火・水曜日連載『あらたま流きもの雑記』 4月14日 襦袢はお持ちですか?って口説かれたいの
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
『あらたま流きもの雑記』とは――
火曜日と水曜日の連載で、きもの文化検定2級ホルダーのあらたまが普段着きもの生活についてアーデモナイコーデモナイと書き散らかします。
水曜日は普段きもの一式の紹介と解説と、きもの生活tipsやお寄せいただいた質問への回答をお届け。
・いわゆる『映え』なきものの御提案は無いと思います。
・きものを着た可愛いポージングの女性は出てきません。
・きもので行くべき映えスポット!の御提案もありません。
きものを普段着にしているといっても、洋服を着る日だってありますし、和の習い事経験は皆無です。
大雑把な性格で、かなり雑な暮らしぶりのオバチャンのきもの生活の一端をお見せすることで、きもの生活のハードルが多少低くなり、きものを始めたい方の勇気に繋がることを願っております。
下拵えの時間ってのは、いついかなるジャンルにおいても大切にしています。実は今日が定休日でよかったー、と思えるのも下拵えのお陰。気圧の変化もあって持病の咳が少し出てしまいまして、午前中は布団に包まっておりました。
このnoteも、のそっと起きだした午後からちょびちょびと書き進めて、なんとか形にできました。さんきゅぅうう、昨日までの私(´;ω;`)ウゥゥ
さてさて、今日はその『下拵え』がきものにも通じるというお話を小話にしてみました。
着付けの練習では最初に必要な道具をそろえることが『下拵え』と思われがちですが、それは下拵えの前の『準備』……きものを理想通りの姿に着るための『下拵え』、それは襦袢にきっちり向き合うことだったりします。
本日ご紹介の一式
まん延防止ナンヤラーが決まり、一説によると「第四波って言っちゃえよモウ」という声も上がっているとか、なんだかもうどうなってんの?て感じなんですけども(それでも万国大運動会はやるってんでしょ?ほんとかしらね)、それを見越して我が家では五月の連休を『如何におうちではっちゃけるか?』とアレコレ画策しております。
ご当地メニューのお取り寄せとかしてね、この時期にお出かけ用に着てるきものを着てみたりして、飲み食いしてる写真撮ったら背景を合成して「うそつき観光ガイドブック」みたいな一冊に仕立てるとか……もちろん禁帯出ですよ。
さて、その時に着る一式をちょっと妄想してみました。
胴抜き紬、リアルウサギ半幅
胴抜きっていうのは仕立て方の一種です。
袷(総裏地付きの仕立て方)と単衣(裏地なしの仕立て方)の中間で、袖口や腰から下は裏地が付いているのでパッと見は袷を着ているように見えます。
その実、背中は裏地なしなので蒸れやすい帯周りが涼しい仕様であり、春の終わりから初夏にかけて暑がりな私にとっては大変に有難い御仕立方法なんですね。
胴抜きのきもの、今では仕立て直しも含めて数を増やしました。一枚しかなかった時は快適さに溺れ、一枚きりの胴抜きばっかり着てヨレヨレに着倒しましてね。洗いに出したときに「どんな着方しました?」て怪しがられたもんですエエ(遠い目)。
一列にお行儀よくしてる黒猫ちゃんはブレスレットです。
引っかかりも少なくて、袖口への当たりも優しく、和洋装どちらにもイイ感じでかわいさをプラスできそう。
※Instagram枠の右側の矢印を押すと、写真が切り替わります。
こちら、アールスフェボリットさんの作品です。
イチゴ、メロン、ショートケーキ……猫以外にもカワイ子ちゃんがたくさんです。ご興味お有りの方、ぜひぜひ♪
正攻法のきものを理想通り着たいなら、まずは襦袢
火曜日に書いている小話にも通じるのですが、正攻法できものを着るにあたり、理想の着姿を左右するのは襦袢の着方です。
着姿の印象を支配するのは衿の形と衣紋の抜き加減ですし、そこをビシッと決めるのは襦袢の役目。長着、帯と布を重ねるに従って襦袢は徐々に着崩れていきますが、その崩れを最小限に抑えながら、帯締めをキュッと結んで「ひとまずの安心感」と手にするために、合理的な所作と手順があります。
より美しく、理想的な着姿のための所作と手順――ピンと来た方もいらっしゃいますよね?そう、そういうのを教えてくれるのが着付け教室であります。
※この『合理的な所作と手順』をコーチするのに、豪華な礼装一式ショッピングしないといけないシステムがもれなくついてくるとか、ややこしい問題が発生したりもしてるのですがそれはまた別の機会に
あくまでも、これは私の理想なのですが。できれば呉服屋さんには初心者さんや着付けにお悩みを抱える御客様に、襦袢クリニックみたいな企画を月に一度くらい開催して欲しいと思ってます。
そして、二部式と長襦袢の着姿の違いとか、着付け教室でも「今更質問するの、憚られる……」みたいなことを、仕立てるサイドの視点から教えてあげて欲しいです。
二部式のメリットは多少のサイズ違いでも着易いこと。デメリットは衿が行方不明になりやすく、日常の動作で着崩れたものを直すには着るときからちょっとしたコツが必要なこと。
長襦袢型だと、衿を決めるのは胸にかけた紐から下の生地なので、上手く着れば着崩れて衿が行方不明になることは無いし、トイレ行った後の『お直し』もしやすいです。
が!極力体形にあったサイズの長襦袢でないと、学生服の詰襟みたいに衿が詰まったり、反対にカクテルドレスも斯くやというほど衿が開いたりすることがあります。
※余談ですけども。花魁風といいながら衣紋をガバッと抜いて衿を肩口まで開ける着付けが流行ったことありましたけど、花魁の着付けは真逆で、ほとんどお肌見えません。
私がきもの始めた頃、迂闊にもホイホイ招き入れられてしまった呉服屋さんは、ポリの長襦袢が『F』って書いてあるのしかおいてなくて( ゚Д゚)。知らなかったとはいえ、それを買って練習し始めたら、着難くくて大変な思いをしました。
※このお店、販売方法そのものにも問題があったようで、程なくして潰れました。
上の花魁の写真並みに衿を詰めてもまだ袖が余ってしまうので、着姿は変だし苦しいし……花魁みたいに他装(誰かに着付けてもらう)だったら、なんとかなったんだろうか???
量産品長襦袢のサイズ展開はブラジャー並みのきめ細かさが理想だけども、需要と供給のバランスからして現状は無理なのかなとも薄々思っています。思ってるんだけども……。
婦人ものの長着はおはしょりでカバーできるけど、襦袢はそうはいかんのです。対丈で着るから。
ファストファッションに親しんだ若い方から自分の時間やお金に余裕が生まれ始めた熟年層まで、販売層をじわじわ広げて和服需要を高めたい!と頑張ってるプロの業界人の方もいらっしゃるし、そういった方々が日々アイデアを練り模索してるのも知ってるんです。
なので私の理想論なんて鼻で笑われるんだろうなというのもわかってる……わかってんだけど、敢えて、経験したことも含めて書いてます。
そういう観点から、です。
私の理想の普段着上手な呉服屋さんというのは、こんな感じ!
御新規さんに御仕立をお薦めする際は全身の寸法を好みの着姿を伺いながら測って、まずは長襦袢を仕立てましょうと言ってくれる。できれば、おうちで洗濯できる素材で。
一番最初の長着は吊るしポリ小紋を羽織らせてくれて、お直し必要ならばお直ししてくれる。長襦袢も小紋もおうちである程度楽にメンテナンスができて「めんどくさい」のハードルを下げてくれる配慮もしてくれて、今後の購入にも繋がるような価格帯の提案をしてくれる。
礼装一式で財布の中身すっからかんにしといて、長襦袢はポリのワンサイズで適当にとか、一番あり得ないパターンです。
お客様に高額ローンを組ませることが営業成績の全てであり、和装業界を盛り立てることに繋がる、なんて幻想はとっくの昔に崩壊している……ハズなんですが、むむむ。
最後に、ちょっとオマケリンクです。
ポリの仕立て上がり長襦袢なんですが、サイズ展開が細かめです!Sサイズがあるってのが泣けます(´;ω;`)ウゥゥ
いかがでしたか
先週ちょっと触れましたけれども、襦袢のお話を書きました。
またまた荒ぶってしまい大長編になったので、できるだけコンパクトにしたつもりなのですが……。
あ、いけませんね。ここでまた長くなると大変です。
また来週(@^^)/~~~
※明日はチョイ怖『同人誌の夜』だよー。
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それでは。
最後までお読みいただいて、感謝感激アメアラレ♪
また明日ね、バイバイ~(ΦωΦ)ノシシ