2018年度 高崎経済大学 地域政策学部 一般入試 後期試験 小論文 模範解答
問1
資料2が示すように、日本では中山間地域と都市の両方において高齢化が急速に進んでおり、共同体の持続が危ぶまれている。しかし、なかでも中山間地域の高齢化がより大きな問題であると考える。なぜなら、資料3より、東京や大阪などの大都市では転入者が転出者を上回り、人口が増加しているが、中山間地域を含むそれ以外の県では軒並み転出者のほうが多く、人口が減少しているからである。さらに、資料1で述べられるように、中山間地域は多様な生態系を守り、森林地域の資源を他地域につなげるという重要な役割を果たす。それゆえ、中山間地域の人口を維持するための対策が必要である。
こうした対策としては、たとえば、移住の奨励と仕事の斡旋および継続が考えられる。資料4に見られるように、農山漁村地域に定住したいと考えている都市住民は全体の3割を超えており、受容はあると言える。しかし移住に当たっては、資料5が示すように「仕事がない」という点がネックになる。そこで、ひとつの仕事に専念するのではなく、農業や高齢者の手伝い、NPOの仕事など、複数の仕事を兼ねることで、移住先でも一定以上の収入を確保できる仕組みを作ることが重要であろう。また、テレワークを拡大することで、都市でおこなっていた仕事を移住先でも継続できるようにすることも有効であると考える。(553字)
問2
問1の対策の実現に向け、私は、中山間地域における雇用の現状や仕事のニーズと移住にまつわる事柄を調べたい。まず、総務省の地方移住を進める部署の調査結果をインターネットで調べる必要がある。そのうえで、人口減少を抱える地方自治体の移住相談窓口や、NPO団体であるふるさと回帰支援センターに取材を申し込み、実際に移住した人たちを取り巻く状況と現在生じている問題について直接聞き取り調査をすることが考えられる。(198字)
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