見出し画像

2019年度 高崎経済大学 地域政策学部 一般入試 後期試験 小論文 模範解答


問1 

 共生社会の実現に向けて地域社会が解決すべき課題として、私は、社会的排除、とりわけ地域における人間関係の欠如を挙げる。社会的排除とは、資料A2で述べられるように、人々が社会への十分な関与から遮断されている状態のことであり、たんなる貧困とは異なるものである。社会的排除の状態に陥った人は、地域社会のなかで十分なつながりを持つことができなくなる。実際、資料B1が示すように、「社会的ネットワークの欠如」が20%を超え、「レジャーと社会参加の欠如」も高い割合になっている。
 こうした人間関係の欠如の原因としては、主に三つの種類が考えられる。第一に、発達障害や知的障害などの、本人が持つ生まれつきの生きづらさが原因となる場合がある。第二に、家庭環境に問題があり、教育や人間関係の形成に悪影響があったことが原因で、人間関係の欠如が生じる場合もある。第三に、学校や職場において劣悪な環境に置かれたことが原因で周囲の人間関係が壊れ、社会的排除につながる場合もある。(420字)

 

問2 

地域社会の一員として私にできることは、社会的排除の要因とリスクが潜在的なかたちで私たちのなかに広く存在していることを自覚し、そうしたリスクがどのような連鎖を引き起こすかについて理解することである。そのために、日ごろからニュースや新聞、広報などで社会福祉に関する情報を積極的に集めることが重要である。(149字)

 

問3

社会的排除について、身近なところから考えられる事例としては高校の中途退学が挙げられる。私たちの社会では、中退すると職業選択の幅が極端に狭くなり、その結果、非正規で低賃金の職にしか就けず、劣悪な労働環境や早期のリストラの危険が高まる。こうして生活が困窮し、社会的な孤立が深まり、社会的排除に至る。(147字)

いいなと思ったら応援しよう!