2016国士舘大学 体育学部 スポーツ医科学科 AO入試 小論文 模範解答
課題文からは近年、救急要請されたにもかかわらず、不搬送事例が増加していることがわかる。不搬送事例が増加している原因とは何だろうか。大きく三つの原因が考えられる。第一に、傷病状態が軽度であり、緊急性の低い通報が増えていることが一因と見られる。第二に、「救急病棟・集中治療室(ICU)満床」の増加である。第三に、当該科専門医の不在、不足である。以上の原因に対して、どのような解決策が考えられるだろうか。
第一の原因に対しては、一般市民が救急要請をするかどうかについて、緊急度を適切に判断してもらうために、傷病程度について一般市民の判断を補助する体制があることを周知することが挙げられる。たとえば、電話相談窓口や、住民による緊急度判定を支援する救急受診アプリなどを利用すれば、不要不急な救急要請を回避できると考えるからだ。第二の原因に対しては、搬送先病院の受け入れ体制や状況などについてICT技術を用いて把握できるシステムを組み、いわゆる「たらい回し」を回避する仕組みを作ることが有効だと考える。というのも、搬送受け入れ先の情報が即座にわかれば、搬送が迅速に行われると考えるからだ。第三の原因である専門医の不在、不足といういわゆる医師不足の問題については、オンラインによる遠隔診断やAIを使った検査や診断が解決の糸口になると考える。というのも、人口の少ない過疎地には、どうしても医師が不足する現状があるからだ。(596字)