2018 京都教育大学 教育学部 国語領域専攻 学校推薦型選抜 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


問一 
(ア)格好
(イ)偶数
(ウ)塗って
(エ)廊下
(オ)詰まった



問二
転校生のマコトは、あいさつをしても同級生から返事をしてもらえないなど、おツボネさまという生徒を中心にクラスのなかで疎外されていた。しかし、マコトは「番長のやり方」によって、もう一人クラスから仲間外れにされていた女子生徒である高野との関わり方を他の生徒に示し、最終的にはクラスの全員からあいさつを返される存在となった。(一五八字)


問三
 マコトと高野がクラスメートから話しかけられないなどクラスから疎外されていることから、いじめの問題であると考え、学級会における話し合いや担任教師へ相談することによって問題を解決する。(九〇字)


問四
クラスメートが高野に話しかけないことに加え、高野をクラスの「余り」として扱うことを問題と考え、誰かをひとりぼっちにしてはいけないという常識にもとづき、同級生として高野と接する姿を他の生徒に示すという「番長のやり方」によって解決する。(一一六字)


問五
物語に描かれたような小学校四年生のクラスにおける問題は、実際に起きる可能性が高い一般的問題だと考える。なぜなら、この問題の発生が、学校という集団生活の場において生み出される児童の成長や発達の構造的な特徴に由来すると考えるからだ。
小学校の中学年の時期の児童は、この物語に描かれたマコトとツヨシのように、友人関係が安定し、情緒的な交流も生まれと考える。その結果、児童同士が集団内のルールをもち、より集団化が促進されるという特徴が見られると考える。したがって、学級内外にこうした小集団が形成されることによって、児童は同性の仲間との親密で情緒的な交流を体験し、社会的な規範を学び取っていくと言える。しかし、こうした特徴は他方で、集団にうまくなじめなかったり、集団と異なる雰囲気を持つ児童を排斥する力学としても働くと考える。この物語におけるスポーツを苦手とする高野の存在に見られるように、他の生徒と協働することが上手くできない児童が、仲間から排斥される構造がある。その結果、集団になじめないことやルール破りと見なす行動に対して集団内の制裁としての「仲間外れ」や「無視」といったいじめを生み出す基盤になると考える。このような場合に、集団を維持するための「正義」の行動としていじめを行おうとするため、集団の成員は、いじめは悪いという認識をもちにくく、直接いじめに加わらない者も、結果として見て見ぬふりをすることにつながりやすいと考えられる。
以上のように、集団のなかでの規範意識を持つことや仲間と協働することができるようになるという児童の成長や発達そのものが、他方では疎外やいじめを生み出す力としても機能するようになると言える。したがって、児童の発達や成長という一般的な事象に付随して生じることが予測される問題であるため、この問題は実際に起きる可能性が高い一般的問題だと考える。(七八一字)


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