オウンドメディアは"どこに"展開するべきか
▼この記事は、こんな人にオススメです。
- ブランドのサイト、あるいはオウンドメディアをこれから立ち上げる方
- サイトの見直しを検討している人
こんにちは、Pomalog編集部の杉田です☻
今回からは、いよいよオウンドメディア"設計"の部分に関して、お話していきたいと思います。
今どき、どこのファッションブランドもおそらく自社のHPを持っていることかと思います。そこのどの部分にオウンドメディア(以下、コンテンツ)を展開するべきなのでしょうか?まずは、ブランドサイト”設計”の部分においての基本的なことから学んでいきましょう!
サイトは大きく2つに分けられる
ファッションブランドのサイトは大きく分けると、(サイトとしては統合しているところもありますが、)ブランドサイトとECサイトの2つに分けることができます。
ブランドのコンセプトや歴史、新作のコレクション等の情報を発信することにより、ブランディングを行うことを目的としている場所がブランドサイトです。ちなみに、場所とはWEBサイトの中の設置箇所を指しています。
一方で、EC(Electronic Commerce)サイトとは、オンラインショッピングのための場所、つまり営業・販売を行う場所を指しています。
オンラインショッピングを行っていない、またはオンラインショッピングは行っているが自社のECサイトを持っていないファッションブランドを除けば、ファッションブランドのサイトとは大体、ブランドサイト、ECサイトの2つから成り立っているのです。
コンテンツを展開する場所は2種類
先ほどお話したように、ブランドのサイトはブランドサイトとECサイトの2つから成り立っています。しかし、両者は常に個々に存在しているかといえば、そうではありません。両者を分けることもあるし、統合していることもあるのです。また、ブランドサイト、ECサイトとコンテンツすべて同じところに存在しているサイトもあります。
では、コンテンツはどこに置くべきなのでしょうか。
コンテンツを展開する場所として、2種類考えることができます。
①独立メディア型
②EC・ブランドサイト統合型
どちらの場所でコンテンツを展開するのが最適なのでしょうか。
答えは、"コンテンツを展開する場所に正解はありません"。
両者の特徴とブランド事例、そしてメリット・デメリットを紹介していくので、これからコンテンツを展開する企業はぜひ参考にしてみてください!
①独立メディア型
独立メディア型とは、WEBコンテンツがブランドサイトやECサイトから独立して存在していることを指しています。
少し技術的な話になりますが、独立して存在しているとは、"異なるドメインを使用している"ということです。
ドメインとは、いわゆるインターネット上の住所のようなもので、同じものは存在しません。つまり独立メディア型では、WEBコンテンツは、ブランドサイトやECサイトと異なる住所にあります。
よく目にすることがある、「〜〜〜.com」や「〜〜〜.jp」がドメインであり、ドメインによって ".com" や ".jp" の前の "〜〜〜" 部分が異なります。
(例)*Pomaloがファッションブランドと想定
・大本のドメイン(ブランド・ECサイトが統合している場合を想定)
https://www.pomalo.jp/
・WEBコンテンツのドメイン
https://www.pomalo-magazine.jp/
では、わざわざ新しくドメインを取得してまで、WEBコンテンツを独立させるメリット、あるいはデメリットとは何でしょうか。メリット、デメリットの順に見ていきましょう!
1つのメディアとして特色を出せる
独立メディア型は、WEBコンテンツが独立して存在しているため、サイトの改修・リニューアルが簡単に行えることがメリットの1つとしてあげられます。
また、ブランドとしてではなく、1つのメディアとして特色を出していけるので、ユーザーは雑誌を読むような感覚で、コンテンツを見てくれるようになり、新規ユーザーや定期的に読んでくれる固定ユーザーを獲得しやすい、といえるでしょう。固定ユーザーができると再来訪率も高くなることも期待できますね。
サイト集客が難しい
何もない状態から新しくサイトを作ることになるため、サイト集客に最初は苦戦する可能生が高いのです。
コンテンツにユーザーに認知してもらうために、ECまたはブランドサイト、SNS、メルマガ等からの誘導を強化するなどの集客施策をきちんと事前に立てておくことが大切です。
▷事例
・PLSTmagazine
・LUMINE magazine
②EC・ブランドサイト統合型
EC・ブランドサイト統合型は、独立メディア型とは異なり、WEBコンテンツをドメインの要素の一つであるサブディレクトリとして展開しています。
サブディレクトリとは、大本であるドメインをカテゴリー化するために使用されるものです。つまり、WEBコンテンツは、大本となるブランドのサイト内にという"カテゴリー"として存在しているのです。
ドメインである、 ".com" や ".jp" の後ろに "~.com/〜〜〜/" のようにつきます。
(例)
・大本のドメイン(ブランド・ECサイトが統合している場合を想定)
https://www.pomalo.jp/
・WEBコンテンツ
https://www.pomalo.jp/magazine/
EC・ブランドサイト統合型は大本となる、ブランドのWEBサイトがブランドサイトとECサイトの2つに分けられているものなのか、統合されているものなのかによって、また3つに小分けすることができます。
ⅰ. ブランドサイト・ECサイトが統合しており、その中にさらにコンテンツを含めたもの(全て統合)
Ⅱ. ブランドサイト・ECサイトが分かれており、ブランドサイト側でコンテンツを展開したもの(ブランドサイト・コンテンツ➕ECサイト)
ⅲ. ブランドサイト・ECサイトが分かれており、ECサイト側でコンテンツを展開したもの(ECサイト・コンテンツ➕ブランドサイト)
では、WEBコンテンツを独立させないで、既存のサイト内で展開させることによるメリットやデメリットとは何でしょうか。独立メディア型と比べながら見ていきましょう。
コンテンツを見てもらいやすい
独立メディア型では、難しいとされていたコンテンツへのユーザーの集客はEC・ブランドサイト統合型では、比較的容易とされています。
既存のサイト内で、ナビゲーションやヘッダーに誘導が設けられるなど、導線がつくりやすいため、記事ページに誘導しやすいのが最大のメリットであるといえるでしょう。
既存顧客向けのコンテンツになりがち
反対に、独立メディア側ではメリットとされていた新規顧客の獲得が、EC・ブランドサイト統合型では難しいといえます。
既存のサイト内コンテンツになるため、新規顧客の獲得というよりは、既存顧客向けのコンテンツになることが多いです。ブランドのサイト内にあるため、新規のユーザーが記事にたどり着く可能性は低いといえるでしょう。
また、既存サイトに統合される形になるため、改修・リニューアルに時間がかかる恐れもあります。
▷事例
・THEORY(ブランド・ECサイトが統合)
・BARNYS(ブランドサイトにコンテンツを展開)
・ONWARD CLOSET (ECサイトにコンテンツを展開)
まとめ
最後に、簡単に2種類のコンテンツ展開場所についてのメリット・デメリットをまとめておこうと思います。
■独立メディア型
<メリット>
・サイトの改修・リニューアルが簡単
・1つのメディアとして、特色を出せる
・新規顧客の獲得が期待できる、固定ユーザーの再来訪率が高い
<デメリット>
・立ち上げ当初は、集客が難しい
■EC・ブランドサイト統合型
<メリット>
・コンテンツの記事ページへの集客がし易い
・サイト内の特集ページやカテゴリーの一つとしてユーザーに見せることができる
<デメリット>
・サイトの改修・リニューアルに時間がかかる恐れがある
・新規顧客が掴みにくい
今回は、サイトの"設計"についてお話しました。 前記の通り、コンテンツをサイトのどこで展開するかには正解がありません、2種類それぞれのメリット・デメリット等を押さえた上で、事例なども参考に自社に最適なコンテンツの展開場所を考えてみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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Photo: Getty Images