって本当にないよね!!!

だから、
フリーランスデビューしてもオンラインで最低価格でデザインを売って
「すごく安く買いたたかれて、修正が多い」
「クライアントからリピートされない」
みたいなことが本当に多いんだと思います。デザイン以前のスキルとかマインドの教育がすっぽり抜けてるから…。

今、本当に人をハッピーにするデザインが求められている
んです。そしてそれが評価になって返ってきます。

次回記事では、
そんなデザイナーになるには、どうしたらいいの?
ということと、
現在のデザイナーのトレンドも次回でちょっと解説しますね!

後編はこちら↓



いいなと思ったら応援しよう!