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嬉しかった言葉

同じ言葉でも嬉しかったり、腹が立ったり、元気が出ることもあるけど、逆に気力を奪われることもある。言葉って不思議で怖い。

「頑張って」と言われて力が湧いてくる場合と、「頑張ってるよ。これ以上どう頑張るの?」って腹が立つことがある。同じ言葉でもその時の心の状態、状況で変わってくると思う。また相手にもよるのかな?

治療が始まると闘う決意を込めて自分が「頑張る」とは言っても がんのこと、心不全のこと、治療のこと、副作用のこと…、何もわかっていない、わかろうともしない相手からうわべだけの「頑張って」は言われたくない。


この間【入院して初めて泣いた】というのを見た。
そう言えば私もそうだった。がんの疑いが出た時、がんだと言われた日、がんとの戦いが始まってからも泣いていない。(言われた時はちょっとうるっとしていた) 不安や心配を感じなかった訳でも考えないようにしていた訳でもない。常に不安や怖さは付いて回っていたはずだけど…?

多分 泣くことを忘れていたのかも知れない。

私も泣いたのはこの人と同じで入院した時。手術を翌日に控え一人になったことで不安になっていたのかも?でも泣いたのはなぜか消灯後とかじゃなく夕食を食べながらだった。「美味しくない」って食べながら涙がぽろり。大粒の涙が流れ落ちたらもう後から後から堰を切ったみたいに出てきて止まらなくなったっけ?「何でこんな目にあうんだろ?」ってしばらく声を出さないように泣いていました。

心不全での入院時はいろいろあり過ぎて気がついたら泣いているような毎日でした。

「生きるために乳房と引き換えに得た命なのに、その治療でなぜまた命が脅かされるの?」「なぜ私なの?」

睡眠不足の状態で一人で居るともれなく悪い方に考えがいってしまい、何度もタラレバワールドに入り込んで同じ所をぐるぐるしていました。そんな泣き虫になった自分が本当に嫌だった。

ひとつ不安や心配が消えて減るとなぜかまた新たな不安や心配事が出てくるから全然減らないし、治療も思うように進まなくて、考えなくていいことまでいろいろ考えてしまってしんどくなって…。泣いていた。泣きすぎて涙と一緒に出てくる鼻水をかみすぎて鼻の下が痛くなるほど泣いていた。

1日に何度もめそめそ、うじうじ…。そんな自分が情けなくて、自分だけではどうしようもないくらいいっぱいいっぱいになった時 「自分が情けなくて情けなくて…」と子どもに弱音を吐いていました。


その時に返ってきた言葉はーー。

入院していたあの頃の状況では「…気持ちが暗くなるのは自然なことだと思う…。でも、情けなくないよ。病気と闘っている姿はかっこいいからね。近くで見てるから知ってる」

本当に嬉しかった。「病は気から。頑張って1日でも早く退院するぞ!」と決意も新たにすると「一緒に闘う」と返ってきた。本当にありがどう。


言葉には【力】があると思う。でも【頑張る】力って自分だけでは作れないし維持出来ないものだと思う。傍に居る誰かの存在や言葉がどんなに心強く、力が湧いてくるかのかということをがんとの戦いが始まってから嫌というほど感じている。





逆に腹が立ったのはーー


【良くなっていくといいんだけど】
【抗がん剤は効いてるのかな?】
と抗がん剤の副作用の症状がひどい時に兄に続けて言われた。【良くなるといいな】【抗がん剤効くといいな】でよくないですか?こっちはつらい副作用に耐えながら頑張っているというのに…。その後もちょくちょくある。


旦那に至っては…。
がんだと伝えた時、お金のことは心配しなくていいからと言ったその後すぐ、私が保険に入っているかを確認してきた。確かに必要なことだけど、何かね…。だから治療費の心配をする旦那に【限度額適用認定証】の申請をしてくれるようお願いしたのはいうまでもないです。

あと、【大変だと思いますが頑張ってください】と他人事。確かに他人だけど…。

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ぽむ
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