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2022年度 高崎経済大学 地域政策学部 一般入試 後期試験 小論文 模範解答


問1

 育児の担い手が直面する課題として、資料A1によれば、シングルファーザーは子どものタイムスケジュールに合わせて働き方を変えざるをえないため、給料も下がり、さらには非正規雇用になる場合もある。シングルマザーの場合も経済的な困難があり、低賃金である非正規の労働市場から抜け出しにくいのが現状である。また、資料A2が示すように、介護でも介護者の半数以上はワーキングケアラーで、とくに大半の男性介護者がそうである。
 こうした困難の理由は、第一に、資料A1にあるように、日本の男性は職場に長時間拘束されることが標準的な働き方とされ、それをモデルに制度が設計されているからである。ここでは、ひとり親家庭ははじめから考慮に入れられていない。第二に、資料B3に示される日本社会の根強いジェンダー規範がある。2018年の第6回調査においても、「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たず育児に専念したほうがよい」が7割を超えており、「夫は、会社の仕事と家庭の幼児が重なった時は、会社の仕事を優先すべきだ」が6割を超えている。こうした男女の役割意識に大きな隔たりがあることが、介護や子育てと仕事を両立させる際の困難を生み出している。(498字)

 

問2

介護・育児による離職者を減らすために、自治体は、公立の保育園や自己負担額が低い特別養護老人ホームの数を増やすことが必要であると考える。なぜなら、資料A1やA2に見られるように、育児・介護と仕事の両立は男女を問わず大きな負担となっており、育児や介護を施設に任せることができれば、時間に大きな余裕ができ、可能な限りこれまで同じ形態で仕事を続けることができるからである。(180字)

 

問3

地域社会の一員として私にできることは「共助」の促進である。ワーキングケアラーが介護の負担を一人で抱え込まないように、地域全体で支え合う必要がある。そのために、私は地域のボランティアに積極的に参加し、またボランティアに必要な知識や技能を身につけるための講習会を受講することができる。(140字)

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