今回も手仕事!兵児帯を作ってみたよ【火曜日連載:2022年6月14日版】
初めましての方、ようこそいらっしゃいました。
二度目以上お運びの方、本日もありがとうございます。
こんにちは、あらたまです。
見えない大きな掌の上で怪しい踊りを踊らされていたような昨日とはうって変わり、今日は中身の濃い、活動的な一日でした。
塩漬け案件だった『帯を作ろう!』企画のひとつに取り組めたのがハイライト!ここ最近の手縫いの練習が活きて、運針も軽やかに縫い上げることができました。
本日の小話コーナーでは、その帯を作るお話を書いてみますね。
続々と列島各地が梅雨入りして、夏が待ち遠しい方も居られると思います。そんな気持ちをちょっと後押しして差し上げられるかなあ……お付き合いの程、よろしくお願いいたします。
それでは、本日も始めて参りましょう。
いつもの拙著プチ宣伝のあとに、目次が続きますよ(^▽^)/
カメラ担いで連載用取材した日の一式
まあまあの荷物を背負って、取材へ。
元気に長距離歩きたい日は地下足袋が重宝します。
この日の取材風景については先日『お出かけレポート』にしましたので、よろしければお読みになってみてくださいね(^_-)-☆
この日のテーマは「こざっぱり!」の一言に尽きます。
私が取材の主役じゃないのだ……と、内外に印象付けるためでもあります。
だからというわけでもありませんが、半衿を白を基調とした手拭いにしましたら、少々こざっぱりし過ぎたかも💦
手拭いの長さが足らず、出具合を細目にしたのも原因でしょう。
一般的な手拭いは長さが約90cm(3尺)とのことですが、最近ではハンカチ代わりに使いやすいミニサイズの手拭いなどもありますから、半衿として使うなら長さはきちんと確認するのがおすすめです。着方、衿のかたちの好みにも左右されるので一概に言えませんが、長めに衿を覆えるものの方が何かと安心です。
斜め掛けに鞄をかけたり、カメラを首から下げたり、なにかと荷物をぶら下げる日は帯周りもシンプルにしています。
帯留めでオシャレしたい!な時もありますけども、荷物にぶつけて壊したりするのがちょっと怖いですし、紐同士が干渉して繊細な帯締めを傷つけるのも悲しいので。
ガサツなオバチャンの、せめてもの自衛策です(;^ω^)
兵児帯が便利な季節になりました~浴衣にサッと着替えてみよう~
襦袢用の反物、可愛いんだけど、流石に可愛すぎるかなあ……と躊躇していたら、こんな御提案をしていただいたのです。
「これね、幅はそのまま、長さを好きな長さに測って切るだけでいいの。そしたら兵児帯になるわよ」
いい事聞いたー(∩´∀`)∩
というわけで、中々売れずに倉庫に眠っていたという襦袢用の反物をニコニコでお迎えしました――というのが、かれこれ四年前のお話です。
自分で兵児帯を仕立ててみよう!計画は、おうちの用事や疫病禍でゆかたでのお出かけが望み薄になるのと同時に、秘伝の梅干しよろしく塩漬けになっていました。
しかし、今年は!
ちょいとビアガーデンに一杯やりにいっちゃう?……とか、ナントカ。
声を掛け合ってみようかなという気分が盛り上がっていたりして。
そんなわけで、寝かせに寝かせた反物を引っ張り出して、手縫い仕事をやってみましたよ。
まずは反物の準備
レトロな一式がお好きな方向けに仕入れたと仰っていた、長襦袢用の反物がコチラ。当てが外れたと仰るのは無理もない……とにかくハッチャケてますよね、全体が。
これを帯にするというのもビックリなんですが、これが意外といけちゃうのです。浴衣の上に乗っけると、夏向けのカッコいい背中が現れるハズ。
裁断と手縫い
幅は37.5cmをそのまま使って、380cmを切り出しました。
私は背が低いのでこれでも十二分に長めです。ボリュームある結び方もチャレンジできます。
一応、切りっぱなしは怖かったので、端っこは三つ折りで処理しました。
まつり縫いとなみ縫い、どっちにしようか迷いましたが、ステッチがアクセントになって可愛いかもと思ったのでなみ縫いを選択。糸は染め色にトーンが合っていたので、くすんだ黄緑色っぽい色にしましたよ。
で……これで、完成です!
卓上ファッションショー
できあがった兵児帯を、さっそく手持ちの浴衣に合わせてみました。
兵児帯の結び方ってのを全く研究してないので「だいたいこんな感じかなあ」と、金魚の尻尾をイメージした置き結びを拵えました。この結び方を自分の胴体で再現できるかは定かではありません💦
オーソドックスな藍の浴衣
派手に見えて、和の色のトーンを押さえているから、昔ながらの浴衣にもしっくり馴染みます。
ボリューム感ある結び方でも、角だしッぽい雰囲気の形に寄せると、落ち着いて見えますね。
遊び心120%の麻の浴衣
年齢など関係ない、ガツガツ遊ぶぞ!みたいな時に着たい一式が登場しました。
うん……イケるなあ。着こなしちゃうなあ、私。←💧
お抹茶色と言ってもいいくらいの、甘さと渋さが共存しているグリーンの部分を多めに出すほうが、生成りの浴衣との相性が良いかもしれませんね。そうすると甘さ大爆発の、ひだをたくさん作ったリボン結びでも、スッと落ち着いて見えるかな。
今度、試してみますね。
兵児帯を「一枚仕立てのファブリック帯」と捉えると、浴衣の季節以外でも、半幅帯感覚で普段着にじゃんじゃか使えます。
最近は兵児帯の結び方も様々提案されているので、ちょうちょ結びはちょっと幼稚な感じが……と躊躇されてる方も、工夫次第でカジュアルにもエレガントにも装えると思います。
帯芯が入ってないから締め心地が軽いので、カジュアルな普段着きものをどんどん着て、きものの生活に慣れてみたいとお考えの方は一本あると重宝じゃないかしら。
たとえば、なんですけども。
今から浴衣向けで、巾33cm長さ380cmの兵児帯をお洋服生地で自作するなら……110cm巾の1m30cm用意すると作れるかな?
33cm巾に切り出したのを長く繋いで、端っこを三つ折り処理するだけで出来上がりです。
腕に自信ありな方はぜひぜひ、お好きな生地で作って、楽しんでみてくださいね。
いかがでしたか
ちょっとしたパーティーとは無縁な私は、大概、半幅帯スタイルでカジュアルに纏めてますが、兵児帯は実は今回の手作りしたのが初めての一本です。
兵児帯って、お子さんの浴衣の帯とか、磯野波平さん(サザエさん一家のお父さん)のイメージが強くて、今一歩踏み出せなかった領域なのです。いざ手元にお迎えして、結んでみると、イメージって簡単に崩れますね(;^ω^)
この夏はふんわり軽やかな兵児帯で、元気いっぱいお散歩したいと思います。
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