2018 順天堂大学 スポーツ健康科学部 推薦入学試験 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


課題文では、庄和町の町長は、給食の提供は学校の役割ではないと述べている。したがって、学校と家庭との役割を明確に規定しようとする点に町長の給食廃止論の特徴がある。その結果、給食廃止の方針は、教育における学校の役割と家庭の役割とはそれぞれ何かという問題を社会に対して投げかけている。
 たしかに教育においては、学校も家庭も重要な役割を持つことは言を俟たない。しかし、家庭と学校には現状、それぞれが担うべき教育上の役割について、各々の説明の論理や考え方に相違がある。このような学校側と家庭側の相互の認識の食い違いを埋めなければ、今後も学校給食の廃止論から派生したような、教育における学校と家庭の役割に関する論争が続くと考える。それでは、学校と家庭において、各々が担うべき役割をどのように定めたらよいだろうか。私は大きく三つの取り組みがあると考える
 第一に、学校と保護者とが、「学校給食のあり方」等の問題について、相互の認識の差異を知ることだと考える。なぜなら、両者の役割について相互に認識の差異があるならば、その差異を知ったうえで、初めて対応の仕方も定まると考えるからだ。第二に、既存の制度や取り組みの意義を問い直し、新たな施策を行う際にも、学校と保護者とが話し合い、各々の役割を確認することである。なぜなら、価値観が多様化する現代において、様々な考えを踏まえた上で、学校の役割や家庭の役割を、学校側も保護者もそれぞれ確認する必要があるからだ。第三に、教育行政は保護者のニーズを端的に満たすことではなく、子どもたちの教育に資することが何かにしたがって教育制度や、家庭の役割を見直すことである。というのも、教育は保護者に対する単純なサービスではなく、子どもたちの健全な育成を行うことが主たる目的だからだ。
 以上の取り組みによって、教育について行政と家庭の役割の各々が定まると考える。(783字)

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