(基本解説008)「直接民主制」と「間接民主制」の違い
(政治や法律の基本解説)
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「直接民主制」とは
みんなが集まって直接、政治に参加する
「間接民主制」とは
代表者を選んで代わりに参加してもらう
民主政治には2種類のやり方がある
民主政治には「直接民主制」と「間接民主制」があります。最初の「直接民主制」とは、古代ギリシャの民主主義のように人々が直接、政治に参加していました。しかし、近代では領土が広がったり、人が多くなったことで、みんなが集まって議論することが困難になります。そこで代表者を選んで、代わりに政治に参加してもらうようになりました。
選挙で代表者を選ぶ
人々が「直接」決めるのではなく、みんなが選んだ代表者が議論をして多数決をとって決めていきます。このやりかたを「間接民主制」と呼び、代議制ともいいます。国民の意思が政治に反映されるように選挙で、代表者(代議員)を決めます。
前提はあくまでも国民主権
たとえば、消費税増税の例では、私たちは直接「賛成」した覚えも「反対」した覚えもないですよね。でも消費税を上げることを決めた「国会議員」を選んだのは、私たち日本国民なので、政治を「最終的に」決める権力を持っているのは国民、という理屈が成り立ちます。直接民主制だろうが、間接民主制だろうが、基本は国民主権ということです。
実は現代でもある直接民主制
2016年、イギリスで「EUから離脱するかどうか」に賛成・反対の意思を表明する「国民投票」が行われました。結局、わずかな差でEU離脱が決まりました。この国民投票は、国民みんなが参加して決めたものですから、直接民主制的な方法でした。日本でも憲法改正の際には、最終的にこの国民投票で決められます。
両者にはデメリットもある
直接民主制と間接民主制のどちらにも欠点が存在します。人数が多くなると短期間で建設的な議論を行うには、かなり無理があります。「少数の意見」が聞き入れられない可能性があります。また間接民主制のほうは、これまた多数の意見を尊重する方式ですので、少数意見が切り捨てられる結果に。多数決も万能ではないのです。
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