桜さくらsakura
そろそろ桜のシーズンも終わりを迎えようとしている。八重桜はまだ大丈夫のようだが。
桜といえば、日本人のDNAに組み込まれているんじゃないか?と思うほど、みな桜の季節になるといそいそとお花見しに出かける。花を愛でたり、撮影したり、酒宴を催したりと。いや、最後のはただお酒が飲みたいだけだと思うが。
この桜、染井吉野に限っていえば、DNAはみな一緒のクローンというのにも驚く。わりかし最近まで知らなかった。自分が知らないことは本当に多い。
桜は生長が早くすぐに大木になる。その代りに老木になるのも早い。太い幹に穴が開き、うろができているのを見かけることがある。
ご近所の門柱のごとくそびえている桜の木には大きなうろができていて、それでも毎年綺麗な花を咲かせてくれて、通りすがりの人たちを和ませてくれている。あと何年この姿を見させてくれるのだろう…。
S製作所という会社が近場にある。ここには社員の福利厚生施設として大きなグランドと体育館があった。「あった」と過去形なのはもうないからだ。今はSホームセンターになっている。
かつてこのグランドには幹線道路沿いに桜が植えられており、季節になると歩道を歩くのが楽しかった。花吹雪を浴びながら歩くのも風情があるな~なんて。
ある日、唐突に桜は無残にも切り取られ、跡形もなくなっていた。ショックだったことを覚えている。まだ、寿命はあったはずなのに…。
仕方がないのだが、こういうことがあるとやはり哀しい。
もし、桜に感情があるのならどう思っていたのだろう?などと想像してみたりする。
花期の短い桜の少し寂しいお話。
「命短し恋せよ乙女」ふと浮かんだ一節。
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