2019 順天堂大学 保健医療学部 推薦入試 小論文 模範解答
〈前半部〉
図1からは、我が国では2045年には全都道府県で65歳以上人口の割合が30%を超え、特に北海道や東北地方、長野県、奈良県、四国地方、鹿児島県などにおいては、この割合が40%を超えることが予測されているとわかる。
図2からは、2015年を基準年として2045年には、都市部における65歳以上人口の指数の増加傾向を見てとることができ、都市規模が大きいほど65歳以上人口の伸びが大きい見込みとなっていることがわかる。他方で、地方においては高齢者人口の指数の伸びが見られないことも読み取ることができる。それゆえ、特に都市部での高齢者の人口増加が進行していくことが明らかとなる。以上より、今後、今後の我が国の高齢化の特徴としては、都市部において集中的に高齢化が進行していく点が挙げられる。(327字)
〈後半部〉
以上のような我が国の高齢化の進行に対して、理学療法士や診療放射線技師にはどのようなあり方が求められるだろうか。今後、病院では医者や看護師のみならず、理学療法士や診療放射線技師も検査や治療で毎日高齢者に対応するようになることが予想される。したがって、そうした高齢者に対する医療従事者の接遇のあり方が問われると考える。特に認知症などの疑いがある高齢者の患者には、検査が難しいことが想像に難くない。というのも、自分が認知症だと認めたくない人や、精神的に不安になってしまう高齢者もいると考えるからだ。したがって、理学療法士や診療放射線技師は、患者の気持ちに寄り添い、少しでも不安な気持ちをなくすことを心がけながら対応していくことが必要だと考える。また、特に高齢者は、難しい専門用語は理解できない場合もあるため、その人の状況に合わせて対応していくコミュニケーションの力も備える必要があると考える。(393字)