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【FO3】今更Fallout3を初見プレイ【感想】

*以下、Fallout4廃人による感想*

 ドラマ版で何かと話題だったFallout……の、3をプレイしました。16年前のゲームです。
 私としてはあまり覚えがないですが、2008年という時代のオープンワールドゲーとしては保守的なのか攻めてるのかイマイチよくわからないながら、日本人ゲーオタ間の評価はすこぶる高かったのを覚えてます。というのも、当時は洋ゲーが我々しょうゆ味ゲーマーには今以上に馴染みがなく、バタ臭いゲーム知ってる俺カッコイイみたいな人たちが度々2ちゃんねる(激懐)のVIPとかゲハ板にやってきて「洋ゲー最高! 自由度最高!」と声高に叫んでいた頃だったからです。
 その頃私は某韓国産ネトゲにハマっていたのですが……まあそれは置いておき。
 発売日以来、長いことプレイしているPS4版FO4と最近公開されたドラマ版ですっかりシリーズファンになったので、思い立ってFO3をプレイしたというわけです。以下感想になります。3と4およびドラマ版の核心部に触れます。ご了承ください。


1. メインストーリー

1.1. 雑感

 Vault101で生まれ、育ち、安全な故郷を追われてでも失踪した父親とその真意を探すという出発点は4と比べると断然熱いです。
 裏切られた感覚に近い孤立と、たった一つ縋れる希望の中で、目を覆いたくなるほどの荒れ地に一歩を踏み出すシチュエーションは振り返った時にすごく心動かされました。プレイ中は「あ、レベル上がった」とか「急勾配ばっかりだなこの辺」ばっかり考えてましたが、、、

 主人公は、戦前の世界も200年後の外界も知らないので、卵から孵ったばかりと言って差し支えないヤツです。でも、バットで人を殺せるし、物乞いに水を恵んであげることもできる。世間知らずでも、本当に赤ちゃんなわけじゃないことはプロローグからして自明です。
 だからこそ「核戦争から200年経過した死地ワシントン」という馴染みがない設定でも、この何も知らないが、何でもできる主人公に感情移入する余地があったから、没入感が得られたのではないかと思いました。

 全体マップのド真ん中から始まるのもいい。ひろがるキャピタル・ウェイストランドの一体どこに自分の探しものがあるのかなんて見当のつかない辺りがいい。
 出てすぐの所の学校でレイダーを一掃して、手に入れたガラクタを大事に抱えて歩いてると偶然アウトキャストの群れがそぞろ歩くモールラットを撃ち殺してて、ついでにこちらを珍獣扱いし始めたのを見て、私はこの彼我の隔たりに震えました。世界に取り残された孤独がたまらない。
 メガトンに初めて辿り着いた時は、いわゆる最初の村なのに飲み屋に娼婦がいたりヤベェ宗教が興っていたり、序盤にしては妙にハードなチュートリアル仕掛けてくる雑貨屋がいたりでこのゲームって自由なんだなと感心しました。単純に時代を感じたかも。

 でもパパとの再会は想像より早かった。4の息子の時は結構時間かかった思い出があるんだけどな……ルート次第では終わりまで一緒にいるから、後のほうに錯覚したのかも。
 しかしVR空間でしてたとは……何かに囚われているのを助けるのだろうなとは考えていたけど、冷凍睡眠装置の中で動物してたとは予想だにしませんでした。4の息子が敵になるのはなんとなくプレイ中察してたけど。
 エンクレイヴがわらわらとキャピタルに湧いてくる頃になると、パワーアーマーを始めとした資金繰りも楽で強い武器のプラズマライフルの供給も潤沢だったので、戦闘で苦労することはあまりなかったです。
 でも、フェラル・グール・リーヴァーの硬さがバグかなんかが発生しているのかと真面目に考え込むほど苦労しました。HPのバー減ってなくね? と。
 奴とは地下鉄で初遭遇しましたが、PA着込ませたカロンが数秒で死んだあたりでバグを疑いました。挙動も上半身と腕をグルングルン動かしていたので、物理演算すらイカれてるしバグだろうな……と断じてロードし直し、なんとか地雷とグレネードで倒しきった思い出。
 アボミネーションといえば、スーパーミュータント擁するケンタウロスの率直すぎるキモさに感動。初見ビビること必至だけど、足遅いなりに頑張って近づいてくる所が結構可愛かったり。

デザインよりも、動いてるところが一番キモい

 BOSの組織から出入りする頃になって、リバティ・プライムのご尊顔を拝むようになるとワクワクしましたが、全体でみると既に終盤でしたね。
 4ではインスティチュートに王手をかけ、BOSルート以外では「BOSを打倒するには如何にリバティ・プライムをハッキングするか」に焦点が当てられたりと、真っ向からでは敵わない存在として描かれていたのが記憶に新しい。
 そういえばマジソンリーって最初リベットシティに居るけど、同じ部屋にはインスティチュートらしきジマーが脱走人造人間を追ってきてたりで、4リリース前の4要素を経験できてよかったなと。
 逆にがっつりメインキャラクターのサラあたりは4の時代には故人だったりと運命の差が激しかったりするみたいで、制作側の意図が気になる。ああ、BOSにスターパラディンなるコンパニオンのクロスもいたけど、全然連れて歩かなかったなぁ……メインクエ中はほぼカロンについてきてもらった、、、
 グールで傭兵って時点でイイキャラしてるし、仲間にする際カルマ不問なのも、飽くまでも契約書上での関係ってのがウェイストランドらしくてよかったのだ。カルマ善の時についてきてくれるクロスやフォークスもヒロイックな物語性を体験できていいんだけどね。

 で、エデン大統領は自爆させて、オータム大佐をあっさり倒して、FEVはばら撒かずに普通に浄化プロジェクトを完遂させた……と書くと結構あっさりしてたなと。我がセーブデータでは、GECKを起動してくれたのはもちろんカロン。渋々とやるにしては大役な気が……
 
 ちなみに私は、ゲームクリアするまでドッグミートがどこにいるのか分からなかった。そういうトンチンカンエピソードも含めてオープンワールドゲーらしい記憶になりました。


1.2. 主人公の境遇とその比較

「101のアイツ」と「ブルー」の境遇がよくファン間で対比されやすい気がします。すごくわかります。残酷なまでに正反対か、妙に似てたりします。

 生まれ育ったVault101から父のせいで追放され、父親を見かけたという人たちの情報を手掛かりに、Vault112のポッドを隔てた冷凍睡眠装置(仮想空間)再会し、父を目の前で殺され、オータム大佐という軍人敵討ちを果たし、父の遺した浄化プロジェクトの中核を担い、BOSと協力してウェイストランド人の敵たる組織、エンクレイヴを滅ぼした青年の101のアイツと、

 新しい家族と新しい土地で少しの間暮らしていたが、大戦が勃発したため突如押し込められたVault111で冷凍睡眠による実験をさせられ、目の前で伴侶を殺され、息子を奪われ、攫われた息子を探しに出るが探偵に頼まねばならないほど情報がなく、インスティチュートの傭兵ケロッグに敵討ちを果たし、メモリーラウンジのポッドを隔てた仮想空間で成長した偽の息子の姿を見、そして連邦の敵たる組織、インスティチュートの首魁となった息子と再会し、……BOSと協力して組織ごと息子を地獄に送ったり、息子のために組織のトップを担い、BOSを滅ぼしたり、病死する息子を看取ったりする、一児の父/母だったブルー。

 ドラマ版だと、ルーシーのパパは「追いかけていった結果、パパこそ諸悪の根源みたいな奴だった」というこれまた新しいパターンでしたね、、、しかもシーズン1内では死んだりせず、クリフハンガー的役割を果たす面白い立場だったと思います。Vault育ちのパパ探し、幼児期に外の世界に出ていた、って所は3のジェームズっぽいし、主人公やウェイストランド人にとって敵対者となっているのは4のファーザーっぽいか。

 先立った父の夢を継ぎ、シリーズの敵組織としては最大規模のものを滅ぼし、善人としても悪人としても、どちらでもない奴としても、「101のアイツ」の物語は非常に逞しく力強く、暗い過去に囚われない印象を受けました。クラフトシステムによる復興を良しとしたり、戦前の価値観を持った4のブルーは未来というよりも過去をずっと認識しているようで、逞しくはあるものの暗澹としたものを秘めているようでした。エンディングのサンクチュアリの映像とか特に。
 前者が悲壮なら、後者は悲愴でしょうか。


1.3. メインストーリーの簡潔さ

 DLCのBroken Steelを含めても、幕切れは早い気がしました。4あたりの頃と違って、ストーリーの大きな分岐も基本的になかったのも大きいか。
 FEVを撒くか撒かないか、とか、BSのラストならBOS基地も滅ぼすか否かを選択できる程度だったので、分岐と言えど善悪どっちにもなれますよくらいの存在感だったと思います。
 というかこのゲーム、父探しと現人類の敵エンクレイヴとの闘いというわかりやすいストーリーを縦糸に、様々なロケーションで色々な問題を抱えた人物と出会って、紆余曲折を経てプレイヤーはその命運を握らされ、決断を迫られる……というデザインなので、そういったエンディングやゲームクリアとは直接関係ない旅を多く楽めるようになっていたんだなと思います。そこに関しては4よりインパクトのある連中が多かったかな。プレイヤーをあっと驚かしてやろう、という気概がそこに見えた気もしました。
 同時に、ここに自由度の解釈の広さが現れているのだと知りました。
 FO3はプレイヤーが自由に旅し、様々なクエストで自由な決断をして遊べて、世界の大局を左右する場面はあっても、結局は大きい悪は滅ぶというシナリオに変わりはなく。
 一方でFO4は任意の組織に与し、人造人間事件に端を発した連邦の戦いを、主人公の手によって大きく変えていくシナリオ的な自由度が面白さのひとつとしてありました。4のDLCストーリーであるファー・ハーバーとヌカワールドも三つの陣営+αなエピソードなので、意識しているんでしょうか。
(当方NewVegasは未プレイ。機会があればそのうちやってみたいです)


2. 印象に残ったサブクエスト・イベント

2.1. ファイヤーアント退治

 モイラからマーケットに行けと言われた道中で、川の向こうのレイダーに襲われている最中に後ろから子供に話しかけられて”Those!”を受けたのが始まり。
 しばらく放置して、思い立った時にグレイディッチに訪問してやたら硬くて炎が痛いアリをしばき倒しながらブライアン少年を探したなぁ。
 最初はグレネードで一掃してたけど、1対1であれば周囲をぐるぐる回ると、アリは火炎放射をしようとするも旋回速度が遅いせいでそのままパイプで殴りまくると無傷でやれるので、わかり次第あっさり倒せたことで勝手に成長したような気になれました。
 レスコという厄介な研究設備と厄介な行動力を持ってる奴のせいで一連の問題が発生したと言えますが、謎のアリパワーでこちらを強化してくれたので感謝しつつ殺害
 人もアリも犠牲にして、大して成果も得られなさそうな研究だったから野放しにできないなと、、、マリゴールド駅内をずっと走り回る羽目にもなったしな、、、アリも兵士になるべく人間の手によってに生み出され洗脳されるのも哀れだった。


2.2. マリゴールド駅のヤベーおっさん

プレイ中一番こちらを驚かせた存在

 ファイヤーアントを駆除しながら地下鉄のクリアリングを済ませ、道中で拾ったホロテープにお宝があるぞとの情報があったのを忘れず、指示の通り鍵を回収し奥部の金庫箱を開けて手に入れた「セクシーな寝巻き」。
 なんかまた自由なユニーク品だな、と思いつつステータス画面で効果をチェックし終えると、一本道だった背後の暗い通路から、明らかな足音が近づいてくるのがわかった。誰もいないはずのそこに振り向くと同時に現れたのはバーバリアンみたいなオッサン
 開口一番「一度しか頼まんぞ。セクシーな寝巻をよこせ!」と。……このイベントに出くわした時、私はより一層FO3が好きになりました


2.3. 人造人間関連

 4をプレイしたので関心があったのですが、比較的序盤にメガトン周辺でレイダーとの戦いでHPが減った私は、半壊した建物のベッドで寝ているとヴィクトリア・ワッツなる人物がモーニングコールしてくれたので印象に残りました。
 ジマーにはアンドロイドは死んだと偽の情報を伝えて終わったかな。ウソで成り立っている世界は往々にして幸せである。無責任とも言うが、また無責任も世界を成り立たせてるだろう。。


2.4. アンダーワールド

居住区のなかではアンダーワールドが一番好き

 クロウリーの暗殺依頼は、意識せずこなせていました。リベットシティやテンペニータワーに到着するたびこのクエストを思い出し、穏便にカギを渡してもらってましたが、テンペニータワーのジジイだけは普通にハナにつく態度だったので殺害しました。
 瀕死のライリーと話すことで始まるスーパーミュータントとの熾烈な戦いは楽しかったです。
 取り残されたレンジャー部隊を助けるべく、下水から病院、病院からホテルの屋上まで駆け上がり、たまに混ざる上位スパミュにカロンが蜂の巣にされたり、長丁場で荷物もいっぱいになるくらい疲れましたが、信頼されてレンジャーの本拠地を紹介してもらえたりレンジャーアーマーを頂いたりと充足感のある内容でよかった。傭兵なだけあって見返りも相応だったのが、却って世界観の過酷さを物語っているようでした。
 あとはクリア以降あらわれるアクアキュラ売りのグリフォンとかも記憶に残るグールでしたが、個人的にはカロンの存在が大きいです。アズクハルに聞け、と隅っこのほうで連呼するコイツ。グールの中ではかなりハンサム。
 私は律儀にアズクハルへ金を払ってカロンに引導を渡してもらいました。銃口がアズクハルの爛れた顔に向けられた時、真横から見ていた私は清々しい気持ちになれました。理不尽と不条理が常にぶつかり合うウェイストランドで、誓約書一枚で成り立った関係の末路というのがグッド。


2.5. メガトンのサブクエストとか

 メガトンの不発弾をどうするか、のやつ。メガトンに愛着がわいていたので、普通にシムズの言うように解体してあげた。でも、メガトンが好きなのであって、シムズは別に好きじゃないです
 不発弾のまわりに人が生きる街ができましたって成り立ちが気に入ったので、頑張ってScienceやRepairを上げました。浄水場のおっさん、結構メガトンにとって大事な役割を担ってるのに特に誰も厚遇というか労ってやってなさそうなのが悲しい。
 モイラのサバイバルガイド製作協力は、とにかくマイアラー……じゃなくてミレルークにぞろぞろと追いかけられたのがいい思い出。ちゃんと殺さなかった。


2.6. 吸  血  鬼

 そしてメガトンから始まるクエストの一つのこれ(メインはアレフだけど)。
 で、世界観大丈夫か? と心配しましたが、現実に吸血病みたいなのがあるみたいだし……でももうこれTESシリーズだろ……とか色々突っ込み入れながら進行しました。
 人類にとって天敵でしかない吸血鬼へと覚醒してしまったイアンと彼を温かく匿った同胞のファミリーごと、人々には理解されない存在の哀れさ・共存の難しさを前面に押し出した良クエだったなと。
 最初はなにがギャングじゃ厨二共め! と息巻いていたので、吸血鬼の事実には二重の意味で衝撃を受けた。。あとアレフにいたブレイリーが認知症レベルで精神が壊れているのも衝撃だった。(ブリキ缶を手に)クッキーどうぞ、とか。
 そんな彼女に気遣ってかこちらにピリピリしてる夫も気の毒。


2.7.アリVSロボット

 過剰防衛について考えさせられましたが、ぶっちゃけカンタベリーの人々は武力を自立して持ったほうがいいハズなので、彼らは皆にとって要らない人たちだったのでは? と悩みました。
 正義と悪みたいに子供には言われてましたが、大きい力を持っている時点で、そうでない人たちにとってはどちらにしても厄介者なんだなと。


2.8.オアシスというかハロルド

頭の苗木が、やがて大森林を形成したという素敵な御方

 一番胸を痛めたサブクエスト。
 初代から登場しているキャラクターを殺すクエストってのも中々挑戦的だなベセスダ……と、当時のファンはどんな心中だったのかと疑問を覚えましたね。
 おしゃべりな木ことハロルドは、頭の植物が根を張ったばかりに、荒地と焦土しかないこの世界で、名実ともにオアシスと称せる聖域を生んでしまったグール。
 そんな彼は御神木としてツリーマインダーたちに崇められているわけですが、当人は動けないし信者は自分の言葉を変な風に解釈するしで、人格神の困惑や行き過ぎたアニミズムといったテーマが見えました。
 自分に宿った植物に名前つけたりしてお茶目なのに、会話中意識が朦朧としているのも憐れで、、、主人公の訪れが最後のチャンスだと云わんばかりに縋ってくるのも遣る瀬ない気持ちになりました。
 彼を生かす(活かす)選択や、逆に木ごとダメにしてしまう、焼き殺すという結末にもできたのですが、私は木の根に守られた心臓を突き刺しました。最期まで自分ではなくボブや信者の今後を想う姿が苦しかった、、
 でも100年単位で十分に生きて苦しんだと思うので、願いどおりにしてあげたかった。クソみたいな世界のなかで、たまにこういうエピソードがあるのがたまらないですね。

3. DLCクエスト(プレイ順)

3.1. Broken Steel

 クリア後すぐにプレイする形で、私の主人公は要塞で目を覚ましました。何事もなかったかのように隣に突っ立ってたカロンに笑いながら、エンクレイヴを壊滅させました。最大の敵は、大統領専用地下鉄の何でもない場所にいるフェラル・グール・リーヴァー。並みいる警備ロボを鉄屑の山に変え、またカロンを殺し、主人公にロードを強いた強敵。
 アダムス空軍基地を出てからは高所からの攻撃がしんどかったかな。それ以外はすんなりと攻略できたかも。BS序盤でリバティ・プライムが破損したり(その際爆発に巻き込まれてカロンがまた死んだ)、BOSとエンクレイヴのパワーアーマー姿の死体の山が築きあげられる戦場と化したりで、まさに戦争をしている規模のデカさが魅力でした。
 一度BOS基地を破壊するほうの選択をしてみましたが、ブロークン・スティールの文脈が皮肉効いてて面白かったです。まあ、その後はコレといった会話もなくただサラ含むBOSを皆殺しにして終わりなのが味気なかったか。
 新装備は、ヘルファイアアーマーの顔がブタみたいで厳つくお気に入り。テスラキャノンとかの新武器はあまり食指は動かず。


3.2. Mothership Zeta

あんなにステレオなエイリアンが出てきても
やっぱこの人のインパクトには負けるよね

 ここまでやって世界観が壊れた! と不審にならないのがこのゲームのいいところです。が、プレイ部分は高難度かつ単調。細い通路でエイリアンをちまちま撃ってばかりだった印象。たまに広場に出て、エイリアンっぽい技術施設を見学して、またエイリアン兵器を撃つ作業。しかも硬くて大変だった。
 クライマックスは最高に盛り上がったからこそ、あのやたら勝気なウェイストランド人、人生何周目かわからん少女、オカルトに理解のある衛生兵、分かりやすいカウボーイと分かりやすい侍のパーティでずっとエイリアンとドンパチやり合いたかったな。個性がはち切れんばかりに詰まってて、イベント部分は本当に面白かった。
 エリオットと111パパママが面識ある説なんかも夢があっていいね。


3.3. Point Lookout

 家出娘を探すために訪れた幻想的な小島、沼地、難破船、新興宗教、脳みそ摘出神秘体験、レバーアクションライフル……後々4のファー・ハーバーにリスペクトされたような雰囲気でした。新武器の斧がお気に入り。
 館のデズモンドに言われるがままにトライバルたちと戦いになりましたが、なんかなし崩し的に傲慢なコイツにコキ使われるのも嫌だし、といって勝手にテレパシーしてくる脳ミソ野郎の口車にも乗りたくなかったので、ジャマーはゴミ箱に捨て、館は破壊してもらい、カルバートを倒してクエスト完了してからデズモンドも殺害しました
 今回のクエストはあまり選択を迫られた感もなければ、強烈な個性があるエピソードもなかったなと。ロケーションの雰囲気はなかなかよかった。あの鬱蒼とした腐った沼地で、近親相姦やら汚染やらで生まれた亜人に襲われる恐怖心みたいなのは十分に味わえた。実際早くてタフで恐ろしい。
 帰ろうとしてフェリー付近にファストトラベルしたら、わざわざ遠くからトライバルたちが襲ってきたのもゾっとしていい時間を過ごせました。トライバルといえば、彼らの棲み処の近くにあるお墓のリーヴァーがやっぱり最大の敵でした。
 あと……フェラルを使ってサバイバルゲームさせてくれるイカれたグールがいたけど、あんなところでよく商売が成り立つよなとか考えながらゲームに生き残って脳天を報酬の斧で掻っ捌きました。コイツといい、すべての元凶たるトバル氏といい、気持ちよくブチ殺せる人が多かったのは好きです。
 ファー・ハーバーのほうが好きだったかな。あれは完成度高かった。


3.4. Operation Anchorage

 いきなり崖を登り始めたモントゴメリー軍曹の「万里の長城までぶっ飛ばしてやるぜ!」ってセリフなんかがやっぱり自由でいいなと。
 残弾数よりもHPの残量を気にしながらチマチマ戦うのも普段と違って楽しかった。クエスト内容的に常に戦いを強いられますが、用意された装備で戦え、というスタンスは結構好きな部類なので面白かった。逆に言えばそれだけだったかもしれない。
 最後にオペレーションが終わった後、その場にいたアウトキャストの人たちが即座に敵対したのは、もともと私がキャスディン護民官を殺してしまっていたからでしょうか。南無。


3.5. The Pitt

 FO3のDLCの中でこの上ない峻烈な雰囲気と地獄のようなシナリオだったと思います。それだけにかなり魅せられました。
 オチを左右する治療薬の開発は、明らかにレイダーたちよりもアッシャー夫婦に任せたほうがいいと思いつつ、なぜこんな資源だけは有用で、人の棲めない土地で生業を続けるのかとずっと疑問だったので、アッシャーに賛成しながらも最後はレイダーごと殺害(他の末路もセーブ&ロードで吟味した上で)。もちろんワーナーは支配者の器ではないでしょうから先んじて殺害
 守ってやってるのにと宣って虐待ばっかりしてる力だけは強いレイダーからは独立すべきなので、奴隷たちはキャピタルに渡ってメガトンあたりで平和に暮らせばいいと思います。
 舞台が荒みきった工業地帯で、支配者と奴隷に関係なく流行り病に苦しみ、居住区の周囲は鉱山と製鋼所で鉄の焼ける臭いしかしなさそうな……思い出すだけで個人的ナンバーワンの世界観を誇ってます。
 そんなエリアを、食人鬼たる赤肌色の亜人トログがウヨウヨしてるのもキモくてよかった。強いクリーチャーじゃないけど、中距離まで近づかれると異様なスピードでとびかかってくるからビビる。そして、あんなのを殺して食って生きるしかないって場所なのもイイ。FO3はカニバル好きにはたまらんでしょうな。
 エゲツないというか、妙な想像をしてしまう社会なんですよねここ。
 病死するせいで子供を産めない→だから外部の奴隷で労働力を賄っているという価値観を知ると、こんな劣悪な環境下でもヒト(しかもヒトもどきもいる)はオスとメスがいれば安全な場所を見つけて交尾するんだなとか、上の階で死ぬ寸前まで痛めつけられてる奴隷を眺めながら考えてしまうのです。ヒトもどきになったトログと交尾したり、させられたりする事もあったのだろうな……レイダーによる奴隷を使った余興として。
 暗鬱すぎる。たまらん。

 主人公が半ば騙される形の導入とか、体制がどのように存続して腐るか、権威社会がどんな奴に壊されるかといった所とか、PAを着た支配人とか、レイダーと奴隷の主従あたりは4のヌカワールドに継がれたんでしょうか。圧倒的にこっちのほうが空気感含めて"浸れる"DLCでした。ヌカワはゲイジくらいしか見どころがなかったのがなぁ。

4. おわりに

 DLCで善人NPCを殺りまくってしまったせいで、レベルMAX時点でカルマが悪になったので魔王の称号を賜りました。ニュートラルの「真の人間」も好きだったんだけどな。この世界観だからこそ人間って呼称は輝きますね。
 100時間しかプレイしてないけど、裏を返せば100時間で随分濃厚なプレイ体験が得られたなと感じます。FO4は数千時間も続けてますが、また別ベクトルの楽しさに触れて、久々にゲームにのめり込めました。

寒冷地仕様T-51姿にサムライソードを手にする自分と
何故かテスラアーマーを着させられるカロンと
いまいち画面に収まってくれないドッグミート
ロケ地:歴史博物館の前

※このスクショとヘッダー以外の画像は全部拾い物です。おわり。

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