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「マリオガン~THE END OF VIOLENCE~」第1部・8章「国刀(コクトー) 」

 叫びながらマリオは目を覚ます。自分の家のベッドで寝ている。時計は正午を回っている。ミカリのマンションからどうやって戻ってきたのか覚えていない。頭も体も酷く重い。バスルームへ行ってシャワーを浴びる。

 外国で母親と暮らしていた、スキンヘッドのテロリストが父親だった、キャンプした森で死にかけた、ルカの故郷の聖地に住んでいた、数万人の魂を〝お腹に入れて〟暮らしていた、見知らぬ銀髪の老人に紅い拳銃の炎で焼かれた、そのせいで記憶喪失になってしまった。

「成層圏から見て知ってたんだろ、どうして今まで黙ってたんだ?」視野の左端のルカに言う。覚えてないんだ、とルカが答える。君に撃たれて融合したとき、殆どの記憶を失ってしまった。残っているのはブランカと一緒に過ごした頃の思い出くらいだ。

 そうだった、と思い出す。僕ごと自分を撃ったことでルカも金色の炎に焼かれてるんだ。「母さんのことも全部忘れた?」分からない、とルカが答える。ただ、あのウリエルという老人がどうなったかは知っている、辛うじてその記憶は残ってた。

 脳内で〝過去〟が再生される。アタリがウリエルを撃ち倒している。紅い拳銃が地面に転がる。アタリが拾ってその場を立ち去る。銀髪の老人は動かない。死んだかどうかは分からない。だからあの人が拳銃を持っていたのか、とシャワーを止めてマリオは思う。父親、父さん、とはまだ呼べない。

 ビアンカがバスルームのドアをノックする。「起きましたね。お昼食べますか?」「食べる。すぐ出る」と返事する。そうだ、ビアンカに訊けばいい、きっと何もかも知ってるはずだ───そう思ってマリオはハッと気づく。これまで一度もビアンカに過去の話を訊こうと思わなかった、不思議だな、どうしてだろう。そしてさらに気づいてしまう。そもそも何であの人は、過去のことを教えてくれないんだ?

 昼御飯を食べながら記憶が戻ったことを伝える。ビアンカは驚かない。マリオは訊く。「紅い拳銃で僕が撃たれた後に、何が起きたか教えてよ。母さんは今どこにいて、何をして暮らしているのかも」テーブル越しにビアンカが静かに言う。「教えられません」

 思わず食事の手が止まる。やっぱりおかしい。「何でだよ?」「すべてを自然に思い出すまで過去のことは話さない───それが、お母さんと交わした契約ですから」びっくりする。憮然となる。ビアンカが毅然として続ける。「あなたのためだと日南は言いました。どうかそれを信じて下さい」「・・・・」

 マリオは黙って食事を済ませる。部屋へ行ってスマホと財布と下着の替えをリュックに詰め込み、家を出る。今はここにいたくない。ビアンカは止めない。玄関で黙ってマリオを見送る。

 真夏の道をマリオは歩く。ギラギラと太陽が燃えている。すぐに汗が吹き出してくる。陽炎を見ながら行くあてもなくブラついてるとスマホが鳴る。ミカリからだ。嬉しい。通話に出る。「マリオ?」声に緊張がある。「あれから大丈夫だった?」「大丈夫。元気だよ」気配が和らぐ。心配してくれてた。

 倒れた後にどうなったのか気になるけれど今は訊かない。話しながら近所の商店街を歩く。忘れていた過去の大半の記憶を思い出したこと、ビアンカと母親が過去を隠していること、それが嫌で家を出たことを伝える。「そう・・・だったら今からここに来ない?あなたに会いたがってる人がいるの」「え」驚いて立ち止まる。会いたがってる?僕に?先輩の部屋で?一体誰が?

 ミカリが迎えによこしてくれたリムジンで湾岸地区のマンションへ行く。エレベーターで最上階まで上がって部屋の前に立つ。インターホンを鳴らすと同時に中からドアが開かれる。
 馬舜豪マー・シュンハオが立っている。

「あっ・・!」反射的にマリオは右手を上げる。紅い拳銃を出さなければ!それよりも速く馬が動き、マリオの体を抱きすくめる。「謝謝你!你是我的大恩人(ありがとう!お前は俺の大恩人だ)!」
 な、な───え?
 ギョッとしてフリーズしてしまう。馬が体を離して見つめる。黒曜石みたいな瞳が親密さを湛えて光っている。

 どんな苦痛も、恐怖も、暴力も、娯楽と考えている男、罪悪感を一切持たない人間、共感力ゼロの凶悪なのソシオパス、には目の馬の男はもう見えない。深い声と華やかさと野性味はそのままに、人間性の土台部分でまったくの別人になっている。尖った殺気が完全に消えてて嘘や演技のレベルじゃない。

「お前の紅い拳銃に撃たれて、俺は生まれ変わったらしい。こんなに爽やかで晴れ晴れとした気分は生まれて初めてだ。感覚と感情と思考すべてに濁りや曇りや淀みがない。まるで空気の澄み切った高い山の上から世界を見渡してるみたいだぜ!」楽しそうに言って馬が笑う。

 やっぱり再構築されてたんだ、と視野の左端でルカが言う。再構築───クラブ飛頭蛮のステージの上で拳銃の炎に焼かれた馬を見て、同じ言葉をルカは使った。馬舜豪は馬舜豪のまま、経験した記憶はそのままに、毒素とそれを生み出し続ける〝回路〟だけが消されてる。脳を含めた全身の細胞から取り除かれているはずだ。

 嘘。マジかよ。それってつまり。「今の紅い拳銃が撃ち出す炎は、人間の魂から、殺意や暴力の元を取り払ってしまうってこと?」ルカが頷く。慄きでマリオが体を震わす。

 リビングからミカリが出てくる。馬越しにマリオを見て頷く。それで体の力が抜ける。紅い拳銃が体に入っていない先輩から見ても馬は別人になってしまってるんだ、でないと家に上げるはずがない。

 馬がポケットから何かを出してマリオの右手に握らせる。車かバイクのスマートキーだ。「地下の駐車場にバイクが置いてある。受け取ってくれ。感謝の印だ」マリオはさらに困惑する。「でも、僕、免許持ってないし」断ろうと思って言う。啊、と言って馬がスマホを取り出す。壁を背にしてマリオを立たせ胸から上の写真を取る。

 「明日までに作って届けてやるよ。照会されてもバレないやつだ」そう言ってマリオにスマホを出させ、自分のアドレスを登録させる。「故障したり事故ったらすぐに知らせろ。何か助けが欲しい時は、必ず俺に連絡するんだ、どんなトラブルも解決してやる」再次见、朋友、と言って肩を叩き、上機嫌で馬が出ていく。ぽかんとしてマリオは見送る。

 一人目だな、とルカが言う。「一人目?」と心で訊き返す。かつての俺がそうだったように、お前の周りにも『旅団』ができる、星を生きようとすればするほど『旅団』は大きくなるだろう。旅団、か。視野の右上で輝いている金色の星をマリオは見つめる。大勢の人間を率いている自分の姿が想像できない。近寄ってきてミカリが小首を傾げる。苦笑いしてマリオは部屋に上がる。

 リビングへ行くと新しいデスクが窓際が置かれてて、その上に三十二インチのペンタブレットがセットされている。「馬がプレゼントしてくれたの。デジタルは興味なかったけど、せっかくだから使ってみるつもり」キッチンでコーヒーを淹れながら見が言う。ソファに座ってそれを見ながら、すごいな、と改めてマリオは思う。

 別人になったと分かっていても、数日前に自分に暴力をふるった人間の贈り物を置けるなんて。さすがに〝星の女〟だな、と視野の左端でルカが言う。無理も我慢もしていない、体や心にそれなりのダメージは入っているけれど、魂は完全に無傷な状態だ、サファイヤみたいに傷つかない。

 二人でコーヒーを飲みながら、戻った記憶と、まだ戻らない記憶のことについて詳しく話す。「僕が〝怪物〟だってことを、母さんとビアンカが二人で六年も隠していたことが、すごく悔しい」最期にそう言ってコーヒーを飲み干す。黙って聞いていたミカリが口を開く。

「何か事情があるんだろうね、だとしてもマリオには関係ない。怒ればいいし憎めばいい。その感情を殺さないで」マリオが頷く。「ありがとう」身を乗り出してミカリが言う。「夏休みの間、ここにいれば?」びっくりしてマリオが目をみはる。「いいの?」ミカリが微笑む。「帰りたくなるまで好きなだけ」

 次の日、馬から、ミカリの部屋にマリオ宛の宅急便が届く。大きな箱に二人分のヘルメットとグローブと免許証が入っている。大型自動二輪の免許で昨日のマリオの顔写真が使われている。偽造したものには全く見えない。

 ミカリと一緒にバイクを確かめに地下駐車場へ降りてみると、一番奥の駐車スペースに大型バイクが置かれている。1000CCオーバーのヨーロッパの車種で、雄牛みたいに戦闘的なフォルムをしている。ボディカラーは濃密な赤だ。ひと目でマリオは惹きつけられる。ヤバい、かっこいい、乗ってみたい。

 お前の父親がバイクを運転していた時の記憶があるぞ、と視野の左端でルカが言う。拳銃の中に少し残っていた、欲しいか?「欲しい。流し込んでくれ」と心の中で頼んだ直後にそれが経験記憶となる。道交法やクラッチワークや体重移動の感覚が全身に染み込み、衝撃でブルッとマリオは震える。「運転できそう?」ミカリが訊く。乗りたがってる。マリオは頷く。「うん、大丈夫。走りに行こう!」

 タンデムして湾岸のバイパスを走る。空気の厚みを切り裂いて進む感覚が凄まじく気持ちいい。バイクと体が溶け合ってノーフリクションで路面の上を滑っていく体感に夢中になる。ミカリが背中にしがみつく。スピードが百二十キロを超えている。ハッと気づいてアクセルを緩め、コンビニの駐車場に入って停まる。ぷひゅうう、とマリオは息を吐く。

 カツン、とヘルメットをぶつけてミカリが言う。「わたしを乗せてるの、忘れてたでしょ」「ああ、うん・・ごめん」視野の左端でルカが笑う。コンビニに入って水を買って日陰のベンチに座って飲む。ふいにミカリが話し出す。「マリオのお母さんと家政婦さんの対応は正しいと思う」え、と驚く。「そうなの?どうして?」火照った頬にペットボトルを押し当てながらミカリが続ける。

「大勢の魂を呑み込んで操れてしまうマリオの力が、記憶と一緒に封印されることで、マリオと世界の両方が守られる。思い出して力が戻ってコントロールできなかったら、マリオはすごく苦しくなるし、その力を利用しようとする人間や組織が出てくるから」「・・・・」確かに、と思って空を見上げる。一面の水色の中を真っ白な雲が流れていく。

 母さんもビアンカも先輩も正しい、でも、と思って、許せないのは自分自身であることにマリオは気づく。僕の中でこじれているのは〝怪物〟であることへの罪悪感だ「気持ちが吹っ切れてすっきりするまで、バイクでいっぱい走ればいいよ。何時間でも、何日でも」同じ空の同じ雲を見上げながらミカリが言う。

 マンションの前でミカリを降ろして、改めてひとりで走りに行く。ガソリンを給油して首都高速に乗る。太陽の光をキラキラと弾いてビルの壁が流れていく。あっという間に一周し、続けて二周目のトライアルに入る。輝きとスピードの流れの中で怒りと痛みが洗われていく。

 右のミラーに赤い光が映る。サイレンを鳴らしてパトカーが来る。しまった、と思ってメーターを見ると八十キロを超えていない。おかしい、なんでだ。覆面パトカーに並ばれる。助手席の私服刑事がついてこいとジェスチャーをする。違和感を感じつつ後に従う。

 駐車帯を素通りしてパーキングエリアへ入っていく。駐車場で停車したパトカーの横にバイクを停める。私服刑事が降りてきて警察手帳をマリオに見せる。「こっちへ」と言ってパトカーの奥に駐車しているロングバンへと歩く。何なんだろう。鼓動が高まる。気をつけろ、とルカが言う。バンの中から普通じゃない気配がする。

 刑事がロングバンのスライドドアを引き開け、乗れ、とマリオに目で促す。腹を決めて中に乗り込み対面仕様のシートに座る。刑事は乗らずにドアを閉める。向かいのシートにスーツ姿の若い男が座っている。グレーのスーツに短めの髪で黒縁の眼鏡をかけている。人形のように整った顔つきで、ガラス玉のように無表情な目をしている。

「警視庁警備部の国刀こくとうと言います」
 手帳を見せて男が名乗る。やっぱり交通課の警官じゃない、スピード違反の取り締まりじゃないんだ。「君の持っている拳銃について、話がしたくて来てもらった」
 ざあっ、と全身の血の気が引く。紅い拳銃を知ってる───どうしてだ!

「周ミカリのマンションに盗聴器を、飛頭蛮のフロアとオフィスに隠しカメラを仕掛けてある。君のこと、君に身に起きたことはすべて知っているんだ、草薙マリオくん」
 頭の中が真っ白になった。
 マジかよ。嘘だろ。どうしてそんなことが許されるんだ?
 左右対称の完璧な笑顔を浮かべて国刀が言う。「まずは、紅い拳銃を出して見せてくれ」

 逆らうな、と視野の左端でルカが言う。ここは従った方がいい、紅い拳銃を出してやれ。しばらく気持ちを鎮めてから右手に意識を集中する。掌から血液が溢れ出し、凝固して紅い拳銃になる。おお、と小さく国刀が言う。見せろ、と促すように右手を差し出す。一瞬躊躇ちゅうちょしてから手渡す。グリップを握った国刀がさっとマリオに銃口を向ける。撃鉄を上げて引き金を絞る。

「あっ!」と思わずマリオは叫ぶ。空打ちの音が車内に響く。拳銃は炎を吹き出さない。
「・・・やっぱり。君にしか撃てない銃なんだね」国刀が紅い拳銃を返す。息を詰めたままマリオは受け取る。ガラスの瞳で見つめられる。腹の底から怒りが湧いてくる。
「先輩とは、どういう関係なんだ?」ぶつけるように訊いてしまう。無視して静かに国刀が言う。「今後君には、僕のために、紅い拳銃の力を使ってもらう」「はぁ?」言ってる意味が分らない。身を乗り出して国刀が語る。

「僕が警察官僚をやっているのは、短期間で国政の中枢に入り、与党を自由に動かせる立場の政治家になるためだ。そうして僕は、この列島で生きてる人々のマインドを改革したい。大衆の意識を根底から大急ぎで作り変えなければ、遠からずこの国は滑り落ちるように崩壊して滅びてしまう。国家の滅亡を防ぐことが僕の生涯のミッションなんだ。そのためには君と、紅い拳銃の力がどうしても必要だ」国刀の顔をぽかんとしてマリオは見つめる。

 こいつ、おかしい。
 馬瞬豪の時とは全然違う、狂ったり壊れたりしてるんじゃない、人が喋っている感じがしない。

 この男の意識が読めない、と視野の左端でルカも言う。ミカリの父親の紹介で出会って定期的に会っているのが見える、ミカリが大学を卒業したら、二人を結婚させようという家同士の約束があるのが見える、でもミカリに対する感情がこの男の中には存在しない、あるのは緻密な思考の網だけ───こんな魂は初めてだ。
 やっぱりこいつなんだな、とルカの話を聞きながらマリオは思う。馬の他にもう一人、関わりを持っていた官僚の男は。

「紅い拳銃で撃たれた後の、馬瞬豪を見て確信した。メディアと君と紅い拳銃を組み合わせて大衆に使うことで、千万単位の人間の意識を簡単に作り変えることができる。善と悪、正しさと誤り、成功と失敗、清らかさと穢れ、そういった二極性に刻み尽くされ、小さく、重く、断片化して、生命力を失った国民の魂に、一気に再構築をかけてやることで、自律性の不在という長年の宿痾しゅくあをこの国から取り除き、大国の奴隷状態から抜け出させることができる、と」そこまで語って国刀が黙り、シートにもたれてマリオを見つめる。ミカリの言葉が脳裏をよぎる。

 大勢の人間とシンクロして操れてしまうマリオの力を、利用しようと考える人たちが出てくるから。
 魂の再構築のことまで知ってるなんて、何者なんだ?

「君は私に協力する。そうする道しか選べない」熱量を持たない淡々とした口調で国刀が続ける。「断れば、証券取引所を爆破したテロリストの共犯として、国家反逆罪で僕が逮捕し、社会的に君を抹殺する。君の母親と家政婦にも、共犯の罪状をつけて刑務所に送る」ぎりっ、と拳銃のグリップをマリオの右手が握りしめる。「協力すれば全てに目をつむり、これまで通りの生活を約束する。いずれにしても君はもう、私の支配下でしか生きられない。道具になるか、犯罪者に堕ちるか、二つに一つだ」

 国刀が黙る。話が終わる。マリオの返事を待っている。考えるまでもない。ガラス玉のような目を見返して答える。「僕はどっちも選ばない」紅い拳銃を国刀に向ける。撃鉄を上げて額を狙う。薄い唇で国刀が笑う。「その拳銃で僕を撃っても何も起きない。意味がないよ」シートの裏側へ左手を伸ばして布袋に入った棒を取り出す。紐を解いて袋を落とす。

 現れたのは日本刀だ。マリオが口を開ける。想定外すぎる。国刀が刀の鯉口を切る。引き出された刀身は墨のように黒い。「国刀家に代々伝わる『陰陽魚いんようぎょ』という打刀うちがたなだ。君の紅い拳銃と同じ力を持っている」
 は?
 耳を疑う。今、何て言った?
 本当だ、と視野の左端でルカが言う。確かにあの黒い刀は〝魂の殺戮兵器〟だった。今は紅い拳銃と同じ、斬った相手の魂を変質させる持ってる。

 マリオにしっかりと見せつけてから国刀が『陰陽魚』を鞘に収める。シートの上にを置き、ジャケットとシャツを脱いで上半身裸になる。右の鎖骨から左胸にかけて袈裟懸けに長い刀傷がある。「高校生のとき、この刀で父親に斬られた───僕も再構築済みなんだよ」

 マリオは絶句してしまう。紅い拳銃の銃口が下がり、血になって掌から体内へ戻る。
「僕と君は同類だ。だから同士になれ。マリオくん」
 国刀が握手を求めて右手を差し出す。ガラスの瞳が虚ろに光る。
 同類?マリオは心で反芻はんすうする。だったらどうして僕はこの男に〝星〟を感じないんだろう?


<続く>

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木葉功一
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