(外国語報道を読む)トルコ政府 イスタンブールでの爆発はPKK・PYDによる攻撃と発表
https://www.kurdistan24.net/kmr/story/61396-Soylu:-Kesê-bombe-daniye-hat-desteserkirin
イスタンブールのイスティクラル通りの繁華街で13日に爆発が起きたことは記憶に新しい。本日トルコのスレイマン・ソイル内相はKurdistan24の報道によると「我々の調査では犯人はアイン・アル=アラブ(コバニ)からアフリーンを経由し、トルコに入国したと見られている。爆発物を設置した犯人はイスタンブール警察により逮捕された」と発表。また、「我々の持つ証拠によれば、この犯行はクルド労働者党(PKK)とクルド民主統一党(PYD)によるものと考えられる。近い将来、この攻撃に対して我々の「返答」を見せることになるだろう」と話したと伝えられる。
追悼
この攻撃に対してハマスや自由ダウア党、それからイラクのクルディスタン政府からも、武装組織や国内外のクルド系団体から追悼が続々と届いているとクルド系メディアでは報道がされている。
クルディスタン政府のネチルバン・バルザニ大統領は「この度のテロと思われる爆発により命を落とした犠牲者のご家族の皆様に追悼の意を表明するとともに早急な回復をお祈り申し上げる」と追悼の意を表明した。
追悼の裏の意味を考える
トルコがPKKなどの犯行であると決定づけた証拠については何も報道がされていないため不明だ。単純化すると「シリアにテロリストがいる」「そこのテロリストに国民が殺害された」となる。これはロシアがウクライナに侵攻した時の進行を正当化した図式に非常に良く似ている。この内相の発表に基づけば、シリアのアイン・アル=アラブのへの空爆がトルコ軍により始まり、新たな紛争の火種になると推測できてもおかしくはない。
各団体が追悼の意をオープンに掲げた理由は人道的な理由もあるだろうが、ハマスやクルディスタンの真意は「やったのはうちじゃない」「うちを攻撃するな」ということではないだろうか。
正義を掲げたトルコは国境を気にしない
なぜトルコ軍がすぐにでも国境を超えた攻撃を展開するかもしれないと言える理由だが、トルコはテロリスト掃討を理由に国外へ攻撃を今まで行ってきた実績があるからだ。今年二〇二二年の七月にもテロリストへの攻撃としてトルコ政府がイラク北部のドホークへ空爆を行ったことは記憶に新しい。
例えばある地域に絨毯爆撃を仕掛けるとして、そこに赤ちゃんがいる普通の家族の家があったとして、そこを巧みに避けることが「最大の注意」で可能なのかはわからない。ただし、これまでの実績から考えるに、ソイル内相の発言からトルコ政府がシリアにテロリストへの攻撃を理由になんらかの軍事行動を起こす可能性は否定できない。
また関係のない市民やクルド人が巻き添えになる時が来るのだろうか?また、この時期にウクライナへ侵攻したロシアと同じ構図に寄せてきたトルコの意図が気になる。万が一、公式にクルド系の団体との戦争が表明されたら、国内外にいるクルド人の将来は一層暗いものになるだろう。
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