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思いつきで『ほぼイナイチ』|猪苗代湖
猪苗代湖南の『清水川の梅花藻』を見に行こうとアクセス情報を調べたところ、バスがあるにはあるが、運行時刻がどうもこちらのスケジュールとフィットしそうにない。
どうしようか。
最近はレンタサイクルのある町も増えてきたし、それがなければ諦めるか。
旅先では予定を詰め込みがちだし、たまにはゆっくりするのも良かろう。
「移動手段としての自転車」という選択肢。
それが猪苗代湖を自転車で一周することになったきっかけだった。
そもそも『清水川の梅花藻』自体、マップ上で見つけて時期も頃合いだろうから行ってみようか、といった思いつき。
自転車で移動することも単なる思いつき。
世の中は思いつきの集大成だし、新しい世界を見るための唯一の方法も「思いつき」なのかもしれない。
猪苗代湖とその界隈
猪苗代湖は日本で4番目に大きな湖だ。透明度が高く、四季折々の磐梯山の雄姿を映すことから、別名『天鏡湖』とも称される。
面積:約103平方 km
深さ:約93 m
水質:弱酸性の貧栄養湖(透明度が高い)
生態系:国指定天然記念物ミズスギゴケの群落、白鳥の飛来地
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イナイチとは
猪苗代湖一周を自転車で駆け抜けることを『イナイチ』と言う。
このネーミングの型はおそらく有名で、
琵琶湖一周なら「ビワイチ」
淡路島一周なら「アワイチ」
小豆島一周なら「マメイチ」などと称される。
どうやらこの猪苗代湖界隈でも、観光資源としてレンタサイクルやルート案内などが整備されているらしい。ルート上には協賛店やサイクルステーションなどもあるようだ。
そんなことはつゆ程も知らず、私は単純に猪苗代湖南へのアクセス手段として、宿で自転車をお借りした。そして地域の方が保全されている『清水川の梅花藻』の界隈を巡る。
最短ルートは湖東の往復だけれど、行き帰りで同じ風景ではなんとなく気分が上がらないし、せっかく湖の近くを走るのだから反時計回りが良い。
左側走行のため、反時計回りなら湖側を走ることになる。そうすると、すぐ近くに水を感じられる。
そんな軽い思いつきで、この夏『ほぼイナイチ』を決行することになった。
熊に備える
最近、各地でツキノワグマの目撃情報が増えている。
ここ猪苗代湖周辺もその地域の一つだ。
何せ猪苗代湖は磐梯朝日国立公園の南端に位置していて、山や森が近い。
熊にとっては暮らしやすい環境だろう。
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(*環境省HPのコンテンツ利用(著作権・リンク)についてはこちらを参照)
ツキノワグマは基本的には人を怖がるようで、不遇な事故を起こさないためには『互いに適切な距離を取る』ことが最も重要である。
熊に出会わないためにすること
熊鈴やラジオなどを携行し、人が近づいていることを熊に知らせる
夜は勿論のこと、早朝や夕暮れなど人気が少ない時間帯に出歩かない
雨がちの日は出歩かない(雨音で熊も人も互いの存在に気づきにくい)
熊に出会ったら
子熊を見かけても近づかない(必ず母熊が近くに居る)
背中を見せないようにしつつ後退りして距離をとる(ゆっくり急ぐ)
装備を整える
怖い思いや怪我をすることは勿論避けたい。
けれど最も辛いのは、人を襲ったという理由で熊が射殺されることである。
そうならないよう、出来うる限りの備えをするのがマナーだ。
磐梯山や五色沼の周辺も散策するつもりでやって来たので、持参した熊鈴を自転車に装備することにした。
私の装備品は以下の通りである。
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リュックのポケットから後方を監視するハヤブサのマスコット・自転車にぶら下げる熊鈴
このチームで臨むイナイチであるから、ツキノワグマなど恐るるに足らず。
快適かつ眺めが最高のルート
猪苗代湖の周囲を巡る道は湖に隣接していて眺めがとても良い。
やっぱり湖東の往復ではなく、一周することにして大正解だった。
湖北エリア
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正直なところ、湖の北側から東へ向かう国道49号は郡山から会津へ抜ける道で、車の交通量が比較的多い。
そのため車道を走り慣れていないと、少し怖いかもしれない。
湖西エリア
国道49号から県道376号に入ると交通量は激減する。
『会津レクリエーション公園』という綺麗に整備されているエリアがあって、道も綺麗だったので走りやすかった。
けれど後で聞いたところによると、この近辺で熊の目撃情報があったばかりだったらしい。私は出会わなかったけれど、確かに森が近くて人は勿論、車もほとんど見かけなかった。
国道294号に合流してからは、また少し交通量が増えたので、もしかすると県道376号でショートカットせずに、国道49号と国道294号の合流地点まで迂回した方がベターなのかもしれない。
湖から随分と離れてしまうけれど。
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さて、コンビニはこの西エリアの町に一つ。
ここでようやく、軽い栄養補給と水分補給をすることができた。
トンネルを潜って西から南へと向かう。
山の向こうには風力発電のプロペラが見えていた。
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湖南エリア
比較的大きめの街がある湖南エリアは、猪苗代湖の向こうに聳える磐梯山と合わせた絶景を楽しむことができる。
写真を撮るのが好きなら、湖南エリアは絶好のスポットかもしれない。
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さて、うっかり忘れそうになるが、このサイクリングは猪苗代湖南の『清水川の梅花藻』を見に行くための移動手段である。
だが、それはまた別の話。
湖東エリア
湖南エリアでいくつか寄り道をして、湖東を走る時の気分は帰り道だ。
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一周約58 kmほどの距離はさておき傾斜が殆どなく、普段から走り込んでいなくとも頑張れば自転車で一周できるし、しんどさよりも楽しさが勝る。
こんなにサイクリングが楽しいスポットがあるなら、今度は自分の自転車を持ってきて走りたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1731893199-C3EZlhKSrXYHMi8wnz46FN0x.jpg?width=1200)
再び国道49号に戻ったのも束の間、猪苗代湖畔駅の辺りから県道322号に入る。そういったルートだったから、実は湖北エリアの国道49号をほとんど走っていない。
だからこそ『ほぼイナイチ』なのだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1731893355-6hGVk7W4dLFQzSrPR5Tt1ocu.jpg?width=1200)
湖南エリアでゆっくりしたこともあって、日が暮れるまでには宿に帰り着かないといけない。勿論、熊との遭遇を警戒して。
磐梯山寄りの宿へ向かって、最後は湖から離れて再び田園地帯を走った。
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