2016 横浜市立大学 国際商学部 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


(1)
1964年開催の東京五輪は、政府主導のもと基幹インフラが整備されたインフラ構築の五輪であったのに対し、2020年開催予定の東京五輪は、民間主導によるインフラ再構築の五輪である。(88字)


(2)
日本の国・地方の負債残高の名目国内総生産比が、バブル崩壊後の景気対策などにより加速度的に悪化した結果、現在は200%を超えており、2000年以降は、高齢化によって社会保障費も増加したため。(94字)


(3)
3つの分野で「公民連携」や「民間資金を活用した社会資本整備」が展開できる。第一の分野では、一定の面積において道路、橋りょう、公園、河川施設などの保全管理業務を民間企業にアウトソースし、総合的管理を担ってもらう。第二の分野は、民間による首都高速道路におけるインフラの土地で有効に使っていない部分の権利を民間に売却し、民間事業者が商業、オフィス、住宅として利用するものである。第三の分野は、五輪における選手村を売却し、民間で利用してもらうものである。その結果、民間による交通インフラ整備も可能になる。(248字)


(4)
課題文では、2020年の東京五輪開催にあたって、老朽化したインフラ整備の再構築を訴えながら、国家の財政難によって公的なインフラ整備の困難を指摘している。しかし、インフラの再整備を行うことが必要だと考える。その理由は大きく3つある。第一に、老朽化したインフラを放置すれば、安全性が保たれず、人命が失われる危険性があるからだ。第二に、「公民連携」や「民間資金を活用した社会資本整備」に加え、ICT技術などの新技術を応用することにより、効率的なインフラ整備が可能だと考えるからだ。第三に、各種のインフラ整備により、オリンピック後も安全・安心を魅力とする日本への外国人旅行客のインバウンド需要が見込め、将来的な財源確保につながると考えるからだ。他方で、インフラ整備を進めるためには、官民一体となった施策の工夫や、オリンピック後の利用も考えた持続可能な開発、無駄を省くための新技術利用などが必須だと考える。(396字)


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