2020年度 東京学芸大学 A類保健体育選修 B類保健体育専攻 E類教育支援専攻生涯スポーツコース 推薦入試 小論文 模範解答

問.1
「スポーツ」を学ぶことは、たとえば野球競技においては、ゴロをさばく技術やバッティングの技術を学び、さらにそれらの技術が向上するように指導が行われる。しかし、「体育」を学ぶことにおいては、野球競技を教材として、知的、身体的、両面から人間的に豊かになるよう指導が行われる。したがって、野球競技におけるルール改変の歴史を学んだり、いかに仲間たちと協働すれば組織が有機的に機能するかを探求することになる。(198字)



問.2
筆者の捉えている「体育」の考え方に賛成する。というのも、「体育」は、広くスポーツを対象とした「学」であるべきだと考えるからだ。たとえば筆者は、スポーツの文化や歴史に対する理解を深めることや、学習者の人間的成長を育み、他者との協働のあり方や組織の運営の仕方まで学びを得ることを「体育」の特徴ととらえている。したがって、「体育」が体系的な「学」として理解されている点において、筆者の考え方に賛成する。(198字)


問.3
「体育」は広くスポーツを対象とした「学」として存在する。したがって、学校教育において「体育」が教科として存在しているのは、スポーツの文化や歴史に対する理解を深めることや、心身についての包括的な学びを得られることに加えて、他者との協働のあり方や組織の運営の仕方についても学ぶことによって、総じて児童生徒たちが人間的な成長を遂げられることに意義があるからだと考える。
それゆえ、「体育」教科が意義を持つことを鑑みれば、体育教師の役割は、ただ単にスポーツやその技術を教えるのみならず、スポーツという教材を用いて、豊かな人間を育成することにあるといえる。したがって、体育教師はスポーツ指導者とは異なり、スポーツを教材として、児童生徒たちに対してスポーツの文化や歴史を通じた人間の営みについて探求を深めたり、他者との協働のあり方などの児童生徒たちの生きる力を育むことが役割として求められると考える。(393字)


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