2020年度 東洋大学 ライフデザイン学部 健康スポーツ学科 自己推薦入試 10月20日 小論文試験 模範解答
Aからわかることは、昭和60年と平成29年の11歳の男女の50m走のタイムには男子では0. 0 4秒、女子では0. 12秒の差があり、平成29年の11歳の男女のタイムがわずかに遅くなっていることである。
Bからわかることは、平成29年の11歳男女において、男女ともに「ほとんど毎日」運動・スポーツを実施する子どもたちの50m走のタイムが8秒台であるのに対し、運動・スポーツの実施状況が「ときどき」、「ときたま」、「しない」と回答した子どもたちのタイムは、9秒代であることがわかる。さらに、Cからわかることは、平成29年の11歳男女の運動・スポーツ実施状況の割合は、男子においては「ときどき」、「ときたま」、「しない」という回答の割合の合計が37 .6%であるのに対し、女子における同回答の割合の合計は59 .0%となっている。それゆえ、特に男子に比べて、女子のほうが運動の頻度は低いと言える。
以上の結果を鑑みた場合、今の子どもたちの体力向上のために何をすべきであろうか。女子を中心とした運動頻度の低い子どもたちは、運動部などに入らず運動をする機会がないか、あるいはそもそも運動そのものが嫌いであることが予想される。しかし、既存のスポーツは、走る、投げる、跳ぶといった、基礎的な動きが激しいものが多い。したがって、既存のスポーツや運動にとらわれない形で、体力を向上させるプログラムの構築を行うことが肝要だと考える。たとえば、呼吸法を整える座禅や、精密さとダイナミックな動きをともに要求される「まき割」の仕事、全身運動としてのヨガやダンスなどに、体力の向上を図る方途があると考える。それゆえ、以上のような身体運動を組み合わせて、新しい運動プログラムを構築し、実践することができると考える。その結果、運動が嫌いであったり、苦手な子どもたちでも、スポーツや運動だとは思わずに自然と身体を使うことになり、体力向上を期待できると考える。(788字)